グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード
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FoS 2007。

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(Goodwood Festival of Speed、略称・FoS。イギリスではFestival of Speedとしても知られる)は、イングランドウェスト・サセックスにあるグッドウッドで開催されるモータースポーツイベント。年に一度、6月下旬から7月初旬に開催される。


世界各国のレーシングカーレーシングサイクルが集結し、多くのモータースポーツ愛好家達でにぎわう。日本の自動車メーカーも参加し、自動車雑誌に開催の様子が取り上げられる。
概要主催者の第11代リッチモンド公爵(2010年)。

フェスティバルの主催者であるリッチモンド公爵家は、グレートブリテン島南岸のチチェスター北部の丘陵地に12,000エーカーの広大な私有地を持ち、カントリー・ハウス (Goodwood House) や牧草地、リゾートホテル、ゴルフコース、グッドウッド競馬場グッドウッド・サーキットチチェスター・グッドウッド空港などを所有している。

第11代リッチモンド公爵チャールズ・ゴードン=レノックス(英語版) は祖父第9代リッチモンド公爵フレデリック・ゴードン=レノックス が建設したサーキットを復活させた。また、公自身も熱心なレース愛好家であることから、私有地を開放して、古き良き時代のレーシングマシンの魅力を楽しむことのできるイベントを企画した。

1993年6月13日に最初の大会が開催され、成功裏に終わった。翌1994年からは2日間開催、1996年には金曜日が追加され3日間開催となった。2012年は木曜?日曜の4日間で行われる。

入場料金は22歳以上の成人の場合、4日間通しチケットが120ユーロ(2012年、日本円で約13,000円)。

カントリー・ハウス前の広場がメイン会場となり、古くは20世紀初頭のクラシックカーから最新型のF1マシンまでが多数展示される。名車・珍車の類まで普段目にすることのない様々なマシンを間近で見ることができる。また、専門書籍の書店やパーツショップ、モデルカーショップなどが出店し、ビンテージカーのコンクールやオークションも行われる。

イギリス荘園文化の薫りや開放的な雰囲気から「モータースポーツのガーデン・パーティー」と形容される。この種の催しとして歴史はまだ浅いが、年々規模が拡大し、世界的に注目されるイベントとなっている。初期の頃は数万人の参加者だったが、2003年には約15万8千人、2011年には推定18万人[1]を記録している。

なお、フェスティバルの2ヵ月後の9月には「グッドウッド・リバイバル」 (Goodwood Revival) というイベントも開催される。こちらはグッドウッド・サーキットを走行するヒストリックマシンのレースイベントである。
ヒルクライムヒルクライムのコースレイアウト。

イベントのハイライトは、新旧の参加車両が出走するヒルクライムレースである。カントリー・ハウス周辺の庭園や牧草地を抜ける細い私道を、1台ずつ順番に走行する。計時方式(タイムアタック)だが、特に優勝等の設定はない。イギリスのモータースポーツ・アソシエーション (Motor Sport Association) からオブザーバーが派遣され、イギリス自動車レースクラブ (British Automobile Racing Club) からコースマーシャルとレスキューが参加している[2]

コースは全長1.16マイル(約1.867km)で、高低差は57mある[2]。コース脇にはガードレールではなく、で作った昔ながらのストローバリアが並べられている。レコードタイムは1999年ニック・ハイドフェルドマクラーレン・MP4-13で記録した41.6秒であったが、2019年Day2(Timed Practice)にロマン・デュマがフォルクスワーゲンの電気自動車ID.Rで41.18秒を記録し20年ぶりの更新となった。さらに翌Day3(Qualifying Shoot Out)で同車が39.90秒を記録し40秒の壁を打ち破る快挙を成し遂げた。なお、現在は安全面の配慮からF1マシンは公式計時に参加していない。ミカ・ハッキネンマクラーレン・MP4-20をドライブ(2006年)。

また近年では世界ラリー選手権 (WRC) 用のワークスマシンを中心としたラリーカーのために特設ラリーステージも設けられている。出走車両は年代やカテゴリによってクラス分けされる。以前はソープボックス(動力を持たず、坂道を滑走するカート)によるレースも行われていたが、2004年を最後に休止されている。車両とドライバーの組み合わせにも趣向が凝らされている。往年の名ドライバーがゆかりのマシンを走らせることもあれば、現役若手ドライバーが戦前のマシンを初体験することもある。コースサイドの観客席間近をマシンが走行するので、スピードやエンジンサウンドなどの迫力を楽しむことができる。また、運営上の垣根がなく、一般客が自由にパドックに立ち入ってドライバーと交流を図れる点も参加者を増やす要因となっている。

2013年12月発売のPS3用ゲーム『グランツーリスモ6』には、このヒルクライムコースが収録された[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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