クレヨンしんちゃん_嵐を呼ぶ_アッパレ!戦国大合戦
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クレヨンしんちゃん
嵐を呼ぶ
アッパレ!戦国大合戦
監督
原恵一
脚本原恵一
原作臼井儀人
製作茂木仁史
太田賢司
生田英隆
出演者矢島晶子
ならはしみき
藤原啓治
こおろぎさとみ
屋良有作
小林愛
山路和弘
宮迫博之
蛍原徹
音楽荒川敏行
浜口史郎
主題歌ダンス☆マン
『二中のファンタジー
?体育を休む女の子編?』
撮影梅田敏之
編集岡安肇
小島俊彦
製作会社シンエイ動画
ASATSU-DK
テレビ朝日
配給東宝
公開 2002年4月20日
上映時間95分
製作国 日本
言語日本語
興行収入13億円
前作クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
次作クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード
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『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』(クレヨンしんちゃん あらしをよぶ アッパレ せんごくだいかっせん)は、2002年4月20日に劇場公開された日本アニメーション映画。『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズ第10作目(映画化10周年記念作品[1])。上映時間95分。興行収入は約13億円。
あらすじ

ある夜、野原一家は全員揃って時代劇に出てくるような格好をした綺麗な"おねいさん"の夢を見る。しんのすけが幼稚園から帰ると、犬のシロが庭を掘り返していた。その穴から見つけた文箱の中には「おらてんしょうにねんにいる」と読める汚い字とぶりぶりざえもんの絵が描かれた手紙が入っていた。埋めた覚えはないのにと訝しがるしんのすけだが、「おひめさまはちょーびじん」という一文を見て朝の夢を思い出し、"おねいさん"に思いを馳せながら目を閉じる。

目を開けた瞬間、しんのすけは夢で見た泉の畔に立っていた。訳もわからず歩いているうちに、軍勢同士の合戦に遭遇してしまう。最初は時代劇の撮影だと思い込むしんのすけだが、偶然から一人の侍の命を救う。井尻又兵衛由俊(いじり またべえ よしとし)というその侍は、命を救ってくれた恩からしんのすけを自分たちの城、春日城に案内してくれるという。そこには、しんのすけが夢で見た"おねいさん"こと廉姫(れんひめ)がいた。

又兵衛と廉姫が想いを寄せ合っている事を察したしんのすけは2人の仲を取り持とうとするが、2人は身分の違いからお互いの想いを打ち明けられずにいた。

一方、しんのすけの父ひろしと母みさえは、行方不明になったしんのすけの安否を気遣っていた。警察の捜索も手がかりがなく行き詰まっている中、ひろしはしんのすけの残した手紙が気になり、図書館史料を調べる。そこには「天正2年に戦で野原信之介とその一族が奮戦」との記録があった。ひろしはしんのすけが戦国時代タイムスリップしたと確信し、「きっとオレ達も過去に行く事になる」と悟った。反対するみさえを説得し、家族と共に車に乗り込んだひろしだが、過去に行く方法すら解らない。思いつきからシロが掘った穴の上に車を進めてみる。

その頃しんのすけは、廉姫に初めに来た場所に手紙を埋めてはどうかと提案され、泉の前に文箱を埋めていた。そこに突如ひろしたちを乗せた車が現れ、しんのすけは家族との再会を果たす。急いで現代へ戻ろうとするひろしたちだが、いくら念じても戻る事ができない。一家はしばらく春日城に滞在することになってしまう。

春日城の城主・春日康綱(かすが やすつな)は、ひろし達から未来ではどの大国もみな滅び去っていることを聞き、政略結婚によって今日の安寧を得ても無意味と考え、廉姫に婚姻を迫る隣国の大大名・大蔵井高虎(おおくらい たかとら)に婚姻解消の旨を伝える。だが、これを受けた大蔵井は2万の兵を率いて春日城へ攻めてきた。又兵衛らがこれを迎え撃つ為に城の守りを固める中、ひろしはこのままでは史実通り、自分達も戦うことになってしまうと恐れていた。

そして始まる春日合戦。初日は大蔵井側が本気ではなかったことにより、両者痛み分けで終わる。その夜の評定により、翌日は城から打って出、高虎の首を狙うという作戦が決定された。同時に、敵が動揺したところで野原一家を城から逃がすことも。

そして二日目の朝。夜明けとともに城門を開き出撃する春日軍。油断していた大蔵井軍は混乱に陥るもののすぐに態勢を立て直し、迎撃に入る。その頃、無事に城から脱出していた野原一家だが、しんのすけに「おマタのおじさんをお助けしなくていいの?」と問われ、戦場へと引き返す。

多勢に無勢、部隊が寸断され各個撃破されていく春日軍に心を決めた野原一家が加勢、自動車を知らない大蔵井軍は大混乱に陥り、春日軍は進軍を再開、大蔵井の本陣へ進む。野原家の車についで本陣に乗り込んだ又兵衛は、馬廻衆真柄太郎左衛門直高と熾烈な戦いを演じる。その戦いをよそに本陣から逃げ出そうとする高虎をしんのすけが面罵、家族総出で打ち倒すことに成功する。

倒れた高虎の首をとろうとする又兵衛にしんのすけが「もう攻めてこないから許してやろう」と言う。しんのすけの説得を受けいれ、髻だけを取って戦勝を宣言する又兵衛。こうして春日合戦は終わった。

多数の味方を打ち取られながらも凱旋する春日軍。だが、出迎える廉姫の耳に銃声が届き、又兵衛は胸から血を流し馬から落ちる。

又兵衛は、駆け寄るしんのすけに「お前は皆を守る時間をくれるために過去に来たのだ」と語り、父の形見の右手差しを贈り、息を引き取る。

その後、廉姫はしんのすけに又兵衛への恋心を打ち明け、その思いを胸に生涯独身を貫くと語った。

野原一家は現代へと戻り、久しぶりに我が家へと帰宅した。空には「おじさんの旗」のような雲が流れていた。

一方戦国時代でも、廉姫が同じ雲を通して又兵衛へと呼びかけていた。「おい、青空侍。」
登場人物

『クレヨンしんちゃん』のレギュラーメンバーの基本設定はクレヨンしんちゃんの登場人物一覧および個別記事を参照。
野原しんのすけ(のはら しんのすけ)
庭で自身からの手紙を見つけたことから戦国時代にタイムスリップすることになる。持ち前の明るさで戦国の人々ともすぐに仲良くなる。戦では、自分勝手な大倉井高虎を叱責したことで怒りを買い、一時はピンチとなるが、野原一家で協力して最終的には金的で気絶させる。その後、高虎の首を取ろうとする又兵衛を説得し、ちょんまげのみを取ることで戦は終わった。5歳児のため、これまで人の死というものに縁がなく、又兵衛から家族が戦死した話や死生観を聞かされた時にはピンと来ていなかったが、又兵衛の死に際には大粒の涙を流し、初めて人の死の悲しみを知ることとなる。
野原ひろし(のはら ひろし)
しんのすけからの手紙に書かれていた「てんしょうにねん」を調べ、その年に起きた出来事について調べる。しんのすけがいないこの世に未練はないと言い、みさえとひまわりを連れて戦国時代へタイムスリップする。戦の際には一家で逃げようとしたが、又兵衛達を放ってはおけず自動車で戦地へ乱入し、劣勢だった戦況を引っくり返す。
野原みさえ(のはら みさえ)
しんのすけが行方不明になった際には警察に連絡するなど心配していた。初めはしんのすけからの手紙の内容を信じてはいなかったが、ひろしとひまわりと共に戦国時代へタイムスリップする。高虎に殺されそうになったしんのすけを、城から出る前に又兵衛から貰った刀で守った。
井尻又兵衛由俊(いじり またべえ よしとし)
春日家に仕える。30歳独身。ぼんやりと空を眺めるのが好きで、青地にを模った旗印から「青空侍」と呼ばれている。両親と兄弟がいたが、母は病死、父と兄弟はいずれも戦死(討死)している。戦いに滅法強く、「の井尻」と呼ばれ恐れられている一方で、女性には非常に弱い。しんのすけからは「おマタのおじさん」と呼ばれている。合戦の最中、敵に狙われていることにも気づかず空を眺めていたが、タイムスリップしてきたしんのすけと共に伏兵の存在にも気づき、命を救われた。その後、康綱の命でしんのすけをしばらく預かることになる。実は廉姫とは幼馴染で、彼女に密かな好意を寄せているが、身分の違いからその想いを頑なに抑え込んでいた。後に大蔵井高虎が春日国に攻めてきた際、野原一家の助けもあって高虎を討ち取るが、しんのすけの懇願もあって首は取らず、代わりに髻を取った(当時としては、髷を取られることはかなりの恥である)。しかしその後、城へ帰る途中で何者かに撃たれて致命傷を負ってしまう。死の間際、しんのすけがやってきたのは自分に国と大切な人を守る猶予を与えるためであったと悟る。ここで自分の父の形見でもある短刀をしんのすけに託し、短刀を首取りに使わなかったことに安堵しつつ息絶えた。最後まで廉に自分の想いを(明確に)告げることは無かった。彼の死にしんのすけは深く悲しみ、大粒の涙を流す。劇場版において数少ない死亡した味方側の登場人物(人間)である。なお、彼の死はタイムパラドックスを起こさないために避けられないことが示唆されている(銃撃直後、その場にあった全ての火縄銃に使われた形跡はなかった)。
春日廉(かすが れん)
野原一家の夢に出てきた美しい女性。春日家の姫。しんのすけに「廉ちゃん」と呼ばれる。幼馴染である又兵衛に好意を寄せているが、身分の違いから気持ちを打ち明けられずにいた。毎日彼が戦で命を落とさぬよう祈り、密かに想い続けていた。それが野原家の夢に通じ、結果的にしんのすけ達をタイムスリップさせた。戦国の世の大名の娘としてのさまざまな覚悟は出来ているが、そうした束縛に盲従するのではなく、可能な限り人間らしく生きようとしている。美しく聡明な女性で、よく他国の殿から縁談を申し込まれているがどれも断っている。作中では大蔵井高虎の元に嫁ぐことになっていたが、父康綱が考えを改めたため高虎との婚姻の話は取り消される。戦の真っ只中でも又兵衛を案じて矢面に飛び出す大胆な一面もある。『カスカベ映画スターズ』では映画の登場人物という形で又兵衛と共に現代に来ており、洋服に興味を持っていた。戦で疲れている兵士のためにおにぎりを作るが、彼女の握ったおにぎりを知らずに食べた又兵衛はしょっぱいと唸っていた。
春日和泉守康綱(かすが いずみのかみ やすつな)
春日家の当主。武蔵国の小国(春日領)を治める。一国の主としての威厳がある一方、逃亡した家来をかばう寛大さ、未来からやって来た野原一家の話を受け入れるといった柔軟さも兼ね備えている。妻に先立たれ、息子も戦で亡くしているため、娘である廉を特に大切にしている。家紋並び矢筈。野原一家の話を信じ、戦国の世も一時のものと悟り、強国大蔵井家との政略結婚を取り止める。しかし、その決断は大蔵井に腹いせと領土拡大の口実を与えることにもなってしまった。
仁右衛門(にえもん)
井尻家の足軽頭で又兵衛の父親の代から仕えている。


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