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クワーク(Quark)は、『スタートレック』シリーズ『ディープ・スペース・ナイン』に登場する異星人[注釈 1]。フェレンギ人男性。アーミン・シマーマンが演じている。日本語吹き替えは稲葉実[注釈 2]。 宇宙ステーションのディープ・スペース・ナイン(DS9)でバーを経営するフェレンギ人で、弟のロムを雇用している。出身はフェレンギ母星のフェレンギナー。彼はフェレンギ人の例に漏れず金儲けに敏く、貪欲である。しかしその一方で、フェレンギ人にしては珍しく儲けよりも友情を優先させることもある。難民に儲け抜きで物資を売る場面もあり、これは暴利を貪るフェレンギ人にしては、恐ろしく親切なことである。 普段は、アルファ宇宙域の辺境にして特異ワームホールのすぐ近くに位置して、ガンマ宇宙域との接点にあるDS9のプロムナード(公共スペース)にあるバー「クワークの店」のカウンターで、オーナー兼バーテンとして客の応対に当たりつつ、うだつの上がらないロムに発破をかけたり、宇宙艦隊士官らとジョークの応酬をしたり、オドーと悶着を起こしたりしている。 DS9の警備主任であるオドーは、ことあるごとに何かと騒動を起こしたり、隙あらば違法取引を企むクワークを目の敵にする。過去にはオドーを買収しようとしたこともあったようだが、潔癖なオドーが自分の仕事に誇りを持って当たり、悪徳警官のように決して買収されない存在だと過去の経験から学んだらしく、少なくとも彼の前でだけは正直でいようとしている。クワークにとっては目の上のこぶである保安チーフのオドーに対しては、奇妙な友情に似た感情を抱いてる。 それを思わせる一幕は、第1シーズン第4話「宇宙ステーション殺人事件」で早くも見られる。この話の中でオドーは殺人容疑を掛けられてしまうが、クワークは裏社会の自分のネットワークを使って事件の真犯人に迫る情報をオドーに与えて結果的に彼を助けた。 オドーがクワークに捜査の協力を求めることもある(シーズン2第24話「密告者」、シーズン4第4話「苦悩するジェム・ハダー」など)。 また、オドーと共に過酷な環境のLクラス惑星に不時着する事故に遭った時は、疲労困憊しながらも固形種化され重傷を負ったオドーを担架で運び山頂にたどり着き、DS9に救難信号を送り彼の命を救った(シーズン5第9話「あの頂を目指せ」)。 密輸、粗悪品の売り付けや暴利等の詐欺など隙あれば犯罪を犯してでも利益を得ようと企むが、あくまで彼が犯そうとするのは商売上での犯罪だけであり、窃盗や殺人などはしない。武器の密輸の仲介を企てることもあるが、あくまで自衛としての武器売買に限られる。彼は特に殺人や戦争を嫌っており、武器商人になるフェレンギ人が多い中バーテンになったのもそういう経緯がある。 ただし、シーズン4終盤でフェレンギのビジネスライセンスを取り消され(第97話「クワーク、絶体絶命」より。ビジネスライセンスの取り消しとは即ち、フェレンギ社会からの事実上の追放を意味する)、一時期はどん底の生活を送ったため、シーズン5では巻き返しを図る際、従兄弟の武器商人であるゲイラとそのパートナーであるハガスに誘われる形でDS9のホロスイートを武器のデモンストレーションに貸し出した。 その巨額の分け前を得て有頂天になったクワークだったが、怪しい連中に武器を売る仲介をしていたことからダックスやシスコ、キラに軽蔑され、ステーションの人々からも冷たい目で見られたことから罪悪感に苛まれた。そして、ある案件で大量虐殺の片棒を担がされそうになったため、クワークはその取引を故意にダメにして武器の売買から足を洗った(シーズン5第18話「武器を売る者」)。 ただし後にイシュカとゼクが恋仲になった際、フェレンギ会計監査局員のブラントとの取引でビジネスライセンスは復活した(シーズン5第20話「愛の値段」)。 ドミニオン戦争が激化すると、彼も仲間を守る為に殺人をせざるを得ない場面に何度か遭遇することとなるが、彼は敵であるジェムハダーが自分の撃った銃で倒れた姿を見て、相当ショックを受ける(シーズン6第6話「ディープスペース・ナイン奪還作戦(後編)」)。
概要
価値観