クロトラム
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TMK 2200
TMK 2300
TMK 2200

TMK 2300
基本情報
製造所クロトラム
製造年TMK 2200 2005年 -
TMK 2300 2009年 -
製造数ザグレブ市電
 TMK 2200 140両
 TMK 2300 2両
リエパーヤ市電
 TMK 2300 12両
投入先ザグレブ市電リエパーヤ市電
主要諸元
編成TMK 2200 5車体連接車
TMK 2300 3車体連接車
軸配置TMK 2200 Bo'Bo'Bo'
TMK 2300 Bo'Bo'
軌間1,000 mm
電気方式直流600 V
架空電車線方式
最高速度70.0 km/h
編成定員TMK 2200
202人(着席41人)
TMK 2300
84 - 95人(着席27 - 35人)
(乗客密度4人/m2)
全長TMK 2200 32,000 mm
TMK 2300 21,000 mm
全幅2,300 mm
全高3,400 mm
床面高さ350 mm
300 mm(乗降扉付近)
(低床率100 %)
台車独立車輪式台車
車輪径660 mm
固定軸距2,000 mm
主電動機三相誘導電動機
主電動機出力TMK 2200 70 kw
TMK 2300 85 kw
出力TMK 2200 420 kw
TMK 2300 170 kw
定格出力TMK 2200 390 kw
制御方式VVVFインバータ制御IGBT素子)
制動装置回生ブレーキ油圧式ディスクブレーキ電磁吸着ブレーキ
備考主要数値は[1][2][3][4][5][6][7][8][9]に基づく。
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クロトラム(Crotram)は、電機メーカーであるコンサール(クロアチア語版)を中心としたクロアチア国内企業によるコンソーシアム。同国の首都・ザグレブ路面電車であるザグレブ市電に向けて超低床電車を製造するために設立された経緯を持つ。この項目では、クロトラムが手掛ける路面電車車両のTMK 2200とTMK 2300を中心に解説する[1][5][7][8]
設立・導入への経緯

2001年12月7日ザグレブ市電を運営するザグレブ市の子会社のザグレブ電気軌道(クロアチア語版)(ZET、Zagreba?ki elektri?ni tramvaj)は、今後の路面電車に関するプロジェクトを総会で承認し、10日後の12月17日にその中の1つであるバリアフリーに適した超低床電車を導入するための国際入札を発表した。シーメンスアンサルドブレーダといった世界各地の企業が参加する中、クロアチア国内では以下の4社が共同でコンソーシアム「クロトラム」を立ち上げ、入札に参加する事が決定した[5]

コンサール・エレクトロインダストリヤ(クロアチア語版)(Kon?ar Elektroindustrija)

コンサール・発電所・電動機技術株式会社(クロアチア語版)(Kon?ar - In?enjering za energetiku i transport)

T?Vグレデリ(クロアチア語版)(T?V Gredelj)

ジュロー・チャコビッチ(英語版)(?uro ?akovi?)

入札の結果、クロトラムの代表企業であるコンサールが提出した1億1,193万ユーロ分の提案が最適とみなされ、2003年2月24日に70両分の発注がクロトラムとザグレブ市の間に結ばれた。そして2005年4月27日に最初の車両がザグレブ市電に到着し、同年7月13日から営業運転を開始した[5][6]
構造

クロトラムが開発した路面電車車両は、床上高さが350 mm(乗降扉付近は300 mm)に統一され、車内に段差やスロープが存在しない100 %超低床電車である。構造についてはドイツで開発された超低床電車であるブレーメン形との類似性が指摘されているが、全車体に台車が設置されているブレーメン形とは異なり、クロトラムの路面電車車両は車軸が存在しない独立車輪式台車が1台設置された車体が、台車が存在しないフローティング車体を挟む編成が組まれている[注釈 1][6][11]

全溶接構造を用いた鋼製車体は丸みを帯びた流線形の前面を有しており、両開き式プラグドアを採用した乗降扉の幅は車椅子ベビーカー利用客でも乗降が容易となるよう1,538 mmと広くとられている。車内の座席として通路を挟んで左右1列づつクロスシートが配置され、台車が設置されている車体にはフリースペースも存在する。また、車内には冷暖房双方に対応した空調も完備されている[3][2][11][12]

電気機器はクロアチア国内企業製のものが使用されており、主電動機VVVFインバータ制御に対応した三相誘導電動機が用いられる他、制御装置や補助電源装置などの各種機器は車両制御ユニット(VCU)によって制御や管理や診断が行われる。この制御ユニットは非常時に備えて冗長性が確保されている他、車両に搭載された各種制御モジュール間の通信には双方向ネットワーク「CAN」が用いられる。集電装置はシングルアーム式パンタグラフで、運転台が存在する前方車体に1基搭載されている[1][3][2][11][13]

これらの構造によりクロトラムの超低床電車は従来の車両と比べて運用・維持費が抑えられている事に加え、他社が展開する同様の車両と比べても製造費が安価となっており、次項で述べる各都市への導入が決定した要因の1つとなっている[1][6]

2020年時点で以下の2種類の形式の展開が実施されている他、顧客からの要望に応じて7車体連接車の製造も可能である[1][4][14]

TMK 2200 - 片運転台式の5車体連接車[3][4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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