クローバーフィールド/HAKAISHA
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この項目では、2008年公開の映画について説明しています。藤井フミヤのアルバムについては「Cloverfield」をご覧ください。

クローバーフィールド/
HAKAISHA
Cloverfield
ハリウッド・プレミアの様子
監督マット・リーヴス
脚本ドリュー・ゴダード
製作J・J・エイブラムス
ブライアン・バーク
製作総指揮ガイ・リーデル
シェリル・クラーク
出演者マイケル・スタール=デヴィッド
マイク・ヴォーゲル
オデット・ユーストマン
リジー・キャプラン
ジェシカ・ルーカス
T・J・ミラー
音楽マイケル・ジアッチーノ
撮影マイケル・ボンヴィレイン
編集ケヴィン・スティット
製作会社バッド・ロボット・プロダクションズ
配給パラマウント映画
公開 2008年1月18日
2008年4月5日
上映時間85分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費2500万ドル[1] (約27億円)
興行収入$170,764,026[1]
$80,048,433[1]
12.0億円[2]
次作10 クローバーフィールド・レーン
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『クローバーフィールド/HAKAISHA』(クローバーフィールド ハカイシャ、原題:Cloverfield)は、2008年1月18日アメリカ合衆国で公開されたSF怪獣パニック映画である。日本ではパラマウントジャパンによる配給のもと、同年4月5日PG-12指定で公開された。

日本でのキャッチコピーは「その時、何が起きたのか?」。
概要

巨大怪獣が大都会を襲う古典的な題材をモチーフとしているが、本作は怪獣と軍隊の間で繰り広げられる戦闘ではなく、その傍らで逃げ惑う人々に焦点を当てた擬似ドキュメンタリー作品として仕上がっている。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を髣髴とさせるホームビデオ風の主観映像、『サイン』にも相通ずる情報途絶下のパニック描写により、「リアルタイムの恐怖・不安感」という新たな切り口を怪獣映画にもたらした。また、本編の映像は設定上第三者の手で発見及び開示されたことを窺わせる、ファウンド・フッテージ作品としての側面も併せ持つ。

ハリウッド映画では低予算の部類に入る2500万ドルで製作されたにもかかわらず、アメリカでは2008年1月18日の公開時から3日間で興行収入が4000万ドルを突破。1月次公開作品では歴代トップの成績となり[3]、最終興行収入8000万ドルの好成績を記録した[1]。また、日本でも同年4月5日に公開され初登場1位を記録し、最終的に12億円もの興行収入を収めている[2]
ストーリー

映画冒頭のテロップで「これ(本編)は国防総省が保管している記録映像である(要約)」と説明される。

映像はビデオカメラの持ち主ロブのプライベート風景から始まる。ある夜、日本への栄転が決まったロブを祝うために開かれたパーティーの最中、突如として不気味な爆音が鳴り響く。外の様子を見にパーティ会場の屋上へ向かった彼らは、そこで炎に包まれたニューヨーク市街を目撃する。外へ出ると爆発で吹き飛ばされた自由の女神の頭が降って来て市内はパニックに陥り、ロブを含む数人のメンバーは徒歩での脱出を試みる。その途上彼らは軍隊の攻撃を物ともせず摩天楼を蹂躙する巨大な怪獣を目撃する。ロブたちはブルックリン橋を渡ろうとするが、ロブの元に恋人ベスから助けを求める電話がかかり、直後に怪獣が橋を破壊する。ハッドやリリーは別ルートからの脱出を主張するが、ロブはベスを助けるために怪獣がいる中心部に向かおうとする。ハッドたちはロブを引き留めようと試みるが、彼に押し切られて共にベスを助けに向かう。

ロブたちは怪獣と軍隊の戦闘に遭遇し、ニューヨーク市地下鉄に逃げ込み線路伝いにベスがいるマンションに向かうが、地下鉄内で怪獣の寄生虫に襲われマリーナが重傷を負う。寄生虫から逃れるため地上に出たロブたちは軍隊と出会い保護されるが、寄生虫に噛まれたマリーナの身体が異変を起こして軍隊に隔離され、直後に死んでしまう。ロブは尚もベスの助けに向かおうとして兵士たちと口論になるが、最終的に兵士たちは脱出用ヘリの離陸時間を伝えて彼らを見送る。軍隊の総攻撃が始まる中、ロブたちはベスのマンションに到着して彼女を助け出す。そのまま脱出用ヘリに乗り込むが、彼らが乗ったヘリは怪獣の攻撃に遭い、セントラル・パークの広場に墜落する。ロブたちは徒歩で脱出を試みるが、直後にカメラを撮影していたハッドが怪獣に噛み殺されてしまう。怪獣が迫りくる中、カメラを片手に橋の下へと逃げ込むロブとベス。そして二人がカメラに遺言を残した直後、軍隊による空爆が始まる。

爆撃による瓦礫の山が映された後、映像は1か月前の二人のデートの映像に切り替わり、観覧車に乗り込みデートを楽しむロブとベスの映像が流れる。観覧車の窓越しに映る海には、空から落ちてくる謎の物体が映り込んでいた。
登場人物
ロバート・ホーキンス(ロブ)
演 - マイケル・スタール=デヴィッド
(英語版)、日本語吹替 - 真殿光昭本作の実質的な主人公。日系企業タグルアト社に勤務する青年で、日本本社への栄転が決まり喜ばしい一方、離ればなれになる恋人ベスとの今後について整理できず、彼女と些かギクシャクしていた。そんな状況のまま壮行会を迎え、今回の騒動に巻き込まれる。
エリザベス・マッキンタイア(ベス)
演 - オデット・ユーストマン、日本語吹替 - 安藤麻吹本作の実質的なヒロイン。ロブとは相思相愛の間柄だが、彼が自分を置いて日本へ行くことを苦悩しつつも素直に気持ちを示さないため、もどかしさを感じていた。そのため、ロブを祝うパーティーに顔を出すもロブと口論になり、ミッドタウンの北外れにあるコロンバスサークル付近の高層アパートに早々に帰宅してしまう。その後、怪獣の襲撃でアパートが半壊し怪我をして動けなくなり、電話でロブに助けを求める。
ジェイソン・ホーキンス
演 - マイク・ヴォーゲル、日本語吹替 - 成田剣ロブの兄。ロブを祝うパーティーの最中に彼と共に騒動に巻き込まれ、メンバーと共にブルックリンブリッジを渡って街から脱出しようとするが、怪獣が橋を破壊した際に巻き込まれ生死不明となる。
マリーナ・ダイアモンド
演 - リジー・キャプラン、日本語吹替 - あさむらまほりリリーの友人。ロブを祝うパーティーの最中に彼と共に騒動に巻き込まれ、ベスを助けに行く彼に最後まで付いて行こうとするが、道中寄生虫に襲撃され噛まれたことで体が異変を起こし、死亡する。
リリー・フォード
演 - ジェシカ・ルーカス(英語版)、日本語吹替 - 笹森亜希ジェイソンの彼女。ロブの事も気に掛けておりハッド同様彼を祝うパーティーの最中に共に騒動に巻き込まれたが、ベスを助けに行く彼に最後まで付いて行く。はっきりとした描写はないが、ロブたちとは別のヘリに乗り先に脱出しているため、メンバーの中では唯一彼女のみが生き残った模様。
ハドソン・プラット(ハッド)
演 - T・J・ミラー、日本語吹替 - 咲野俊介ロブの友人。マリーナに想いを寄せている。ロブを祝うパーティーの最中に共に騒動に巻き込まれたが、ベスを助けに行く彼に最後まで付いて行く。ヘリの墜落によって徒歩での脱出を余儀なくされた際、カメラを忘れたことに気付き一人墜落地点へと引き返すが、その直後怪獣と遭遇し真正面から捕食された末、胴体を真っ二つに噛み切られ絶命してしまう。カメラの撮影はほぼ全編彼が行っている。
トラヴィス
演 - ベン・フェルドマン(英語版)
ヘザー
演 - ライザ・ラピラ
グラフ中佐
演 - クリス・マルケイ
アントニオ
演 - テオ・ロッシ
チャーリー
演 - ブライアン・クラグマン(英語版)
スタッフ

監督:
マット・リーヴス

脚本:ドリュー・ゴダード

製作:J・J・エイブラムスブライアン・バーク

製作総指揮:ガイ・リーデル、シェリル・クラーク

撮影:マイケル・ボンヴィレイン

編集:ケヴィン・スティット

美術デザイン:マーティン・ホイスト

美術監督:ダグ・J・ミーディンク

装飾:ロバート・グリーンフィールド

衣装:エレン・マイロニック

音響効果:ウィル・ファイルズ

エンドクレジット音楽作曲:マイケル・ジアッチーノ

SFXスタッフ


アニマトロニクス:アンディ・クレメント

特殊効果監修:ジョン・ハキアン

特殊効果コーディネーター:デヴィッド・ウェイン

特殊効果:クリス・クライン、ケン・タラロ、マット・ヴォーゲル

VFXスタッフ


VFXスーパーバイザー:ケヴィン・ブランク、マイケル・ブルース・エリス、エリック・レヴェン

VFXプロデューサー:アニー・ポメランツ

VFX:ダブル・ネガティブティペット・スタジオ

CGスーパーバイザー:デヴィッド・ヴィッケリー

製作会社


バッド・ロボットパラマウント映画

受賞

第34回
サターンSF映画賞

映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」第51位

作品解説

本作の着想は、『ミッション:インポッシブル3』の宣伝で製作のJ・J・エイブラムスが来日した際、原宿のキデイランドで見た、ゴジラソフトビニール人形から得られたものである[4][5][6]。エイブラムスは、日本では怪獣が『文化』として根付いている(本人談)ことに感銘を受け、アメリカでも国民的怪獣映画を作ろうと思い立った。

トライスター版『GODZILLA』の評判が芳しくなかったこともあり、アメリカ映画界では高額の製作費が掛かる怪獣映画を敬遠する風潮が根強く、リメイク版『キング・コング』や本作の製作に支障をきたしていた[5]

エイブラムスは「ニューヨークが舞台だから、どうしても9.11を思い出すと思うけど、それがこの映画の目的ではない」としている[5]。ただし、ゴジラが原爆の悪夢から生まれたように、本作では現代人が抱いている不安、懸念していることをテーマとして意識していたと、オーディオコメンタリーで監督のマット・リーヴスが語っており、その中で9.11にも触れている。

全編カムコーダ撮影の設定[注 1]のため、劇場の多くでは酔いに注意するよう観客に注意がなされた[7]

また、作品にリアリティを持たせるため、出演者のほとんどが当時無名であった新人俳優や子役出身の若手俳優で占められている[4]
プロモーション

興行的成功の背景には公開前の巧みな宣伝戦略がある。2007年夏の初報では、『1-18-08』の仮タイトルで自由の女神像の頭部が破壊されたショッキングなビジュアルを発表。その後も内容や作品名などの情報規制を徹底しつつ、事件との関連を匂わせる架空の企業や環境保護団体のサイトを立ち上げたほか、YouTube架空のニュース映像を投稿するなど、謎めいたプロモーションで作品への好奇心を煽った。

日本公開前にはPRの一環として首が破壊された自由の女神像が「来日」し、東京お台場の自由の女神像の近くに建てられた[8]
続編及び関連作品

大ヒットを受けマット・リーヴスが引き続き監督を務める続編の制作も決定していたが[9]、2008年6月25日にCollider(英語版)上で制作保留が発表[10]され、さらに続編のためのアイディアが無いなどの理由も重なり、制作は中止となった。なお、企画段階では本作と同様の時間軸及び撮影方法を採用し、別視点から作品展開を行う予定であったとされる[4][9]

厳密には続編でないが、第2作として本作のタイトルと流れを受け継いだ10 クローバーフィールド・レーン』が2016年に公開されている。また、2017年2月の全米公開を目指し前日譚にあたる第3作の制作も進められていた[11][12][13]が、予算超過と度重なる公開延期の末にパラマウント映画は劇場作品としての配給を断念。


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