この項目では、天然型のD-グルコースについて説明しています。L体については「L-グルコース」をご覧ください。
D-グルコース
β-D-グルコース
IUPAC名
6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2,3,4,5-テトラオール[1]
別称デキストロース、ブドウ糖
識別情報
略称Glc
CAS登録番号50-99-7
α-D-グルコース: 146 ℃
β-D-グルコース: 150℃
水への溶解度91 g/100 mL (25℃)
メタノールへの溶解度0.037 M
エタノールへの溶解度0.006 M
テトラヒドロフランへの溶解度0.016 M
熱化学
標準生成熱 ΔfHo?1271 kJ/mol
標準燃焼熱 ΔcHo?2805 kJ/mol
標準モルエントロピー So209.2 J K?1 mol?1
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC 0865
EU Indexnot listed
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
グルコース(英: glucose)は、分子式 C6H12O6を持つ単純な糖である。ブドウ糖(ブドウとう、(葡萄糖)とも呼ばれる。三文字表記の略称はGlcであり、ドイツ語のTraubenzucker(トラウベンツッカー:Trauben ブドウ、Zucker 糖)からTzとも略記される。なお、しばしば用いられるGluという表記ではグルタミン酸などを指すことがあるため、少なくとも化学において使われることはあまりない。また、ブドウ糖の名の由来は、「熟したブドウの果汁に多く含まれていたから」、「化学式の形状がブドウの房に似ていたから」などの説がある。
グルコースは血糖として動物の血液中を循環している。糖は植物などに含まれる葉緑体において、太陽光からのエネルギーを使って水と二酸化炭素から光合成によって作られる。グルコースは細胞呼吸(英語版)のための最も重要なエネルギー源である。植物ではデンプン、動物ではグリコーゲンのようなポリマーとして貯蔵される。
グルコースは6個の炭素原子を含み、単糖の下位区分であるヘキソースに分類される。D-グルコースは16種類のアルドヘキソース立体異性体の一つである。D型異性体であるD-グルコースは、デキストロース(dextrose)とも呼ばれ、天然に広く存在するが、L-型異性体であるL-グルコースはそうではない。グルコースは乳糖やショ糖、麦芽糖、セルロース、グリコーゲンなどといった炭水化物の加水分解によって得ることができる。グルコースは通常コーンスターチから商業的に製造されている[2]。
グルコースは世界保健機関必須医薬品モデル・リストに入っている[3]。Glucoseという名称は、「ワイン、ブドウ果汁」を意味するギリシア語 γλυκ?? (glukos, 「甘い」を意味する γλυκ?? (glykys)に由来する) から来ている[4][5]。接尾辞の "-ose" は炭水化物を示す化学分類辞である。 グルコースはドイツの化学者、アンドレアス・マルクグラーフ
発見の歴史