グロリア_(1980年の映画)
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グロリア
Gloria
監督
ジョン・カサヴェテス
脚本ジョン・カサヴェテス
製作サム・ショウ
出演者ジーナ・ローランズ
音楽ビル・コンティ
撮影フレッド・シュラー
編集ジョージ・C・ヴィラセニョール
製作会社コロンビア ピクチャーズ
配給コロンビア映画
公開 1980年10月1日
1981年2月14日
上映時間123分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
興行収入$4,059,673[1]
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『グロリア』(Gloria)は、1980年に公開されたアメリカ合衆国アクション映画ジョン・カサヴェテス監督・脚本。ジーナ・ローランズ主演。ギャングの襲撃から生還した少年を偶然かくまうことになった隣人の中年女性の奮闘を通じ、2人が心を通い合わせるさまが描かれる。

ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞[2]ルイ・マルの『アトランティック・シティ』と同時受賞)。ローランズは第38回ゴールデングローブ賞(英語版)のドラマ部門主演女優賞[2]および、第53回アカデミー賞主演女優賞[2][3]にノミネートされた。

ローランズ演じる主人公の衣装はエマニュエル・ウンガロが提供した[4]

1999年にシャロン・ストーン主演でリメイクされている。「グロリア (1999年の映画)」を参照
ストーリー

ニューヨーク。会計士のジャックは、ギャング組織の会計を担当しながら、会計情報をFBIなどに提供しており、それが組織に露見したために一家ごと消されようとしていた。ある日、ジャック一家が隠れ家として逃げ込んだサウス・ブロンクスの安アパートをギャングが探り当て、制裁のために踏み込んでロビーに居座り、見回りの警官の目が手薄になるのを待つばかりとなっていた。

観念したジャックは、たまたまコーヒーの粉を借りに一家の部屋を訪ねて来た隣人の独居女性、グロリア・スウェンソンに、6歳の息子・フィルを預かるよう頼み込む。子供嫌いを公言するグロリアは断ろうとするが、ただならぬ雰囲気を感じ取り、思わずジャックの突然の依頼を聞き入れてしまう。フィルは未通報の会計情報が書き込まれた手帳を「大事な聖書だ」と言い聞かせられて持たされていた。一味はすでに手帳の存在もつかんでいた。グロリアがフィルを連れて部屋に戻った瞬間、廊下に足音が響き、やがてジャックの部屋から大きな銃声や、部屋を荒らす音が聞こえてくる。グロリアは組織のしわざとさとる。

組織が引き上げたあと、警官隊や消防隊や野次馬が駆けつける混乱の中、グロリアとフィルはアパートを逃げ出す。グロリアは「あんたのパパやママを殺したのはあたしの友達なんだ」と言明して無関係を装おうとし、悲しみに暮れてすがりついてくるフィルを疎んじる。グロリアは若い頃、組織の後援のもとでショーガールとして働いており、かつては組織のボス、トニー・タンジーニの情婦でもあった。グロリア・スワンソンと1字違いの名前も、彼女が安全に生きていくために組織が与えた偽名だった。グロリアはフィルに冷たく接する一方で、「靴下を新品にはき替えなさい」とも執拗に言い、フィルをいぶかしがらせる。

2人はマンハッタンにある、グロリアが別邸として利用している彼女の「姉」名義のアパートに逃げ込み、一夜を明かす。翌朝になると、グロリアはフィル誘拐犯として指名手配の身となり、新聞やテレビで大きく報道される。また、グロリアの身柄は組織に筒抜けであるため、ギャングたちが、手帳を奪おうと別邸にやってくる。グロリアとフィルは別邸を脱出するも、一味の自動車に追いつかれる。グロリアは隠し持っていた拳銃を抜いてギャングを撃ち、追跡から逃れる。

グロリアは一家の葬儀を行うことをフィルに提案し、2人で墓地に行く。フィルは適当に選んだ墓の前で家族に別れを告げ、「僕は男だ。それにもう6歳になったから、何だってできるんだ」と自分に言い聞かせるようにつぶやく。

安宿を転々とし、そのたびに追っ手をまいてきたグロリアは、フィルをかくまうのが怖くなり、ある朝、彼をブロードウェイの路上に置き去りにするが、思い直し、タクシーに乗り込んで彼を探し回る。フィルは少し年長の同胞の少年が遊んでいるところに身を寄せていたが、その父親はギャングの手下だった。フィルはちょうどグロリアの目の前で、その手下に家の中に連れ込まれてしまう。グロリアはその家に乗り込み、フィルと手帳を奪い返して地下鉄で逃げ、ミッドタウンの高級ホテルに籠城する。グロリアはフィルに自分の故郷であるピッツバーグへともに逃げることを提案する。

フィルはグロリアに芽生えた母性に気づかず、グロリアとギャングが戦うことを疑問に思い、「銃を使ったらギャングと同じになっちゃうよ。手下を撃つんじゃなく、組織と戦わなきゃ」と子供らしく率直に語る。これを聞いたグロリアは逃避行に決着をつけることを決意し、自らトニーに連絡して、手帳を持って組織のアジトに向かうことを告げる。所持金をすべて引き出し、フィルに100ドル札の束を渡したグロリアは、「常に1枚だけ両替でくずし、残りは靴下に隠しなさい。3時間半経って戻らなかったらホテルを出て、ひとりでピッツバーグに行きなさい」と告げ、ホテルを去る。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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