グネツム属(新エングラー体系)
Gnetum africanum
分類
グネツム属(学名: Gnetum)はグネツム科の唯一の属。被子植物がひしめく熱帯で、まるで被子植物のような姿でひっそりと生育しており、西アフリカに2種、中央、南アメリカ大陸に7種、東南アジアに28種の合計37種ほどが分布する。 常緑低木または高木になる2種を除き、全て木本性の蔓(つる)植物で、全縁、無毛の葉が対生している様子は一見すると被子植物であるアカネ科の蔓植物を思わせる。グネツム属は通常、雌雄異株で、雄花(小胞子嚢が小苞に包まれたもの)が穂状に集まって環状に配列し、さらに幾段にも積み上がる。雌花(大胞子嚢)では胚珠は内外2対の小苞に包まれる。珠孔からは受粉滴が分泌され、花粉を受取る。外側の小苞は肉質に、内側の小苞は硬くなり、種子は核果状になる。 グネモン(G. gnemon)を初めとして多くの種で種子や葉を食用とすることができる。2000年代に入り、グネモンからレスベラトロールが発見されグネチンCと名付けられた。グネチンCの薬学的な効能についても研究が進んでいる[2]。 東南アジアに分布する木本2種である。 2種が熱帯アフリカに分布する。 中南米に分布する9種が含まれる。いずれもつる植物である。
形態
グネモンの雄花
グネモンG. gnemonの果実
G. macrostachyumの果実
グネモンの種子の切断面
生態
人間との関わり
グネモンの種子は食用になる
empingと呼ばれるインドネシアの揚げた煎餅状の菓子はグネモン(G. gnemon)の種子を含む
インドネシア料理サユール・アッサムに入れられたグネモン(G. gnemon)の種子(左下の円筒形のもの)
タイで食材とされるグネモン(G. gnemon)の葉はphak liangと呼ばれる。
食用のためみじん切りにされたアフリカ産種G. africanumの葉
加工されるG. africanumの葉
G. africanumの葉が入ったアフリカの伝統料理Ikok
レスベラトロール二量体の構造式
下位分類
Gnetum節 sect. Gnetum
Gnetum亜節 subsect. Gnetum
グネモン Gnetum gnemon
中国南部からマレー半島、インドネシアやミクロネシアに至る区域に分布。垂直分布は海岸沿いから標高1500m付近までである。樹高は最大25m程度に達し、雌雄異株。多数の現地名を持ちジャワ語でmelinjoやbelinjo、スンダ語ではtangki、マレー語やタガログ語ではbagoと呼ばれ親しまれている。種子や葉が食用とされるほか、木材が建材などとして利用される。和名は学名の種小名をそのまま読んだもの。インドネシアの現地名melinjoから「メリンジョ」と呼ばれることも多い。
グネモンの樹形
グネモンの幹
鮮やかな赤色のグネモンの果実
Gnetum costatum
和名未定の種。太平洋のソロモン諸島に分布する。
Micrognemones亜節 subsect. Micrognemones
Gnetum africanum
和名未定の種。アフリカ中央部カメルーンからアンゴラにかけて分布する。樹高10m程度に達するつる植物。現地名は多彩であり、カメルーンではeruやokokと呼ばれるほかアンゴラやコンゴ、ナイジェリアなどではkokoと呼ばれる。葉などが食用として利用される。
G. africanumの種子
市場で売られるG. africanumの葉
Gnetum buchholzianum
和名未定の種。アフリカ中央部ナイジェリアからザイールにかけて分布する。
Araeognemones亜節 subsect. Araeognemones
Gnetum camporum
和名未定の種。ベネズエラに分布する
Gnetum leyboldii
和名未定の種。コスタリカからアマゾン熱帯雨林にかけて分布する。
Gnetum nodiflorum
和名未定の種。ガイアナからブラジル北西部にかけて分布する。
Gnetum paniculatum
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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