グルタミン酸
IUPAC名
Glutamic acid
別称2-Aminopentanedioic acid
2-Aminoglutaric acid
識別情報
CAS登録番号617-65-2
199 °C(分解)
水への溶解度soluble
危険性
GHSピクトグラム
HフレーズH301, H315, H335
EU Index Xn
NFPA 704120
関連する物質
関連物質α-ケトグルタル酸
アンモニア
グルタミン
グルタミン酸ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
グルタミン酸(グルタミンさん、英: glutamic acid, glutamate)は、アミノ酸のひとつで、2-アミノペンタン二酸のこと。2-アミノグルタル酸とも呼ばれる。Glu あるいは E の略号で表される。小麦グルテンの加水分解物から初めて発見されたことからこの名がついた。英語に準じ、グルタメートと呼ぶこともある。
酸性極性側鎖アミノ酸に分類される。タンパク質構成アミノ酸のひとつで、非必須アミノ酸。動物の体内では神経伝達物質としても機能しており、グルタミン酸受容体を介して神経伝達が行われる、興奮性の神経伝達物質である。
グルタミン酸が多くつながると、納豆の粘性物質であるポリグルタミン酸になる。
致死量はLD50=20グラム/キログラムであり、体重50キログラムのヒトなら1,000グラム=1キログラムである。 クエン酸回路の一員である2-オキソグルタル酸が、グルタミン酸トランスフェラーゼ
生合成
あるいは、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ (EC 1.4.1.3) による、グルタミン酸の2-オキソグルタル酸とアンモニアへの分解反応の逆反応により合成される。L-glutamate + H2O + NAD(P)+ → 2-oxoglutarate + NH3 + NAD(P)H + H+ コンブ、チーズ、緑茶などに大量に含まれるほか、シイタケ、トマト、魚介類などにも比較的多く含まれていることが知られている。 主に、食品添加物であるL-グルタミン酸ナトリウム(グルタミン酸ソーダ、mono sodium glutamate、MSGあるいはグル曹とも呼ばれる)の中間原料として製造、利用される。グルタミン酸そのものは酸味を持つため、そのナトリウム塩であるグルタミン酸ナトリウムが調味料(うま味調味料)として利用されている。L-グルタミン酸ナトリウムを主成分とする調味料として、日本では味の素などがよく知られている。 昆布等からのグルタミン酸の抽出には水に含まれるミネラルが悪影響を及ぼすので軟水の使用が望ましい[1][信頼性要検証][2][信頼性要検証][3]という話がよくある。多数の硬度の違う水を用いた研究によると、昆布からのグルタミン酸ナトリウムの抽出量における硬度の影響は否定されている[4]。同研究では、カルシウムの影響で粘性が上がるので、グルタミン酸の量が関係なくとも昆布だしを取るにはカルシウムが多い水は向かないとしている[4]。 現在ではグルタミン酸は工業的に生産されている。2005年には世界で約 170 万トン、年率で3 - 4 %の増産が見込まれていた[5]。用途によっていくつかの製法が併存するが、アミノ酸発酵によるものが最も生産量が多い。 グルテン、大豆蛋白 アクリロニトリルを原料に、ホルミル化、シアノアミン 生合成にも使われているグルタミン酸デヒドロゲナーゼや、アミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸合成酵素などの酵素と補酵素の作用によって、それぞれ異なる原料から製造する方法もある。 細菌、酵母などの微生物のアミノ酸代謝を人為的な変換により過剰に産生させ体外に排出蓄積させる技術をアミノ酸発酵という。1955年、協和発酵(現・協和発酵バイオ)の田中 勝宣
存在
利用
製法
加水分解法
抽出法によって抽出すれば利用可能であり、1930年代には工業化されたが、コストが高いことと、廃棄物が多く出ることから、現在は用いられない。
化学合成法
酵素促進合成法
アミノ酸発酵法
出典[脚注の使い方]^ ⇒軟水と硬水について 株式会社コスモライフ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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