クリー語
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クリー語

N?hiyaw?win, N?hithaw?win, N?hinaw?win.
話される国 カナダ
アメリカ合衆国
民族クリー
話者数約50,000人
言語系統アルギック語族

アルゴンキン語派

中央アルゴンキン語群(英語版)

クリー語



表記体系ラテン文字, クリー文字(英語版) (カナダ先住民文字の一種)
公的地位
公用語 ノースウェスト準州
統制機関統制なし
言語コード
ISO 639-1cr
ISO 639-2cre
ISO 639-3cre ? マクロランゲージ
個別コード:
crm — ムースクリー語
crl — 東部クリー語 (北部)
crj — 東部クリー語 (南部)
csw — 湿原クリー語
cwd — 森林クリー語
crk — 平原クリー語
消滅危険度評価
Vulnerable (Moseley 2010)
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クリー語(クリーご)は、アルゴンキン語派に属し、カナダアルバータ州からラブラドールにかけて約50,000人の間で話されている言語である。
方言分類の基準

※以下の文におけるカタカナでの発音表記は、日本語話者に簡易的に音声を知らせるもので、必ずしも現地語を忠実に再現していない。
子音の[?]

クリー語の方言連続体は、いくつかの区分に分かれる。オンタリオ州北部から、ケベック州北西湾岸部にかけて、[?] (日本語のシャ行に似た音、英語のsh音)と[s](sの音)の間に明確な区別があるが、西部・東部では区別しない。西部では[s]とのみ発音し、東部では[?]または[h](日本語のハ行の子音)のいずれかで発音される。
長母音

北部の平原クリー語(Plains Cree)と森林クリー語(Woods Cree)を含むいくつかの方言では、長母音[e?](エー)と[i?](イー)は[i?]ひとつに集約される。ケベック州のチサシビ(Chisasibi)とワプマグストゥ(Whapmagoostui)では、長母音[e?]は、長母音[a?](アー)に集約される。

しかし、クリー語諸方言のうち最もバリエーションに富んでいるのは、アルゴンキン祖語の *l に起源を持つ音である。下の表を参照(SKはサスカチュワン州、ABはアルバータ州、BCはブリティッシュコロンビア州、NTはノースウェスト準州、MBはマニトバ州、ONはオンタリオ州、QCはケベック州、NLはニューファンドランド・ラブラドール州)。

方言地域祖語の *l に起源を持つ音「先住民」を意味する語(祖語の *elenyiwa)2人称代名詞(祖語の *k?lawa)
平原クリー語(Plains Cree)SK, AB, BC, NTyiyiniw ????kiya ??
森林クリー語(Woods Cree)MB, SKd/thidiniw/ithiniw ????k?da/k?tha ??
湿原クリー語(Swampy Cree)ON, MB, SKnininiw ????k?na ??
ムースクリー語(Moose Cree)ONlililiw ????k?la ??
東部クリー語(East Cree)QCy?n? ??; ?yiy? ????? ?
カワチカマチ・ナスカピ(Kawawachikamach Naskapi)QCy?yuw ?????y ??
アティカメク語(Atikamekw)QCririniwkira
西部インヌ語(Western Innu)QClilnu?il <tshil>
東部インヌ語(Eastern Innu)QC, NLninnu??n <tshin>

y方言の平原クリー語話者は自分たちの言語を n?hiyaw?win と呼び、森林クリー語話者は n?hithaw?win、湿原クリー語話者は n?hinaw?win と呼ぶ。これはスー語族の Dakota、Nakota、Lakota や古代教会スラヴ語の母音 ? (yat) の現代スラブ諸語への変化に見られる音の交替と同様である。

クリー語諸方言の音韻的なバリエーションのうち、もう一つ重要なものにアルゴンキン祖語における *k の硬口蓋音化がある。オンタリオ・ケベック州境の東(アティカメク語を除く)では、アルゴンキン祖語の *k は前母音の前の位置で[t?](「チーズ」の「チ」の子音)に変化している(上の表の「2人称代名詞(祖語の *k?lawa)」を参照)。

クリー語の地域語連続体はしばしばクリー語とモンタニェ語に分けられる。クリー語には *k から [t?] への変化を経ていない全ての方言が含まれる(ブリティッシュコロンビアからケベック)。他方、モンタニェ語の使用される地域(ケベックからニューファンドランド・ラブラドール)ではこの変化が起きた。この分類は言語学的な観点からは有用だが、「東部クリー語」がモンタニェ語となるため混乱を招きかねない。実用上は、クリー語とは通常正書法に音節文字を使用する諸方言のことであり(アティカメク語を含みカワチカマチ・ナスカピ語を含まない)、モンタニェ語という呼び名はローマ字を用いる諸方言に使われる(アティカメク語を含まずカワチカマチ・ナスカピ語を含む)。ナスカピ語という呼び名は一般にカワチカマチ語(y方言)とナトゥアシシュ語(n方言)を指す。
方言の分類

クリー語諸方言は概ね九つに分類される。西から東へ順に以下のような方言がある。

平原クリー語
(y方言)

森林クリー語 (th方言)

湿原クリー語 (n方言)
湿原クリー語には音素 ? に違いがある東部方言と西部方言がある。西部方言では ? が s と同一になっている。

ムースクリー語 (l方言)

ジェームズ湾クリー語 (y方言で、「東部クリー語」とも呼ばれる)
ジェームズ湾クリー語には北部方言と南部方言があり、区別する母音の数が異なっている。北部方言では長母音 ? と ? が統合されているが、南部方言では区別される。ただし、両地域の話者は容易に意思疎通できる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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