1978年生まれのアメリカの俳優については「クリストファー・カイマン・リー」をご覧ください。
クリストファー・リー
Christopher Lee
2013年、ベルリン国際映画祭にて
本名Christopher Frank Carandini Lee
生年月日 (1922-05-27) 1922年5月27日
没年月日 (2015-06-07) 2015年6月7日(93歳没)
出生地 イングランド ロンドン ウェストミンスター ベルグレイヴィア
国籍 イギリス
身長196cm
職業俳優
配偶者Birgit Kroencke(1961年 ? 2015年)
主な作品
『フランケンシュタインの逆襲』(1957年)
『吸血鬼ドラキュラ』(1958年)
『バスカヴィル家の犬』(1959年)
『ミイラの幽霊』(1959年)
『三銃士』(1973年)
『ウィッカーマン』(1973年)
『007 黄金銃を持つ男』(1974年)
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作(2001年 - 2003年)
『スター・ウォーズ』新三部作(2002年 - 2005年)
『ホビット』三部作(2012年 - 2014年)
受賞
英国アカデミー賞
フェローシップ賞
2010年
その他の賞
備考
大英帝国勲章(CBE)
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サー・クリストファー・フランク・カランディーニ・リー(Sir Christopher Frank Carandini Lee, CBE、1922年5月27日 - 2015年6月7日)は、イギリス出身の映画俳優。怪奇映画の大スターとして名を馳せ、90歳を超えても生涯現役で活躍した名優である。
出演作は250本以上にも上る(インターネット・ムービー・データベースによれば278本)。ギネス世界記録として、世界で最も多くの映画に出演した俳優、2007年に存命するクレジットタイトル最多登場俳優記録[1]、死亡したシーンを最も多く持つ俳優[2]を持っていた。『吸血鬼ドラキュラ』のドラキュラ伯爵役で有名となり、その後は『白夜の陰獣』のラスプーチン、『007 黄金銃を持つ男』のスカラマンガ、『三銃士』のロシュフォールなど、特に悪役でその魅力が際だっている。190cm以上の長身は老いてますます威容を誇り、2000年代以降、80歳を超えてからも、その威厳を『ロード・オブ・ザ・リング』や『スター・ウォーズ』などの大作で遺憾なく発揮した。
ピーター・カッシング、ヴィンセント・プライスと並ぶ銀幕スターとして、第二次世界大戦後のホラー映画黄金期を築いた。特にカッシングとは多くの作品で共演し、両者の組み合わせはホラー映画の名コンビとして知られている。
来歴
生い立ちに所属する陸軍中佐の父ジェフリー・トロロープ・リー(Geoffrey Trollope Lee)とイタリアの名門貴族出身の母エステレ・マリー・リー(旧姓カランディーニ・ディ・サルサーノ)のもとに生まれる[3][4]。カランディーニ家はシャルルマーニュに遡る家系とされている[5]。
幼い時に両親が離婚したため、スイスで過ごすが、その後ロンドンに戻る。語学能力に長け、英語以外に7か国語(フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、スウェーデン語、ロシア語及びギリシャ語)を自在に話すことができたとされ、実際に英語のほか、ドイツ語、フランス語で映画に出演することも多かった。
俳優活動リー扮するドラキュラ伯爵
若い頃は193cm(196cmとも)という長身のためスタントマンや脇役が中心だった。ハマー・フィルムの怪奇映画『フランケンシュタインの逆襲』では、フランケンシュタイン男爵に創造される怪物を演じたが、この時は奇怪なメイクで素顔は見せず、また台詞も無かった。そのグロテスクなメーキャップに当時のマスコミには「リーは事故をして整形手術に失敗したらしい」などと揶揄される始末だった。
『フランケンシュタインの逆襲』が大ヒットすると、ハマー・フィルムは続いて『吸血鬼ドラキュラ』を制作する。ここでリーはドラキュラ伯爵役を得、『吸血鬼ドラキュラ』もまた大ヒットしたことから、一躍スターとなった。この時、『フランケンシュタインの逆襲』でフランケンシュタイン男爵を、『吸血鬼ドラキュラ』でヴァン・ヘルシングを演じたのが、ハマー・フィルムのもうひとりの看板名優ピーター・カッシングである。リーはさらに翌年『ミイラの幽霊』でもミイラ男を演じ、3年連続で西洋怪談のメジャーな怪物を演じわけたが、フランケンの怪物とミイラは1本ずつで終わった。リーの最大の当たり役はドラキュラであり、ハマー・フィルムでは合計7本の作品にドラキュラ役として出演した。しかしホラー映画やドラキュラのイメージのみになることを避けるため、1977年より活躍の場をアメリカに移し[6]、数多くの映画に出演した(のち、1985年にイギリスに帰国)。
カッシングとは22本の映画で共演したが、『吸血鬼ドラキュラ』を含め、リーがドラキュラを、カッシングがヴァン・ヘルシングを演じた共演作は3本しかない。今もなお、このリーのドラキュラ、カッシングのヴァン・ヘルシングを超える組合せはないとするホラーファンも多い。また二人は親友でもあり、その友情は変わることがなかった(カッシングは1994年に没した。なお共演こそしていないが、カッシングはリーが出演する以前、『スター・ウォーズ エピソード4』にターキン総督役で出演している)。
小説『シャーロック・ホームズシリーズ』を基にした映画にも出演した。リーはマイクロフト・ホームズとシャーロック・ホームズの兄弟双方を演じた史上唯一の映画俳優でもある。また、ハマー・フィルム制作の『バスカヴィル家の犬』では、ヘンリー・バスカヴィル卿を演じている(この時ホームズを演じたのはピーター・カッシングである)。