クリープショー2/怨霊
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クリープショー2/怨霊
Creepshow 2
監督マイケル・ゴーニック

脚本ジョージ・A・ロメロ
原案スティーヴン・キング
製作デヴィッド・ボール
製作総指揮リチャード・P・ルビンスタイン(英語版)
出演者ロイス・チャイルズ
ジョージ・ケネディ
ドロシー・ラムーア
トム・サヴィーニ
音楽レス・リード(英語版)
リック・ウェイクマン
撮影ディック・ハート
トム・ハーウィッツ
編集ピーター・ウェザリー(英語版)
配給 ニューワールド・ピクチャーズ
東映クラシックフィルム
公開 1987年5月1日
1988年3月5日
上映時間92分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$3,500,000
興行収入$14,000,000[1]
前作クリープショー
次作クリープショー3(英語版)
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『クリープショー2/怨霊』(クリープショー2 おんりょう、原題: Creepshow 2)は、1987年に公開されたマイケル・ゴーニック監督によるアメリカ合衆国のオムニバス形式のホラー映画であり[2]、『クリープショー』の続編である。
概要

ゴーニックは前作の撮影監督であり、脚本は前作の監督であったジョージ・A・ロメロが手掛けた。主演はロイス・チャイルズジョージ・ケネディドロシー・ラムーアトム・サヴィーニスティーブン・キングの原作を再び映画化し、「木彫りのインディアン酋長」、「筏(いかだ)」、「ヒッチハイカー」の3つのホラーパートが製作された。

前作とは異なり、『クリープショー2/怨霊』には5つの物語ではなく3つの物語しか収録されていない。当初、「ピンフォール」と「地獄から来た猫」の2編が追加される予定だったが、予算の関係で白紙になった[3]。しかし、後者はのちに『フロム・ザ・ダークサイド 3つの闇の物語』にて映像化されている[3]

この映画は、1996年に亡くなったドロシー・ラムーア遺作となった。
あらすじ
プロローグ

メイン州デクスターの小さな町で、配達トラックが新聞販売店に停車する。少年ビリーは熱心に自転車でトラックを追いかける。トラックの後ろのシャッターが開くと、クリープが現れ、『クリープショー』の最新号(前作のラストシーンに登場したコミックと同じ表紙)を置いて消える。ビリーは最新号を手に取り、読み始める。
第1話「木彫りのインディアン酋長」

レイとマーサのスプルース夫妻は小さな町で雑貨店を営む老夫婦で、店先には『木彫りのインディアン酋長』と名付けられた葉巻屋のインディアン人形が飾られている。スプルース夫妻のもとを、地元のネイティブ・アメリカン部族の酋長ベンジャミン・ホワイトムーンが訪れ、部族が負った借金の担保として、部族の神聖な宝であるターコイズの宝石の入ったバッグを渡す。

その夜、スプルース夫妻は、ショットガンで武装したベンジャミンの別居中の甥サム・ホワイトムーンと、彼の友人アンディ・キャバノーとヴィンス・グリベンスの3人の強盗に襲われる。争っているうちにサムの銃が暴発し、マーサを射殺してしまう。サムはレイも撃ち殺すと、宝石を奪い取って仲間とともに逃げ去る。彼らが去った後、酋長人形が息を吹き返し、強盗たちを追う。彼はヴィンスを複数の矢で射抜き、アンディをトマホークで惨殺し、狩猟用ナイフでサムの頭皮を剥ぐ。翌朝、ベンジャミンが目を覚ますと、ベッドの上にターコイズの宝石が置かれていた。彼が廃墟となった雑貨店を訪れると、酋長人形は店先に戻っており、サムから剥がした頭皮と血まみれのナイフを持っていた。
幕間1

町の郵便局で、ビリーは店員のヘイグ氏からハエトリグサの球根が入った小包を受け取る。ビリーは小包の代金を支払い、家路につく。郵便局のカウンター裏からクリープが現れ、次の物語が始まる。
第2話「筏(いかだ)」

10月中旬、ディーク・ラバーン・ランディ・レイチェルの4人の大学生は、文明から遠く離れた荒涼とした湖、カスケード・ビーチに遊びにやってきた。湖の真ん中にある木製のいかだまで泳いでいたランディは、見えない力によってアヒルが水中に引きずり込まれるのを目撃する。4人全員がいかだに乗り込むと、ランディが水面に浮かぶ油膜のような黒くて大きなブロブのような生き物を発見した。レイチェルがいかだから身を乗り出してその生き物に触ろうとすると、その生き物はレイチェルをつかんで湖に引きずり込み、彼女を溶かしてしまう。パニックに陥った3人は、今はオフシーズンであること、つまり彼らを救助してくれるであろう管理人がいないことを思い出す。

時間が経つにつれ、ディークは岸まで泳いで助けを呼び戻そうと計画する。しかし、彼が逃げ出す前に、ブロブはいかだの隙間からしみ出し、ディークの足をつかんでいかだの下に引きずり込み、彼を殺してしまう。ランディとラバーンは、ブロブがまだ空腹であることに気づき、いかだの下から自分たちを捕まえようとするのをなんとか回避した。夜になると、ランディとラバーンは交代でブロブを見張り、やがて互いの腕の中で眠りに落ちる。

翌朝、ランディは自分とラバーンがまだ生きていることに気づく。ランディはラバーンをいかだの上に寝かせ、眠っている彼女の体にキスと愛撫を始める。するとラバーンは苦悶の悲鳴を上げながら目を覚ました。ブロブがいかだの隙間から浸透して彼女の顔の半分を覆い溶かしており、ランディは恐怖する。ブロブが彼女をいかだから引きずり下ろし、捕食し始めると、ランディはいかだから飛び降り、岸まで泳ぎ着こうとする。かろうじて泳ぎ着いたランディは、「お前に勝ったぞ!」と叫ぶ。しかし、ブロブは波のように水面から立ち上がり、ランディを飲み込む。

ブロブは湖に戻り、脱ぎ捨てられた服とアイドリングしている車以外に彼らの痕跡は残らなかった。彼らは知らなかったが、うっそうとした草木の陰にかろうじて見えるところに、「遊泳禁止」の標識があった。
幕間2

郵便局からの帰り道、ビリーは近所のいじめっ子集団に待ち伏せされる。ライノという名前のいじめっ子のリーダーは、ビリーの小包を奪い、ハエトリグサの球根を見つけて足で踏み潰す。報復としてビリーはライノの股間を蹴り、いじめっ子たちが追いかけてくる中逃走する。ビリーが逃げると、木の陰からクリープが現れ、最後の物語が始まる。
第3話「ヒッチハイカー」

メイン州の女性実業家アニー・ランシングは不倫をしており、ジゴロの愛人と寝た後、目を覚ましてベッドから起き上がる。弁護士の夫ジョージが帰宅するまであと15分しかないことに気づいたアニーは、車に飛び乗り、数マイル離れた自宅へと急ぐ。運転中にタバコの火をこぼしたことに気を取られたアニーは、滑りやすいコーナーで車のコントロールを失い、ドーバー行きのヒッチハイカーを轢いてしまう。誰もその出来事を目撃していないことを確認したアニーは、そのまま走り去る。しかし、彼女が立ち去った直後、トラック運転手、通行人2人、そしてひき逃げを警察に通報したジョージで辺りはごった返していた。

数マイル離れた場所で、アニーは自分のしたことを考え、一時は自首することも考えたが、結局のところ誰も自分の罪を知らないであろうと結論づけ、すべてうまくいくと考える。しかし、先程轢いたヒッチハイカーが突然窓の外に現れ、「奥さん、乗せて下さい!」と何度も繰り返す。アニーは恐怖のあまりスピードを上げるが、ヒッチハイカーはサンルーフから手を伸ばして彼女をつかむ。彼女は道を外れて森の中を走り、低く垂れ下がった枝でヒッチハイカーを屋根から叩き落とす。しかしヒッチハイカーが再び現れ、助手席のドアを開ける。アニーはリボルバーで彼を何度も撃つが、殺すことはできなかった。彼女は彼を車から蹴り出し、何度も轢き潰した。なおも彼女に追いすがるヒッチハイカーはボンネットに登り、「DOVER」と書いてあったボードを掲げる。しかしそこには「お前が殺した」と書かれていた。アニーは再び車のコントロールを失い、道を外れて坂を下り、木にぶつかる。アニーはヒッチハイカーを車で何度も同じ木に叩きつけ、その過程で自らも気絶してしまう。

しばらくして、アニーは目覚める。ヒッチハイカーの姿はどこにも見当たらず、アニーはあの体験はすべて悪夢だったと考え、再び車に乗ってジョージより早く家路につく。ガレージで彼女が車から降りようとすると、ヒッチハイカーは無残な姿になりつつも車の下から這い出てきて「奥さん、乗せて下さい!」と叫びながら彼女に襲いかかる。ガレージのドアが勢いよく閉まり、車内に煙が充満し始める。

やがてジョージが帰宅すると、アイドリングしている車の中でアニーが一酸化炭素中毒で死んでいた。ヒッチハイカーの持っていた血まみれの「DOVER」のボードが彼女の膝の上に置かれていた。
エピローグ

配送トラックの中で、クリープは走り去る準備をし、観客に別れを告げるが、そこでまだいじめっ子たちに追われているビリーを見つける。ビリーは追手を、制御不能な植物が群生する空き地へと誘導した。ライノが壊した球根は、ビリーが最初に注文したものではなかった。周囲の雑草から巨大な5本のハエトリグサが出現し、全てのいじめっ子集団を食い殺す(1人は画面外に逃げた可能性がある)。

クリープは嬉しそうに笑い、クリープショーの最新号を別の町に届けるために車を走り去る。

スタッフロール後のシーンで、次のような文章が登場する。Juvenile delinquency is the product of pent up frustrations, stored-up resentments and bottled-up fears. It is not the product of cartoons and captions. But the comics are a handy, obvious, uncomplicated scapegoat. If the adults who crusade against them would only get as steamed up over such basic causes of delinquency as parental ignorance, indifference, and cruelty, they might discover that comic books are no more a menace than Treasure Island or Jack the Giant Killer.[4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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