クンニリングス
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クンニリングス(: : : cunnilingus)は、女性器を直接で舐めて性的刺激を与える行為。オーラルセックスの一種で性行為前戯として行うことが多い。日本語では「クンニ」と略すが、俗ラテン語のcunnus(外陰部)とlingere(舐める)が語源である。古くは、「啜陰(せついん、てついん)」などという言い方もあった。
概要クンニリングス女性同士のクンニリングス

クンニリングスはから女性器への愛撫の一種であり、受け手に幅広い性感を引き起こし、中でもクリトリスの感覚が非常に重要である[1]唾液人体用潤滑剤がよく用いられ、優しくなめらかな刺激を可能にしている[2]。パートナーからの反応に耳を傾けながら(手マンのような)他の愛撫や、体全体への様々な刺激と組み合わせることで双方に幅広い快楽を取り交すことを可能にする。前戯として行われることも多いが、オーガズムにまで至るか否かに関わらず、それ自体が性行為である。クリトリス勃起を促し、場合によっては潮吹きに至る場合もある。四十八手では「花菱ぜめ」「花あやめ」「岩清水」という体位にあたる。
リスク

クンニリングスを含むオーラルセックスは「妊娠の心配がない」と無防備な者も少なくないが、性感染症を無症状のまま、広げてしまうリスクを伴う。アメリカの俳優マイケル・ダグラスは、2010年にステージIVの咽頭ガンから生還を果たしたが、自分がガンを発症した原因は「クンニリングスのし過ぎ(HPV感染)だった」と語った。生命を失う恐怖から、飲酒喫煙に加え、妻へのクンニリングスなどオーラルセックスが一切できなくなった。オーラルセックスによる性感染症には、ガンのほか、以下の性感染症がある。

淋菌

クラミジア

ヘルペス

梅毒トレポネーマ

AIDSを起こすHIV

特に日本人のオーラルセックスに対する危機意識は低いといわれ、インターネットで8700人を対象としたアンケート調査(北村邦夫:「日本人の性意識・性行動調査」、2011)によると、全体の49.5%(男性54.4%、女性42.7%)がオーラルセックスを行っており、その際、性感染症を予防の目的でコンドームを使用していたのは、17.2%に過ぎず、全体の82.8%(男性79.4%、女性87.9%)は、「全く使わない」と答えた。日本性教育協会の調査によると、女子高校生の13%(男子高校生は6.7%)は、クラミジアに感染しているというデータがある[3]。性病以外にも、口内の雑菌による外陰炎、膀胱炎などをおこすことも多く、注意が必要である。歯磨き等で口を清潔にすることも大切である。
歴史と文化的意味

中国道教では重要な位置を占めていた。道教では体液は非常に重要な液体であり、よってその喪失は生命力の衰弱を引き起こし、逆に、それを飲むことでこの生命力()を回復することができると考えられていた。

「「3つの山頂の偉大な薬」が女の体に見出され、それは次の3つの汁、もしくは精からなる――1つは女の口から、もう1つは胸から、そして3つ目の、最も強力なものは「緋色の茸の頂」(恥丘)にある「白虎の洞窟」からのものである。」

?オクタビオ・パス『conjunctions and disjunctions』[4]

フィリップ・ローソンによれば、この半分詩的、半分医学的な暗喩は中国人の間でのクンニリングスの人気を説明するものであるという――「この営みは女性の貴重な液体を飲む優れた方法であった。」[4]

中国学者のクリストファー・シペールにとっては、「閨房術」に関する道教のテクストは「ある種の改良された吸血鬼行為」を記述しているのだという。しかしながら、理念的には、道教においては、この営みによって利益を得るのは男だけではなく、女もまた液体の交換によって恩恵を受けるという。ポンペイに遺されたクンニリングスの壁画

西洋では、ローマ帝国においては、クンニリングスは男性が女性に服従するものと見做されて軽蔑されていた[5]。この道徳的な非難の証拠として、ガイウス・スエトニウス・トランクィッルスが、ティベリウスへと帰している数々の性的な破廉恥行為の目録の中でクンニリングスもティベリウスのせいにしていることが挙げられる[6]

聖書雅歌7:3(ジェイムズ王訳では7:2)にはクンニリングスへの遠回しな言及が含まれているとも考えられるが、多くの翻訳者は鍵となる単語を「」と訳している。トレンパー・ロングマンは「女性の孔に葡萄酒が湛えられているという描写は、肉欲的な器から飲みたいという男性の欲望を暗示している。よって、これは情交への微妙かつ味わい深い仄めかしなのかもしれない」という解釈を示している[7]。別の翻訳では次のようにも読める――「君のおまんこはまあるいコップ、カクテルの切れたことがない」

サンダルから始まって"vulva"(ヘブライ語のshor――アラム語の「秘密の場所」という語から派生している)、腹、胸へと上がってゆくという文脈は、この語の意味をほぼ決定づけるものである[8]。キリスト教とユダヤ教の諸伝統の多くでは、『雅歌』に描かれた花婿と花嫁のエロティックな親密さに霊的な意味付けを与えている。
民族学

マルケサスの儀礼では「……彼の役割は女の乳を吸い、クンニリングスをすることで興奮させることであった」[9]

トゥブアイ諸島のRa’ivavae島では、「伝説の時代では、神聖な寺院での祈りの後に……公開のセックスが続いた。……クンニリングスが行われた」[10]

ニューギニアでは儀式的な公開の見世物としてのクンニリングスが行われる――男が「女を地面へと投げ出し、スカートを取り去る。……それから女は脚を開いて立つよう命じられる。男は両脚の間にしゃがませられ、女性器に口を宛てがうよう命じられる。それが済むと、サツマイモが女の膣に挿入され、男はこれを少しずつ齧って全部食べさせられる。最後に、男は仰向けに寝るよう命じられ、女は男に跨り、性器を男の口に宛てがわせられる。男は女の汁を吸い出し、呑み込むよう命じられる」[11]
近現代の文化の中で

ナポレオン・ボナパルトが妻ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネに書いた手紙にはクンニリングスを仄めかしたくだりがある――

「キスをもっと下の方、胸よりもずっと下の方へ(中略)知ってるだろ、俺がちょっと立ち寄るのを忘れたりなんてしないと……ほら、あの小さな黒い森へ。そこに1000回キスをして、うずうずしながら@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}達する瞬間[訳語疑問点]を待つよ。[12]

「儀式的な公開のクンニリングス……が現代(1966年)でも毎夜行われている――特に土曜日の夜に――カリフォルニア州サンディエゴから国境を越えたメキシコティフアナの、ブルー・フォックスとしてアメリカの学生や水兵に知られている、表通りから自由に入れるナイトクラブで……何百人もが……この儀式的な交わり――としか呼びようのない――に加わろうと駆り立てられ、かつ恥ずかしがり……ストリップ嬢たちが自分自身を捧げている舞台を囲むテーブルに集まっている」[13]


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