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クロマグロ
葛西臨海水族園飼育個体
保全状況評価[1]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
界:動物界 Animalia
門:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
綱:条鰭綱 Actinopterygii
目:スズキ目 Perciformes
クロマグロ(黒鮪、学名:Thunnus orientalis)は、スズキ目サバ科に分類される海水魚の一種。
日本沿岸を含む太平洋の熱帯・温帯海域に広く分布する大型魚で、重要な食用魚である。生鮮魚介類として流通する場合にはホンマグロの名称も用いられる[2]。
寿司ネタ、刺身等に使われ、日本の消費量が世界一であるが、資源の減少により厳しい漁獲制限が進められている。国際自然保護連合(IUCN)はクロマグロを絶滅危惧種とした。
分類上では大西洋産のタイセイヨウクロマグロ T. thynnus と同種、またはタイセイヨウクロマグロの亜種 T. t. orentalis とする見解もある。 地方名としては、シビ、クロシビ(各地)、ハツ(高知)などがある。また、特に幼魚を指す地方名としてヨコ、ヨコワ(近畿・四国)、メジ、メジマグロ(中部・関東)、シンコ、ヨコカワ、ヒッサゲなどもある。 台湾でも日本語に従って「太平洋K鮪」が正式な名称となっているが、「黒鮪魚」(ヘイウェイユー)などとも呼ばれる。台湾語では「K甕串」、「K暗串」[3]、「烏甕串」(オーアンツン oo-ang-tsh?g)(「串」に魚偏を付記する方言字もある)と呼ばれる。 成魚は全長3 m・体重400 kgを超え、日本沿岸で漁獲されるマグロ類としては最大種である。体型は太短い紡錘形で、横断面は上下方向にわずかに長い楕円形をしている。体表は小さな鱗があるが、目の後ろ・胸鰭周辺・側線部は大きな硬い鱗で覆われ、「胸甲部」と呼ばれる。 体色は背中側が濃紺、体側から腹部にかけてが銀灰色をしている。背鰭は二つとも灰色だが、第二背鰭先端とその後に続く小離鰭(しょうりき)は黄色を帯びる。尻鰭とその後に続く小離鰭は銀白色をしている。また、幼魚期は体側に白い斑点と横しま模様が10-20条並んでおり、幼魚の地方名「ヨコワ」はここに由来する。 本種とタイセイヨウクロマグロは、マグロ属の中で最も胸鰭が短く、第二背鰭に届かない点で他種と区別できる。かつてこの2種は同種とされていたが、分布が連続しないこと、鰓耙(さいは)数が異なること(クロマグロ32-39、タイセイヨウクロマグロ34-43)、タイセイヨウクロマグロは体腔背壁の筋肉が腹腔内に出るがクロマグロは出ないことなどから、亜種または別種とする見解が登場した。遺伝子分析による研究では、ミトコンドリアDNAが別種レベルに分化している一方、核遺伝子では種内の系群レベルの分化を示すという説明の困難な結果が得られている。さらに、大西洋にわずかながら太平洋型のミトコンドリアDNAタイプを持つ個体がいること、太平洋にもわずかに大西洋型のミトコンドリアDNAタイプを持つ個体がいるという結果も得られており、太平洋と大西洋のクロマグロ間の進化系統関係はいまだに解決されていない。 太平洋の熱帯・温帯海域で水温5 - 30℃程度[4]に広く分布する。インド洋にも分布するがまれである。また、北半球に多く南半球には少ない。 外洋の表層・中層に生息する。同じくらいの大きさの個体同士で群れをなし、高速で回遊する。大型個体の遊泳速度は70-90 km/hに達すると言われる。食性は肉食で、海中を遊泳する他の魚や甲殻類、頭足類などを日中に捕食するが夜間は捕食しない[5]。 他のマグロ類と同様に、睡眠を取らずに泳ぎ続ける特徴をもっているが、理由は体の構造にあるといわれる。マグロは、口を開けながら泳ぐことで呼吸をしているため、他の魚のようにエラ呼吸ができない。そのため口を開けて泳ぎ続けないと、酸素を取り入れることができないため、死んでしまう。これが、マグロが寝ずに泳ぎ続ける大きな理由である。
名称
特徴
生態
利用・突きん棒・定置網で漁獲されるが日本では一本釣りのものが最高級とされる。食べ方は刺身、寿司種、葱鮪鍋(ねぎま)、焼き魚(塩焼き、照り焼き、かぶと焼き)、煮付け、佃煮など幅広い。クロマグロのネギトロも非常に美味な食べ方とされている。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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