グリチルレチン酸
IUPAC名
3β-ヒドロキシ-11-オキソオレアナ-12-エン-30-酸
別称エノキソロン
グリチルレチン
識別情報
CAS登録番号471-53-4
グリチルレチン酸(Glycyrrhetinic acid)は、甘草から得られるグリチルリチン酸の加水分解によって得られるβ-アミリン(オレアナン)系の五環式テルペノイド誘導体の一つ。アロエやキニーネのような薬品の苦味を緩和するための調味料として用いられる。胃潰瘍の治療に効果的であり、去痰剤としての特性もある[1]。 グリチルレチン酸は、PGE-2とPGF-2αをそれぞれ15ケト-13,14-ジヒドロ代謝体に代謝する酵素(15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ (NAD+)とδ-13-プロスタグランジン)を抑制する。これは消化器官でのプロスタグランジン濃度の増加を引き起こす。プロスタグランジンは胃液分泌を抑制するが、腸への膵臓分泌と粘液分泌を刺激するため、腸の運動性を著しく増大させる。また胃の細胞増殖を引き起こす。胃酸分泌、粘液分泌の促進、細胞増殖の効果があるため、甘草は消化性潰瘍治療に使える可能性がある。 PGF-2αは子宮の活動を刺激して流産を引き起こすことがあるため、甘草は妊娠中には摂取してはならない。 グリチルレチン酸の構造はコルチゾンに類似している。両方の分子は平面であり、3位と11位が似ている。これが甘草の抗炎症作用のベースになっていると考えられる。 カルベノキソロン グリチルレチン酸の代謝体の一つ、3-β-D-(モノグルクロニル)-18-β-グリチルレチン酸は、腎臓で活性コルチゾールを不活性コルチゾンに転換する。これは11-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ
人体への効果
カルベノキソロン
3-β-D-(モノグルクロニル)-18-β-グリチルレチン酸
脚注^ Chandler, R. F. (1985). “Liquorice, more than just a flavour”. Canadian Pharmaceutical Journal 118: 420?424.
参考文献
⇒Saponin Glycosides, by Georges-Louis Friedli, URL accessed Dec 2007.
関連項目
甘草
鉱質コルチコイド