クリプトコリネ
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クリプトコリネ
クリプトコリネ・ウェンティ(トロピカファーム系の株)
分類APG III

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:単子葉類 monocots
:オモダカ目 Alismatales
:サトイモ科 Araceae
:クリプトコリネ属 Cryptocoryne

学名
Cryptocoryne Fisch. ex Wydl. [1]
タイプ種
Cryptocoryne spiralis (Retz.) Fisch. ex Wydler.



本文参照

クリプトコリネ(Cryptocoryne Fisch. ex Wydl.)はインド、東南アジア全域、パプアニューギニア原産のサトイモ科水生植物であり、英名はCryptocoryne(クリプトコリネ)である。ロゼット型に広がる草体を持ち、葉の形、大きさは様々である。葉の大きさは、小さな種は数センチほどだが、大きな種は数十センチを超える。年に数回、独特の形の花を咲かせる。サトイモ科の花は仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれた独特の花を咲かせるが、クリプトコリネの花はその中でも特に変わった形をしていて、種によって大きく異なる。広範囲の様々な環境に生息し、上流域の清流から下流域の汽水湿地からの中と棲み処の幅は広い。雨季乾季の水位差が激しい地域に住むものも多く、多くの種類は環境により水中葉水上葉を切り替えて生育する。
目次

1 奇妙な花

2 利用

3 栽培

3.1 水中栽培

3.2 気中栽培

3.3 一般的性質

3.4 繁殖


4 クリプトコリネの野生下での現状

4.1 ジャングルの開発という環境破壊

4.2 乱獲


5 クリプトコリネの仲間

5.1 クリプトコリネ・ウェンティ

5.2 クリプトコリネ・ベケッティ

5.3 クリプトコリネ・バランサエ

5.4 クリプトコリネ・ワルケリー

5.5 クリプトコリネ・ウンデュラータ

5.6 クリプトコリネ・キリアータ

5.7 クリプトコリネ・パルバ

5.8 クリプトコリネ・コルダータ

5.9 クリプトコリネ・アルビダ

5.10 クリプトコリネ・スワイテシィ

5.11 クリプトコリネ・アポノゲティフォリア

5.12 クリプトコリネ・ポンテデリイフォリア


6 脚注

7 参考文献

8 外部リンク

奇妙な花 "Cryptocoryne pontederiifolia"
クリプトコリネ・ポンテデリイフォリアの花
上に伸びたパイプ状の仏炎苞の中に、おしべとめしべが隠れている。

煙突のように上に突き出た小さな花を咲かせる。色や形は種によって大きく異なり、花を観察することによって種の同定を行う場合が多い(葉は別種でも形が似ているものや、同種でも地域差で別種のような姿をしたものも多く、花の方が確実に同定が可能)。野生下では、本体のケトルが土や水に埋もれていても、花だけをシュノーケルのように高く突き出して咲かせる場合もあり、地面や水面から花が頭をのぞかせる、何とも不思議な光景を作り出す。多くの花は、細長く突き出たラッパのような形だが、クリプトコリネ クリスパツラのように栓抜きのような螺旋型をした種なども存在する。
参考: ⇒クリプトコリネの花画像
利用

アクアリウムにて観賞目的で栽培されることが多い。欧米では古くから園芸植物としても人気があるが、日本においては、園芸植物として、かなりマイナーな部類であろう。日本で栽培している人のほとんどはアクアリストである。
栽培
水中栽培

完全に沈水した状態で栽培することも出来るので、アクアリウムにて栽培されることも多い。
クリプトコリネの産地は熱帯魚の産地でもあり、多くの熱帯魚が好むような環境である。そのため、コミュニティタンクや水草水槽にてクリプトコリネを使用するケースは多い。
急な環境変化を嫌い、落ち着いた環境を好む種が多いため、急激な温度変化、急に水質が変わるほどの大量の水換え、頻繁な植え替えなどは避ける。また、多くの種において、日本での越冬の際には観賞魚用のヒーターなどで保温する必要がある。
気中栽培

アクアリウムで水中栽培する場合が多いが、高湿度で冬場も気温を高く保てるなら、気中での栽培も可能である。
テラリウムで育てる場合もあるが、水を浅く張った水槽植木鉢を並べ、根が水に浸かるようにした状態にて栽培することが多い。後者の方法のほうが植え替えなど管理は楽であり、コレクションを行う場合には適している。
用土はミズゴケ赤玉土砂利山野草園芸用の土などが使われる。多くの種において、日本での越冬の際にヒーターで保温する必要がある。水を浅く張った水槽の場合、観賞魚用のヒーターを使うことも出来る。
その他の気中栽培における保温方法は→テラリウムの項でテラリウムの保温方法を参照。
気中栽培においても、落ち着いた環境を好み、頻繁な植え替えや、急激な温度変化、ケージ内の水質の急変など、
環境の急変を嫌う。
一般的性質

性質は種によって異なり、栽培が容易な種もあれば困難な種もあるのだが、多くの種は環境の急変を嫌い、落ち着いた環境を好む。頻繁な植え替えや急激な水質変化を嫌う種が多い。
環境が合わないと溶けるように枯れてしまうが、根が残っていれば再生する場合が多い。溶けるように枯れる、通称「溶け」といわれる現象は、一株で起きると隣接するクリプトコリネへ次々と伝播していくこともあるので、注意が必要。
原産地が
東南アジア熱帯域で、ジャングルに生息する種が多いため、弱酸性軟水を好む。 タンニンを多く含んだブラックウォーターを好む種も多い。
繁殖

栽培下では株分けによる繁殖を行う。
クリプトコリネの野生下での現状

野生のクリプトコリネを取り巻く状況はかなり悪い。絶滅しそうな種、新たに絶滅していく種が数多くある。
ジャングルの開発という環境破壊

鉱山や道路を作るため、木材を確保するため、プランテーションを作るため、様々な目的でジャングルは切り開かれ、年々、その規模が小さくなっていく。


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