グーリ・アミール廟
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グーリ・アミール廟

基本情報
所在地 ウズベキスタンサマルカンド
宗教イスラム教
建設
形式
様式ティムール建築
建築物
ドーム高(外側)37m[1]
ミナレット数2
ミナレット高30 m?
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グーリ・アミール廟 (グーリ・アミールびょう、ラテン文字:G?r-e Am?r, Guri Amir、キリル文字:Г?ри Амир, ペルシア語: ???? ????‎) はウズベキスタンサマルカンドにある、ティムール朝建国者のティムールおよびその家族の霊廟である。グリアミール廟とも表記する[2]。グーリ・アミール廟は、後代に建設されたデリーフマーユーン廟アーグラタージ・マハルのような素晴らしいムガル建築の礎を築くこととなった、テュルク・ペルシア建築史上の重要な建築物である。グーリ・アミールはこれまでに大規模な修復が行われている。
建設イーワーンとドーム状の建築物からなる墓の周りにある幾何学模様の中庭イーワーンとドーム状の建築物からなる墓の周りにある幾何学模様の中庭

グーリ・アミールとはペルシア語で「王の墓」を意味する。青いドーム状のこの建築物の中にはティムールと彼の息子であるシャー・ルフミーラーン・シャー、孫のウルグ・ベクとムハンマド・スルターンの墓がある。グーリ・アミール廟にはティムールの師であったサイイド・バラカ(英語版)も眠っている。

グーリ・アミール廟において最初に建設された部分は14世紀末にムハンマド・スルタンの命により建設された。現在ではマドラサハーンカー (修道場に相当[3])、入口部分と建物の周囲にあるミナレットのみが現存している。

グーリ・アミール廟の建築自体は1403年にティムール最愛の孫であり、王位継承者であったムハンマド・スルターンが突然の死を迎えた後に始まった。ティムールはシャフリサブスにあったアクサライ宮殿[4]の付近に自身の小さな墓の建設を開始した。しかし、ティムールは1405年の中国への軍事遠征の途上で死亡した。シャフリサブスへの道は雪で閉ざされていたため、代わりに現在グーリ・アミール廟のある位置に埋葬された。ティムールのもう一人の孫であったウルグ・ベクはこの仕事を完遂した。ウルグ・ベクの治世において、グーリ・アミール廟はティムール朝の家族の玄室となった。
建築グーリ・アミール廟の内部、ムカルナス式の装飾がなされている。ライトアップされたグーリ・アミール廟鮮やかな青を使用したレンガの装飾

ムハンマド・スルターンの墓へと続くイーワーン(入口)には彫刻が施されたレンガや様々なモザイク模様で豊かな装飾がなされている。イーワーンの装飾は熟練された職人 (ustad) のムハンマド・ビン・マフムード・エスファハーニー (Muhammad bin Mahmud Isfahani)により作成された。廟正面のイーワーン外側の壁が小さく設計されているため、ドームの高さが強調されている[5]。17世紀には西側に新たなイーワーンの建設が計画されたが、未完に終わった[5]

グーリ・アミール廟は外部から見ると1つのドーム状の建築物に見える。グーリ・アミール廟はその構造の単純明快さと外観の荘厳さで有名な建物である。建物は青色のドームが建物の上部に付属したような構造となっている。壁の外装は青、淡青と碑文を記した幾何学模様の白のテラコッタ製のタイルからできている。八角形の母屋の上に、高さ約37mの椎の実型の二重ドームが建つ[1]。ドーム部分に深い溝で凹凸を付けることにより、見事な表現を実現している。

ドーム北側の方形の中庭の東西には、マドラサとハーンカーが向かい合う形で建っている。ウルグ・ベクの治世には、霊廟と中庭を繋ぐ東側の通路が作られた[1]

グーリ・アミール廟の内部には壁に多様な装飾が施された大広間がある。壁の地上に近い部分には切りだされた一枚岩のメノウが使用されている。各々のメノウも塗装で鮮やかに装飾されている。これらの一枚岩の上には大理石によるムカルナスの装飾がある。壁の大部分は塗装された石膏で装飾されている。アーチ型の部分とドーム内部はカルトゥーシュのような形式で深く文字が刻まれ、周りに装飾がなされている。

廟内部の部屋にある凝った装飾の行われた墓石は地下室にある墓の位置を示しているのみで、実際の墓ではない[1]。ウルグ・ベク統治下に、黒緑色のネフライトがティムールの墓石として安置された[6]。ティムールの墓石は、ウルグ・ベクが1425年に実施したモグーリスタン遠征の帰途で持ち帰ったものだと伝えられている[7]。13世紀末のチャガタイ・ハン国の君主ドゥアが石をカルシの宮殿に運び、モグーリスタン遠征の途上でカルシに立ち寄ったティムールが石を気に入ったがサマルカンドに持ち帰ることはできなかったという伝承が残る[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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