グリーンベレー
The Green Berets
監督ジョン・ウェイン
レイ・ケロッグ
『グリーン・ベレー』(原題:The Green Berets)は、1968年にアメリカで公開された戦争映画。アメリカ陸軍特殊部隊、通称グリーンベレーを題材とした映画。1965年に出版されたロビン・ムーアの同名小説を原作とするが、内容は大きく異なる。多くの戦争映画と異なり、今日に至るまで評価が二分されている映画である。 本作の主題は、反共主義と南ベトナムにおけるアメリカ軍の肯定的プロパガンダである。本作が制作された1968年はベトナム戦争に対するアメリカの介入が頂点に達し、後にベトナム戦争最大の戦いとも言われたテト攻勢のあった年である。ジョン・ウェインはアメリカ国内で盛り上がる反戦・厭戦の雰囲気と社会的不満に反対する形で、この映画の製作に踏み切った。ウェインは常にベトナム戦争に対するアメリカの介入を支持する立場にあり、この「グリーン・ベレー」をベトナムで戦う兵士達に対する敬意として示そうとした。彼は製作にあたり、アメリカ陸軍の完全な協力を当時の大統領リンドン・ジョンソンに要請し、それを得る事に成功している。また、撮影に当りウェインは映画の共同制作者となった為、主人公ライズマン少佐役としてオファーされていた特攻大作戦への出演を断った。 しかし原作小説の映画化権利を購入していたコロンビア ピクチャーズの脚本家デイビット・L・ウォルパー
概要
作中、悪役である北ベトナム軍やベトコンはサディスティックな暴君であり、しかしまた有能かつ自発的な敵として描かれている。また本作では、ベトナム戦争がこれまでアメリカが経験した対外戦争と異なり、決まった前線を持たず、敵がどこからでも現われる密林戦の特性を表現している他、敵に関する情報を提供する洗練されたベトコンと北ベトナム軍のスパイ活動についても描写されている。肉弾08作戦(英語版)のように、南ベトナム軍について前向きな見解をする珍しい映画の一つである。 新聞記者ジョージ・バックワースは、ガブリエル演習場(初めてベトナムで戦死した特殊部隊隊員ジミー・ガブリエル
あらすじ
アメリカが何故アジアでの戦争に加担するのか、軍事介入に懐疑的な一般人やジャーナリストに語られた理由とは即ち、国際的な共産主義こそがアメリカがベトナムで対峙している敵だということだった。その証明として、グリーンベレーはベトナムで鹵獲したソビエト連邦やチェコスロバキア、中国など共産国製の武器や機材を示す。
しかし、バックワースは依然としてベトナム戦争の大義に懐疑的なままだった。そこでグリーンベレーのマイク・カービー大佐は、バックワースにベトナムに従軍して真実をその目で見ることを提案する。 役名俳優日本語吹替 本作はベトナム戦争に対して肯定的な見方をした点で特に批判されている。 封切りと同時に、シカゴ新聞の映画評論家・ロジャー・イーバートはこの映画を「星0つ」として、「使い古された決まり文句により、『カウボーイとインディアン』の戦いを描いた『高圧的で時代遅れの映画』である」と評した。[3]オリバー・ストーンの反戦映画『プラトーン』はその一部に本作への批判を込めているという[4]。 ベトナム戦争に関わる政治的な批判の他、映像面における撮影ミスも指摘された。以下の二点がしばしば指摘される。 前者は実際の撮影がフォート・ベニング駐屯地(第75レンジャー連隊本部)のあるジョージア州で行われた為であり、後者はカービー大佐の力強さを示す必要からこのシーンに限り敢えて壊れやすい玩具を使ったものである。
キャスト
TBS版フジテレビ版
マイク・カービー大佐ジョン・ウェイン小林昭二
ジョージ・バックワース記者デヴィッド・ジャンセン森川公也睦五朗
ピーターソン軍曹ジム・ハットン
マルドゥーン曹長アルド・レイ宮川洋一
"ドック"マギー軍曹レイモンド・セント・ジャック内海賢二
モーガン大佐ブルース・キャボット木村幌
カイ大佐ジャック・スー青野武
ニム大尉ジョージ・タケイ
ジャミソン中尉パトリック・ウェイン
プロボ軍曹ルーク・アスキュー
リンアイリーン・ツー上田みゆき
マクダニエル大尉エドワード・フォークナー
コールマン大尉ジェイソン・エヴァース
コワルスキー軍曹マイク・ヘンリー
ハムチャンククレイグ・ジュー池田真
司令官ジェームズ・シー千葉順二
TBS版:初回放送日1974年3月25日『月曜ロードショー』
フジテレビ版:初回放送日1980年3月7日『ゴールデン洋画劇場』
その他:納谷六朗、市川治、城山知馨夫、若本紀昭、加藤修、伊武雅之、安田隆、幹本雄之、日高晤郎、石丸博也、広瀬正志、竹口安芸子、小滝進、飯塚昭三
制作:東北新社
評価
ラストシーンでは夕日が海に沈んでゆくが、ベトナムはインドシナ半島東部に位置する為、ベトナム国内の海岸でこのような光景が見られる場所は存在しない。
劇中、カービー大佐がM16小銃を樹木に叩き付けてへし折るシーンがあるが、この小銃が明らかにマテル社の玩具であった。