グッバイ、レーニン!
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グッバイ、レーニン!
Good Bye Lenin!
監督
ヴォルフガング・ベッカー
脚本ベルント・リヒテンベルク
ヴォルフガング・ベッカー
製作シュテファン・アーント
出演者ダニエル・ブリュール
カトリーン・ザース
音楽ヤン・ティルセン
撮影マルティン・ククラ
編集ペーター・R・アダム
配給 ギャガ
公開 2003年2月13日
2004年2月21日
上映時間121分
製作国 ドイツ
言語ドイツ語
製作費? 4,800,000
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『グッバイ、レーニン!』(原題(英語):Good Bye Lenin!)は、2002年に製作、2003年2月に公開されたドイツの映画。監督はヴォルフガング・ベッカー、脚本はベルント・リヒテンベルクとヴォルフガング・ベッカーの共同、音楽は『アメリ』のヤン・ティルセン

東西ドイツ統合後の庶民の身に起こった悲喜劇を家族像と共に描いた作品であり、映画公開後は本国ドイツで大ヒットし、ドイツ歴代興行記録を更新した。また第53回ベルリン国際映画祭の最優秀ヨーロッパ映画賞(「嘆きの天使賞」)ほかドイツ内外の様々な映画賞を受賞した。

日本ではギャガ・コミュニケーションズ(現・ギャガ)の配給2004年2月に公開された。
あらすじ

東ドイツの首都東ベルリンに暮らす主人公のアレックスとその家族。母のクリスティアーネは夫のローベルトが西ドイツへ単独亡命して以来、その反動から熱烈に当時の東ドイツの国家体制に傾倒していた。東ドイツ建国40周年記念日である1989年10月7日の夜に、アレックスは家族に内緒で反体制デモに参加、街中で警官ともみあっていた。それを偶然通りかかったクリスティアーネが目撃。強いショックから心臓発作を起こして倒れ、昏睡状態に陥る。

彼女は二度と目覚めないと思われたが、8か月後に病院で奇跡的に目を覚ます。しかし、その時にはすでにホーネッカー議長は辞任に追い込まれ、ベルリンの壁崩壊、東ドイツから社会主義体制は消え去り、東西統一も時間の問題となっていた。「もう一度大きなショックを受ければ命の保障は無い」と医師から宣告されたアレックスは、思案の末、母の命を守るため自宅に引き取る。姉のアリアーネや恋人のララをはじめ周囲の協力を半ば強要しながら、東ドイツの社会主義体制が何一つ変わっていないかのようにアレックスは必死の細工と演技を続ける。だが、道路は西側の車が頻繁に通行し、ビルの壁には西側文化の象徴である「コカ・コーラ」の広告が掲げられ、国営小売店は西側資本のスーパーマーケットに変貌していく。

アレックスは映画マニアの友人デニスの協力を得て、「コカ・コーラが東ドイツの国営企業と提携をした」「西ドイツの経済が悪化したことで、自家用車で亡命する西ドイツ人が急増した」といった内容の偽のニュースを製作し、母に見せることで変化を納得させるが、それでも東西統一の現実は着実に近づいていく。

1990年7月1日東ドイツマルクの通貨交換が開始されるが、預金のありかを母はなかなか思い出せず、ようやく見つけた時にはすでに交換の期限を迎え、紙幣は紙屑になっていた。ドイツ統一は西側主導で加速し、FIFAワールドカップイタリア大会では統一ドイツチームが見事優勝を成し遂げる(史実では優勝したのは「西ドイツ代表」である)

ある時、クリスティアーネはローベルトの亡命が浮気ではなく、自分も後を追うはずが恐怖から挫折したこと。今なお夫を愛していることを告白し、突如容体が急変して入院する。アリアーネは台所でローベルトからの手紙を発見し、二人を会わせるようアレックスに頼み込む。アレックスが手紙に書かれていた西側の住所へ行くとローベルトはすでに再婚して子供も設けていたが、クリスティアーネが危篤と聞いて会いに行く。

アレックスとローベルトが到着する前に、ララから東ドイツ崩壊の真実を知らされるクリスティアーネ。本心では亡命を希望していたクリスティアーネは、アレックスが危惧したようなショックは受けず、アレックスのために、敢えて何も知らないふりを続けた。

アレックスは「芝居」を辞めるため、デニスと今やタクシー運転手となったジークムント・イェーンの協力を得て、東西ドイツが対等の立場で平和統一するという最後の偽ニュースを作り、クリスティアーネに見せる。そして現実のドイツ再統一から3日後、クリスティアーネは息を引き取る。アレックスは幼い頃に遊んでいたロケットの玩具に母の遺灰を忍ばせ、父や姉、友人たちが見守る中、夜空に打ち上げる。
キャスト
アレクサンダー・ケルナー(アレックス)
演 -
ダニエル・ブリュール、日本語吹き替え - 内田夕夜主人公の青年。幼少時代には宇宙飛行士に憧れ、卒業後は東ドイツでテレビ修理工として働く。1989年10月7日の夜に反体制デモに参加しているのを母クリスティアーネに見られ、そのショックで母が昏睡してしまったため罪悪感を抱えながら暮らしている。ベルリンの壁崩壊で国営事業所が解体されたことにより失職してしまうが、運良く衛星放送のサービスを行う会社に再就職する。意識を取り戻した母にショックを与えないために東ドイツが健在であるという偽装を行い、家族や恋人、母の同僚たちにも半ば強制的に「芝居」に付き合わせる。しかし、父の亡命の真相と母の本心を知り「芝居」を辞めることを決意する。
クリスティアーネ・ケルナー
演 - カトリーン・ザース、日本語吹き替え - 藤田淑子アレックスの母。夫が西ドイツに亡命したことで、心神を喪失してしまう。失語症状態から抜け出した後は社会主義に傾倒し、ピオネールでの教育活動や婦人の生活改善運動を積極的に行なっている。反体制デモにアレックスが参加しているのを偶然見てしまい、ショックのあまり心臓発作を起こして昏睡してしまう。8ヶ月後に意識を取り戻すが記憶を断片的に失っており、8ヶ月の間に何があったが知らされないまま、アレックスの勧めで自宅で療養生活を送り始める。折に触れて西側諸国から流入した文化や商品を見て疑問に思うも、アレックスの偽装により東ドイツの健在を信じている。実は夫とともに亡命することを考えていたが、あまりの恐ろしさと子供たちのことを思い、東ドイツに残ったことを告白する。夏が終わる頃に再び入院するが、意識を取り戻し夫ローベルトと再会を果たす。


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