クラーク郡_(ワシントン州)
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ワシントン州クラーク郡
郡のワシントン州内の位置
州のアメリカ合衆国内の位置
設立1845年8月20日
郡庁所在地バンクーバー
面積
 - 総面積
 - 陸
 - 水
1,699 km2 (656 mi2)
1,627 km2 (628 mi2)
73 km2 (28 mi2), 4.27%
人口
 - (2020年)
 - 密度
503,311人

標準時太平洋標準時: -8/-7
ウェブサイト ⇒www.clark.wa.gov

クラーク郡(クラークぐん、: Clark County)は、アメリカ合衆国ワシントン州の南西部に位置するである。人口は50万3311人(2020年)[1]郡庁所在地バンクーバーであり[2]、郡内では最大の法人化都市である。コロンビア川を挟んでオレゴン州ポートランドがある。

クラーク郡はルイス・クラーク探検隊ウィリアム・クラークにちなんで名付けられており、ワシントン州では最初の郡である。1845年8月20日にオレゴン準州暫定政府によって創設され、当時は現在のワシントン州全体が郡内に含まれていた[3]
歴史

クラーク郡は1844年7月27日に「バンクーバー地区」として始まった。コロンビア川より北、ロッキー山脈の西、アラスカの南全ての土地を含んでいた。1845年、暫定政府がその名前をバンクーバー郡とした。当時はコロンビア川からブリティッシュコロンビア州北緯54度40分まで広がっていた。1846年6月15日、アメリカ合衆国上院が、アメリカとカナダ国境を現在の北緯49度線で承認した。

1848年8月13日、ジェームズ・ポーク大統領がこの地域全体をオレゴン準州として組織化する法案に署名した。1849年9月3日、オレゴン準州議会が再度境界を変更し、探検家ウィリアム・クラークに因んでその名前をクラーク郡(当時はClarke と綴った)と改名した。当時はワシントン全州を含でいたが、その後分割、再分割を繰り返し、1880年に現在の境界になった。現在の綴りに改定されたのは1925年になってからだった[4]

1902年9月、州の歴史の中でも最大のヤコルト大火が東に隣接するスカマニア郡で始まり、西に広がってその前線は12マイル (19 km) となり、ヤコルトの町をほとんど包み込むまでになった。焼け残った木材を切り出すことは暫くの間儲かる事業になった。
政治

クラーク郡はアメリカ合衆国大統領選挙で勝敗の鍵を握る郡である。2008年の選挙では民主党バラク・オバマが95,356票(51.85%)を獲得してクラーク郡を制し、共和党ジョン・マケインは84,242票(45.79%)、独立系のラルフ・ネーダーは1,791票(0.97%)だった[5]。しかし、2000年2004年の2度の選挙では、共和党のジョージ・W・ブッシュが勝利を獲得してそれぞれジョン・ケリー(52%対47%)とアル・ゴア(49%対46%)を破った。ロナルド・レーガンを2度、ビル・クリントンを2度勝利させたように、常に当選する側に多数票を投じてきた。当選できなかった候補者がクラーク郡を制した例としては、1968年の選挙でリチャード・ニクソンに敗れたヒューバート・ハンフリー1988年の選挙でジョージ・H・W・ブッシュに敗れたマイケル・デュカキスだった。

民主党のアメリカ合衆国上院議員パティ・マレーは2010年の上院選挙で52%の得票率でクラーク郡を辛うじて制したが、2004年の選挙では共和党候補のジョージ・ネザーカットに敗れていた。

州知事選挙では2008年に共和党のディノ・ロッシがクラーク郡で91,301票(51.01%)を得票し、民主党のクリスティン・クレゴワール(87,683票、49.89%)を制したが、州全体では落選した。2004年の選挙でもロッシがグレゴワールに53%対45%で郡を制していたが、州全体では133票差で敗れた。

クラーク郡はポートランド・メディアマーケットに入っており、州の発議権投票でも他の地域とは異なる結果になることが多い。さらに社会的にかなりリベラルなシアトルの郊外とは異なり、大麻の合法化に反対するなど保守的な投票動向を示す傾向にあり、地域の家族型有権者にはアピールしないと見られている。
地理と気候

アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は656平方マイル (1,699.0km2)であり、このうち陸地は628平方マイル (1,626.5 km2)、水域は28平方マイル (72.5 km2)で水域率は4.27%である。

クラーク郡は南と西の2方向をコロンビア川が境界となり、北境界はルイス川の北支流となっている。ルイス川の東支流とワシューガル川が郡内を横切っている。郡内に入ってしまう水流で最大のものはサーモン・クリークである。

ピュージェット湾から南のウィラメットバレーまでオレゴン州とワシントン州の大半と同様に、クラーク郡の景観と気候は火山性太平洋海岸山脈とカスケード山脈の間にあることで決定付けられ、ここでは氷河の作用でコロンビア川渓谷から出てくるときにコロンビア川のバレーと合うU字形のバレーを形成してきた。火山灰性土壌が普通であり、下流は肥沃な軟土壌である。郡中央と南西部は概して平坦な氾濫原であり、前史時代のミズーラ湖からの奔流で彫りこまれてきた。15,000年から13,000年前にミズーラ洪水と呼ばれる一連の大きな洪水が起こり、幾つかの氷のダムが溶けて、「ハイツ」、「ミルプレイン」、フォースプレイン」および「フィフスプレイン」のような一連の低い段丘を形成した。ケッペンの気候区分では地中海性気候("Csa")にあたる。

バンクーバー湖など多くの湖がリッジフィールド近くの低地にある川と接している。郡東部と北部はカスケード山脈の森林丘陵があり、スカマニア郡との郡境では標高4,000フィート (1,200 m) にまで上がる。ラーチ山が郡内の最高独立峰である。

地域の植物相と動物相には、低地のビッグリーフメープル(Acer macrophyllum)やベイスギ(Thuja plicata)からゲーリーオーク(Quercus garryana)を経て、ギフォード・ピンチョー国立の森でよく見られる耐火性のあるロッジポール松やベイマツ(Pseudotsuga menziesii)、さらにはグランドファー(Abies grandis)やシルバーファー(Abies alba)などへ種の遷移が見られる。オオアオサギアメリカフクロウミサゴアカオノスリハクトウワシなど猛禽類、カラス科のワタリガラスアメリカガラス、ウェスタンスクラブ、ステラーカケスなど、様々な種類の鳥類に加えて、水流には多くの種のサケが生息し、バークーバー・マス孵化場もある。大型動物としては、クロオジカ、コヨーテアライグマスカンクおよび外来種のオポッサムがいる。クリックタット族やチヌーク族インディアンの常用食にはサケ、ハックルベリーおよびカマシア・クァマシュ(ワシントン州キャマス市の名前の由来)があった。


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