クロブーク
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ギリシャ正教会の現首座主教:アテネ大主教イエロニモス2世。このような黒色のクロブークが一般的。リヤサを着用し、パナギアを胸にかけている。 モスクワ府主教マカリイ2世(1835 - 1926)。十字架が前面に付いた白いクロブークを着用し、パナギアを胸に掛けている。左手に持っているのはチョトキ。ロシア系の正教会では府主教は白いクロブークを着用する。他にフィンランド正教会大主教も白いクロブークを着用するなど、白いクロブーク着用の習慣については地域差がある。また、リヤサを着用し、パナギアを胸にかけている。

クロブーク(ロシア語: клобук, 英語: klobuk)とは、正教会東方典礼カトリック教会において修道士修道司祭典院掌院)・主教が着用する帽子である。特にロシアの伝統に位置付けられる。日本正教会では修道帽とも訳されるが、片仮名転写の「クロブーク」がより一般的である。
目次

1 概要

2 ギャラリー

3 脚注

4 関連項目

5 外部リンク

概要

カミラフカ(黒い覆いを強く固め、頂を平らにした帽子)を元にベールを付けて作られ、ベールはカミラフカを完全に覆い、肩と背中に垂らされる。

アトス山の伝統では、ベールはカミラフカに簡単に掛けられているだけであり、取り外しが容易になっているが[1]、他の諸教会の伝統においてはベールはカミラフカに固定されている[2]

クロブークは教会において、修道士によってしばしば着用される。奉神礼の最中に、修道士がクロブークを頭から脱いで自分の左肩に載せ、聖なるものに対する敬意を表す時がある。修道女は普通は奉神礼の際にクロブークを脱ぐことをしない[3]

正教会において全ての主教は修道士でなければならないことから、クロブークを主教も着用する。

教区を管掌する主教はシンプルな修道士用クロブークを被る。スラヴ系の大主教府主教は、位階を表すものとして、ふつう小さな十字架の飾りが前面に付けられたクロブークを着用する ⇒[1]。ロシア系の伝統を持つ教会の府主教は黒いクロブークではなく白いクロブークを着用するが ⇒[2]フィンランド正教会大主教も白いクロブークを着用するなど、どのような役職にある人物が白いクロブークを着用するかについては、その運用に地域差がある。

ルーマニア総主教は白いリヤサと白いクロブークを着用する ⇒[3]。いくつかの正教の教会の総主教(例えばモスクワ総主教)は、クロブークに似た、頂が丸く、セラフィムの像が飾られ、十字架が頂に付けられた白い帽子を着用する ⇒[4]。この形態のものはクーコリロシア語: Куколь, 英語: Koukoulion)と呼ばれる ⇒[5]

村上春樹によるアトス山を巡った際の紀行雨天炎天』では「バースデーケーキ」にたとえられ、北野武からは「煙突みたいな帽子」と評された[4]ものは、クロブークかカミラフカのいずれかであると思われる[5]
ギャラリー


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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