この記事には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です。適切な位置に脚注を追加して、記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年4月)
クロダイ
分類
クロダイ(黒鯛、烏頬魚[1]、学名 Acanthopagrus schlegelii)は、タイ科に分類される魚の1種。東アジア沿岸域に分布する大型魚で、食用や釣りの対象として人気がある。
日本ではチヌ(茅渟、海?)という別名もよく用いられる。学名の属名 Acanthopagrus は「棘のある鯛」の意で、種小名 schlegelii は日本の脊椎動物を多数記載したヘルマン・シュレーゲルに対する献名である。 全長は最大70 cmを超えるが、よく漁獲される個体は30 cm前までである。クロダイ 2018年9月4日 鹿島港 背側と鰭膜は和名通り黒、ないし灰色で、腹側は白い。体側は銀色に光る灰色だが、不明瞭な縦縞があるものも多い。鰓蓋上端・目の後方やや上に、目と同程度の黒斑が1つある。体型は左右から押しつぶされたように平たい楕円形で、典型的な鯛の体型だが、マダイに比べると口が前に突き出す。顎の前方には3対の犬歯、側面には3列以上の臼歯があり、ヘダイ亜科の特徴を示す。近縁種のキチヌは、腹ビレ、臀ビレ、尾美ビレ下葉が黄色いが、クロダイも幼魚はヒレが黄色いことがある。キチヌのほうが吻がとがることが多い。さらに、キチヌのほうが鱗が大きい[2]。 背鰭は11棘条・11軟条、尻鰭は3棘条・8軟条からなり、クロダイ属のラテン語名 Acanthopagrus は発達した棘条に由来する。特に尻鰭の第2棘条が強大に発達する。側線鱗(そくせんりん)数は48?56枚、背鰭と側線の間の鱗は6?7列で、この点で近縁種と区別できる。 北は北海道の南部、日本列島、朝鮮半島から台湾までの東アジア沿岸域に分布する。ただし奄美大島以南の南西諸島には分布せず、ミナミクロダイ、ナンヨウチヌ、ヘダイといった近縁種が分布する。 タイ科の大型魚としては珍しく水深50 m以浅の沿岸域に生息し、河口の汽水域にもよく進入する。さらに河川の淡水域まで遡上することもあるため、能登地方では川鯛とも呼ばれる。環境への適応力が高く、岩礁から砂泥底 産卵は春に海域で行われ、直径0.8 - 0.9 mmほどの分離浮性卵を産卵し、水温20 ℃では約30時間で孵化する。孵化直後の仔魚は体長2 mmほどで卵黄嚢をもつ。体長8 mmほどから砂浜海岸の波打ち際や干潟域、河口域などの浅所に集まり、プランクトンを捕食して成長する。生後1年で体長12 cm、5年で26 cm、9年で40 cmほどに成長するが、マダイと比べると成長が遅い。夏から秋には海岸域で全長10cm足らずの若魚を見ることができる。若魚はスーッと泳いではピタッと停まるのを繰り返しながら餌を探す。水中の砂底
特徴
生態
成長によって性転換する魚としても知られる。性転換する魚はメス→オスが一般的(マダイなど)だが、クロダイを含めたヘダイ亜科は雄性先熟を行い、オス→メスに性転換する。