グリーン・ランタン
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グリーンランタン(: Green Lantern)は、DCコミックスの出版するアメリカン・コミックスのタイトル、及び架空のスーパーヒーローの名称[1]
概要

初代グリーンランタンは、『オール・アメリカン・コミックス』誌16号(1940年)でデビューした。地球人だけでも8人が存在しており、宇宙全体では3600人が任命されている[2]

数度の代替わりを経ているが、全てのグリーンランタンに共通する特徴として、「パワーリング」と呼ばれる特別な指輪を所有していることがあげられる。その指輪とそこから発せられるエネルギーは、使用者がそのコントロールを失わない限り、絶大なパワーをもたらしてくれる。

グリーンランタンになる条件を満たしていれば種族は問われず、例えば2029年の地球のグリーンランタンであるシロナガスクジラの Circa の様に、人間以外の動物や昆虫、病原菌、意思を持つ数列などのグリーンランタンも存在する。

シルバー・エイジにDCコミックスが立ち上げた人種差別麻薬などの社会問題を意識的に取り上げたコミックシリーズで、弓術の達人グリーンアローと二代目グリーンランタンのコンビが主人公となった。グリーンランタンはこのシリーズ企画で人気キャラクターとなったが、続いて展開された単独タイトルではSF色をより強くし、宇宙的なテーマを扱うようになった。
初代グリーンランタン

グリーンランタン
出版の情報
出版者
DCコミックス
初登場All-American Comics#16(1940年7月)
クリエイタービル・フィンガー
マーティン・ノデル
作中の情報
本名アラン・スコット
所属チームジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ
チェックメイト
オールスター・スカッドロン
センチネルズ・オブ・マジック
著名な別名センチネル
ホワイトキング
詳細は「en:Alan Scott」を参照
人物

本名:アラン・スコット (Alan Wellington Scott)。白人男性。→センチネル

緑の炎を放つ隕石となって地球に墜落した、スターハートの破片から削り出された「生命のランタン」の力で、列車事故から命を救われた若き鉄道技師アラン・スコットは、その導きにしたがって魔法のリングとコスチュームを製作し、グリーンランタンと名乗ってクライムファイター(犯罪者退治専門のヒーロー)になる。
特徴

胸に緑のランタンマークをつけた赤いコスチューム

緑のタイツと赤いブーツ

緑色のマント

目を隠す緑色のアイマスク

左手の中指にはめた緑色のパワーリング

パワーリングを通して魔力の結晶スターハートにアクセスし、その魔力を使うことが出来る。魔力はパワーリングから放射される緑色の光として発現し、使用者の意志力を具現化させる。ビーム状に投射したり、ソリッドライト(固形の光)として使用者が念じたとおりの物体を組み上げることもできる。弱点は、木で出来た物質に対してはリングの魔力は無効化されることと、リングに蓄えられた魔力には限りがあり、24時間毎にランタンに接触させて魔力をチャージする必要があることの二つ。

女性ヴィラン、ソーン(Thorn)との間にジェニファーとトッドの双子をもうけた(このふたりは長じてそれぞれジェイド(Jade)、オブシディアン(Obsidian)を名乗り、ヒロイン/ヒーローとしてデビューする)。

『ゼロ・アワー』(Zero Hour)事件で魔力のパワーリングを破壊されたアランは、グリーンランタンの称号をカイル・ライナー(五代目グリーンランタン)に譲って引退を決意する。しかし、自身の体内にスターハートの魔力の一部が残存していることに気付き、センチネルと改名してヒーローに復帰する。

その後、何者かに誘拐された娘ジェニーを探すセンチネル(アラン)は、悪しき存在と化したスターハートと遭遇。ジェニーを救うために自身の能力をスターハートに返上する。そのため、魔力によって維持していた若さを失って急速に老化して倒れる。しかし、スターハートを騙してその魔力にアクセスしたジェニーによって復活し、スターハートは倒された(『ハート・オブ・ダークネス』(Heart of Darkness)事件)。
ガーディアンズ・二代目以降との関係

初代ランタン・アランと二代目ランタン・ハル以降が所属するコァのガーディアンズとは無関係に思われがちだが、実は大いに関係がある。初代・アランが使用するパワーリングとランタンは実はガーディアンズが製造したコァのパワーリングとパワーバッテリー。エネルギー源は違えど金型はハルたちが使用しているものと同じである[要出典]。アビン・サー以前に地球を含むセクター2814のランタンはそのパワーを悪用し蛮行を重ねたためガーディアンズによって処刑される[要出典]。パワーリングとパワーバッテリーは宇宙を彷徨ううちにスターハートの破片と接触、緑の炎を放つ隕石となって地球へ落下する。そしてアラン・スコットの手に渡る。アラン・スコットは名誉メンバーとしてグリーンランタン・コァの一員となっていた時期がある。しかし、センチネルに名を改めたことでランタンの名を返上しコァを除隊している[要出典]。

過去の設定では初代と二代目は完全に無関係であった。

1960?1970年代当時のDCコミックスは多次元宇宙を展開しており、初代はアース2、二代目はアース1のヒーローであった。初代のいるアース2にはガーディアンズは存在しないことになっている。しかし、大型クロスオーバー「クライシス」で多次元宇宙は一つに統一され上記の設定に変更された。
二代目グリーンランタン

グリーンランタン
出版の情報
出版者
DCコミックス
初登場Showcase#22(1959年10月)
クリエイタージョン・ブルーム
ギル・ケイン
作中の情報
本名ハル・ジョーダン
種族地球人
所属チームグリーンランタン・コァ
ジャスティス・リーグ
フェリス航空
パートナーフラッシュ (バリー・アレン)
グリーンアロー
バットマン
キャロル・フェリス
著名な別名パララックス
スペクター
詳細は「en:Hal Jordan」を参照
人物

本名:ハル・ジョーダン (Harold "Hal" Jordan)。白人男性。→パララックス(Parallax)→パララックススペクター(Parallax Spectre)→グリーンランタン、パララックス、スペクターの3者へ分離

地球を含むセクター2814のグリーンランタンとして活動中だった赤い肌の異星人アビン・サー(Abin Sur)は敵との戦いで重傷を負い、地球に不時着する。瀕死の彼は自分のパワーリングに、グリーンランタンの称号を受け継ぐに相応しい人間を捜すように命令する。

パワーリングの緑の輝きはコーストシティに住むテストパイロット、ハル・ジョーダンを選び出し、アビン・サーの元へ召還した。アビン・サーの意志を継いだジョーダンは、地球人初のグリーンランタン・コァ隊員として、地球の、そしてセクター2814の平和を守るための戦いに身を投じる[1]
特徴

胸に白地に緑のランタンマーク

首から下の全身を覆う緑と黒のボディースーツ

緑色のブーツ

目を覆う緑色のアイマスク

白い手袋

右手の中指にはめた緑色のパワーリング

武器は、エネルギーを投射するパワーリング。エネルギー源は惑星オアに設置されたセントラル・パワーバッテリーで、ランタンに似たパワーバッテリーを通じて、セントラル・パワーバッテリーにアクセスしてエネルギーをチャージする。

このエネルギーは緑色の光として発現し、その威力は使用者の意志力に比例する。ビーム状に投射したり、ソリッドライトとして使用者が念じたとおりのありとあらゆるもの(バリア・火器を含む武器類、馬やドラゴンなどの騎獣、クレーンやハンマーなどの重機類など)を仮想的に実体化させられる。また、超光速で宇宙を飛ぶ飛行能力を与え、他の隊員とのテレパシー通信を可能とする。

弱点は、黄色の物質に対しては効き目がないこと、リングのエネルギーはチャージしてから24時間で切れ、パワーバッテリーと接触させて再度エネルギーをチャージする必要があることの二つ。ただし、24時間以内ならば、リングのエネルギーは使用者の意志力が続く限り無尽蔵に引き出すことができる。

スーパーマンに恨みを持つヴィランであるハンク・ヘンショウと異星人モングルによって生まれ故郷のコーストシティを破壊されてしまったハルは、パワーリングの力を使ってコーストシティとそこに住む愛する人々を甦らせようとする。しかしガーディアンズは、ハルが私利私欲のためパワーリングの力を使ったと判断し、彼を更迭しようとした。

この処置に納得できないハルは、惑星オアへ赴き、セントラル・パワーバッテリーを奪取しようとする。ガーディアンズは、他のグリーンランタン・コァを差し向けてハルを止めようとするが、狂気に突き動かされたハルにかなうものは無く、次々と倒されてパワーリングを奪われていく。最後の手段として幽閉から解放された宿敵シネストロとの決戦にも勝利したハルは、ついにセントラル・パワーバッテリーを掌握し、狂気のグリーンランタン・生きたパワーリングこと魔人パララックス(Parallax)へと変貌する。パララックスがセントラル・パワーバッテリーのエネルギーを吸収しつくしたことによって、ガーディアンズは全滅する。唯一、生き残ったのは、ガンセット(Ganthet)というガーディアンだけだった(『エメラルド・トワイライト』(Emerald Twilight)事件)。

その後パララックスは、『クライシス』(Crisis)事件で生じた時空エネルギーを用いて、「すべての悪と不条理を消すため、宇宙をゼロから作り直す」ことを画策。時空魔人エクスタントを操り、悲劇の原因となった時間をリセットしようとして『ゼロ・アワー』事件を引き起こす。

しかし、恒星を喰らうガス状宇宙怪獣サンイーターが太陽系に襲来した『ファイナルナイト』(Final Night)事件で、自らの命と引き換えにサンイーターを倒して息絶える。

いったん死亡したハルだが、『デイ・オブ・ジャッジメント』(Day of Judgment)事件をきっかけに、復讐の精霊スペクター(Spectre)と合一して復活。新たなスペクターとして現世を守護していた。

実はセントラルバッテリーの中には太古より、「パララックス」という超古代の(この宇宙に知性体が誕生した瞬間に生まれた)怪物が、ガーディアンたちによって封印されていた。パララックスは“恐怖”を具現化した怪物であり、黄色で象徴されていた。このため、セントラルバッテリーに黄色の不純物が紛れ込むようになり、グリーンランタンの力は黄色には効かないという弱点が発生したようである。

グリーンランタンは定期的にセントラルバッテリーからエネルギーをチャージするが、その接触を通して目覚めたパララックスはグリーンランタンの心と接触をもつ方法を見出し、最強の戦士であるハルに徐々に恐怖を植えつけていった。

先述の『エメラルド・トワイライト』事件においてのハルの狂乱もここに一因があり、更にセントラルバッテリーを自らに取り込むことで、その中のパララックスまでもを自身に取り込むこととなったハルは、魔人パララックスとなったのである。

スペクターはこれらの事実を知った上で、ハルの中のパララックスを消滅させることを目的として、ハルを宿主として選び合体したのだが、逆にパララックスに乗っ取られてしまう。

こうして復活を遂げた魔人パララックスは、ガンセット、ガイ・ガードナー(四代目グリーンランタン)、ジョン・スチュアート(三代目グリーンランタン)ら歴代のグリーンランタンや地球の他のヒーローたちと激闘を繰り広げるが、彼らを圧倒する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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