クレヨンしんちゃん_ヘンダーランドの大冒険
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クレヨンしんちゃん
ヘンダーランドの大冒険
Crayon Shin-chan
Great Adventure in Henderland
監督
本郷みつる
脚本本郷みつる
原恵一
原作臼井儀人
製作プロデューサー
茂木仁史
太田賢司
堀内孝
出演者矢島晶子
ならはしみき
藤原啓治
渕崎ゆり子
大塚芳忠
田中秀幸
雛形あきこ
音楽荒川敏行
宮崎慎二
主題歌雛形あきこ「SIX COLORS BOY」
撮影高橋秀子
編集岡安肇
製作会社シンエイ動画
ASATSU
テレビ朝日
配給東宝
公開 1996年4月13日
上映時間97分
製作国 日本
言語日本語
興行収入12億円
配給収入6億5000万円[1]
前作クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望
次作クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡
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ポータル 映画
プロジェクト 映画

『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』(クレヨンしんちゃん ヘンダーランドのだいぼうけん)は、1996年4月13日に公開された『クレヨンしんちゃん』の劇場映画版シリーズ第4作目。上映時間は96分。興行収入は約12億円。
概要

タイトルは原作者の臼井儀人が付けた。この作品から臼井は映画制作から関係を薄くしていて、原作漫画も描かなくなった。2009年に臼井が死去したため、この作品が臼井が制作側として直接的に関わった最後の作品となった。また、監督の本郷みつるは本作公開の半年後に降板し、次作(第5作目)より原恵一に交代した[注釈 1]

本作で流れたBGMは後にテレビアニメでも何度か使われたことがある。さらに本作に登場するキャラクター「ス・ノーマン・パー」は『クレしんパラダイス! メイド・イン・埼玉』や、テレビアニメに何度も登場したりと本作のテレビアニメへの影響は大きい[注釈 2]

ぶりぶりざえもん、ばら組園児・河村やすお(通称:チータ)、カンタムロボが劇場版(映画版)初登場している。

今作品の公開後、野原ひまわりが誕生したため、野原家3人での劇場版(映画版)はこれが最後である事から本作はファンの間では「初期の傑作」、「初期の総決算的作品」と評価されている。

ファンタジー色を全面に出している作品ではあるものの、独特な世界観や、哀愁や不気味さの漂う歌やキャラクターなどダークな雰囲気もある怖い作品でもある。しかし終盤の良い意味で勢いに溢れたギャグシーンや涙なくして語れないラスト等、後のクレヨンしんちゃんの映画の基礎ともいうべき要素を確立した作品でもある。
あらすじ

闇に包まれたどこかの国で、ゴーマン王子が姫を救うべく魔物と戦っていた。しかし、魔物は倒したものの黒幕のオカマ魔女に敗れ、誰かが自分の代わりに姫を助け出すこと、そして王国を救うことを願いつつ封印されてしまう。

群馬に出来た、夢いっぱいのおとぎの国「ヘンダーランド」。印象的なCMで話題沸騰中のテーマパークであり、今度のふたば幼稚園の遠足先だった。何かと現実的な考えのふたば幼稚園の園児たちも行く前から夢中であり、当日は不可思議な演出やアトラクションを大いに楽しんでいたのだが、しんのすけは客のおねえさんに見惚れてひまわり組の皆とはぐれてしまい、迷い込んだサーカスのテントの中で涙を流す美しい人形を発見する。そこにサーカス団長のクレイ・G・マッドが現れ、誤魔化すようにねじ巻き人形のトッペマ・マペットを見せる。不思議な歌と踊りを披露するトッペマだったが途中で倒れてしまい、しんのすけが勝手にねじを巻くと自我を以って喋り出し、目の前のクレイ・Gはオカマ魔女の手下で悪党なのだと訴える。しんのすけはトッペマの言葉を信じ、クレイ・Gは狼男の本性を現して襲い掛かるが、トッペマの持つ魔法のトランプによって石化させられる。そして先程の人形だと思われた人物はオカマ魔女に封印されたメモリ・ミモリ姫であり、助け出すにはオカマ魔女を倒すしかないと言う。しかしテントから抜け出そうとする2人の前に別の手下のチョキリーヌ・ベスタが現れ、「人形の女の子よりピチピチのおねえさん」を選んだしんのすけはあっさり人質に取られ、魔法を受けたトッペマは消されてしまう。チョキリーヌは全てアトラクションの作り物だと説明し、しんのすけを追い返す。

そして家に帰ったしんのすけが風呂に入っていると消えた筈のトッペマが現れた。トッペマは死んだ訳ではないが、チョキリーヌの呪いによって夜の間しか姿を現すことが出来なくなっていたのだ。そしてヘンダーランドは、世界征服をたくらむ異世界のオカマ魔女・マカオとジョマの基地であり、トッペマの故郷も彼女(?)らに滅ぼされたことを明かし、マカオとジョマの世界征服計画を阻止するよう協力してほしいと頼む。だがしんのすけは怖がってその頼みを拒絶し、トッペマも仕方なくしんのすけに見切りを付けて去っていった。しかし彼女が去り際に残していった魔法のトランプを、しんのすけはいつもの日常の中でおもちゃ箱にしまうのだった。

数日後、ス・ノーマン・パーと名乗る雪だるまの様な男が春日部市に来た。ス・ノーマンは教育実習の先生としてふたば幼稚園に現れ、ひょうきんな人柄と話術で子供たちの人気者となる。しんのすけも初めは信用していたが、偶然トイレでス・ノーマンと二人きりになった際、彼が魔法のトランプの在処を聞かれたことで、彼に危機感と恐怖を覚える。その場は上手く言い逃れたしんのすけだったが、夕方になって家に帰ると何とス・ノーマンがいた。彼は先回りして母親のみさえを言葉巧みに騙し、野原家にまで上がり込んでいたのだ。恐れをなしたしんのすけはすぐさまス・ノーマンが悪者だとみさえに訴えるも、紳士的に接してくる彼を好意的に受け入れるみさえは聞く耳を持たない。

そして夜を迎え夕飯を済ませたス・ノーマンが急に野原家を後にしたことで、しんのすけも一先ずは安心して床に就く。だがス・ノーマンは引き下がった訳ではなく、帰宅途中だったひろしの元へ向かいみさえと同じように言いくるめていたのであった。そのままひろしに連れられて真夜中の野原家に再び来訪したス・ノーマンは、ひろしとみさえに睡眠薬入りのビールを振る舞い眠らせた上で、遂にしんのすけ相手に本性を現し魔法のトランプを奪おうと襲い掛かってきた。だが、しんのすけがそのトランプを掲げトッペマが言っていた呪文「スゲーナスゴイデス」を唱えると、アクション仮面、カンタムロボ、ぶりぶりざえもんが助けに現れた。そしてしんのすけは3人と作戦を立てた上で力を合わせて攻撃を仕掛け、何とかス・ノーマンを追い払うことに成功し事なきを得る。しかしス・ノーマンは退散する際、野原家のポストに突然出て行ったお詫びの手紙とそれに同封したヘンダーランドの招待券を残していった。

後日、野原家はその招待券を持ってヘンダーランドへと遊びに行くことに。しんのすけはなおもひろしとみさえにス・ノーマンに騙されていると訴えるが、依然としてそれは夢の話だと相手にされない。ヘンダーランドに着きひろしとみさえが喜びながら楽しい一時を過ごしている間も、自分の言うことを信じてもらえないしんのすけは憂鬱なままだった。そして日が暮れるまですっかりヘンダーランドを満喫したひろしとみさえがもう帰宅しようという気になったことで、しんのすけもようやく安堵して喜ぶ。しかし、帰路に着く直前にひろしとみさえはトイレに行ったところでマカオ達に捕まり、偽物の人形にすり替えられてしまう。帰宅後、しんのすけはその偽物のひろしとみさえに風呂場で襲われ絶体絶命の状況に陥るが、そこへ再び現れたトッペマに偽物の二体を倒してもらい救われる。

一度は恐怖からトッペマの頼みを断ってしまったしんのすけであったが、ひろしとみさえを助け世界を救うためにマカオとジョマに戦いを挑むことを決意。魔法のトランプを持って単身ヘンダーランドへと向かうのだった。夕方、閉園後のヘンダーランドに辿り着いたしんのすけだったが、トッペマが現れる夜まで待てず一人で内部に入り込む。最初の刺客としてクレイ・Gが立ちはだかるが、しんのすけはトランプでチンチン電車に変身し、クレイ・Gを躱して一気に城を目指すも、クレイ・Gは列車で追い掛ける。しんのすけは再びアクション仮面、カンタムロボ、ぶりぶりざえもんを召喚し、クレイ・Gを岩にぶつける作戦を立てるも失敗。しかしそこにトッペマが実体化して手を貸し、想定とは違う形となったが何とかクレイ・Gを倒す。同時にクレイ・Gのシャツになっていたひろしを救出する。

城を目指す一行に今度はチョキリーヌが襲い掛かり、トッペマが立ち向かうも敗北してしまう。チョキリーヌはしんのすけからトランプを奪おうとするも、満身創痍のトッペマの捨て身の攻撃で倒される。しかしトッペマも力尽きて消滅してしまった。チョキリーヌのブラジャーに変えられていたみさえを救出し、三人揃った野原一家はヘンダー城に乗り込む。

待ち受けていたマカオとジョマは「もしも私達と勝負して勝てば大人しく引き上げる」と提案し、一家はトランプを使ってダンス対決に持ち込む。マカオとジョマのパ・ド・ドゥに対し阿波踊りで挑み、優雅に舞うマカオとジョマの圧勝かと思いきや、一家は「汗」「ハート」と言った要素で点数を盛り返して僅差で勝利。しかしマカオとジョマは負けを認めず、唯一所持していたジョーカーを取り出してババ抜きを挑んで来る。夜を徹した心理戦の末、ついに野原一家の勝利かと思った矢先、しんのすけが最後の最後でジョーカーを引いて負けてしまう。しんのすけが咄嗟にそのジョーカーを使用すると、トランプの精霊・スゲトラちゃんが現れ、このジョーカーこそがマカオとジョマの命である事、そして城の上部にあるステンドグラスにジョーカーをはめることでマカオとジョマを倒せる事を告げる。一家はステンドグラスを目指して城を駆け上がり、城内では魔法を制限されているマカオとジョマは自ら一家を止めるべく追い掛ける。壮絶な追い掛けっこの末、しんのすけは間一髪ステンドグラスにジョーカーをはめる。マカオとジョマは互いの名を叫びながら消滅。ヘンダー城も崩壊するが一家は非常用脱出装置で何とか生還する。

陸地に着いた一家にス・ノーマンが襲い掛かるも、そこに開放されたメモリ・ミモリ姫が現れて魔法でス・ノーマンを溶かし、ス・ノーマンの姿は一人の青年に変わる。ス・ノーマンの正体はマカオとジョマに姿を変えられたゴーマン王子だった。そしてメモリ・ミモリ姫は身体を封印されている間、その心は人形のトッペマに宿っていた。つまり彼女は死んだと思われていたトッペマ本人だったのだ。しんのすけにお礼のキスをしたメモリ・ミモリ姫はヘンダーランドごと元の世界に帰り、ゴーマン王子と結婚して末永く幸せに暮らしたという。
登場人物
トッペマ・マペット
からくり人形女の子


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