クロブーク(ロシア語: клобук, 英語: klobuk)とは、正教会と東方典礼カトリック教会において修道士・修道司祭(典院・掌院)・主教が着用する帽子である。特にロシアの伝統に位置付けられる。日本正教会では修道帽とも訳されるが、片仮名転写の「クロブーク」がより一般的である。 カミラフカ(黒い覆いを強く固め、頂を平らにした帽子)を元にベールを付けて作られ、ベールはカミラフカを完全に覆い、肩と背中に垂らされる。 アトス山の伝統では、ベールはカミラフカに簡単に掛けられているだけであり、取り外しが容易になっているが[1]、他の諸教会の伝統においてはベールはカミラフカに固定されている[2]。 クロブークは教会において、修道士によってしばしば着用される。奉神礼の最中に、修道士がクロブークを頭から脱いで自分の左肩に載せ、聖なるものに対する敬意を表す時がある。修道女は普通は奉神礼の際にクロブークを脱ぐことをしない[3] 。 正教会において全ての主教は修道士でなければならないことから、クロブークを主教も着用する。 教区を管掌する主教はシンプルな修道士用クロブークを被る。スラヴ系の大主教と府主教は、位階を表すものとして、ふつう小さな十字架の飾りが前面に付けられたクロブークを着用する ⇒[1]。ロシア系の伝統を持つ教会の府主教は黒いクロブークではなく白いクロブークを着用するが ⇒[2]、フィンランド正教会の大主教も白いクロブークを着用するなど、どのような役職にある人物が白いクロブークを着用するかについては、その運用に地域差がある。 ルーマニア総主教
目次
1 概要
2 ギャラリー
3 脚注
4 関連項目
5 外部リンク
概要
村上春樹によるアトス山を巡った際の紀行『雨天炎天』では「バースデーケーキ」にたとえられ、北野武からは「煙突みたいな帽子」と評された[4]ものは、クロブークかカミラフカのいずれかであると思われる[5]。
ギャラリー