クラリネット協奏曲_(モーツァルト)
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音楽・音声外部リンク
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Mozart:Klarinettenkonzert
- イェルク・ヴィトマンのCl独奏、ヒュー・ウルフ指揮hr交響楽団による演奏。hr交響楽団公式YouTube。
Wolfgang Amadeus Mozart:Clarinet Concerto K.622 - Arngunnur ArnadottirのCl独奏、Cornelius Meister指揮アイスランド交響楽団による演奏。アイスランド交響楽団公式YouTube。

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クラリネット協奏曲イ長調K.622は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによって、1791年に作曲されたクラリネット管弦楽のための協奏曲である。2006年英国クラシックFMのモーツァルトの人気曲第1位になった。
目次

1 概要

2 独奏楽器

3 楽器編成

4 構成

5 脚注

6 外部リンク

概要 K.622 第1楽章冒頭部

モーツァルトが協奏曲のジャンルで残した最後の作品であり、クラリネットのための唯一の協奏曲。自筆譜は消失しているが、モーツァルトによる作品目録への書き込みから、1791年9月28日から11月15日の間に親しい友人でフリーメイソンの一員でもあったアントン・シュタードラーのために作曲されたことが分かっている。

シュタードラーは当時ウィーン宮廷楽団に仕えていたクラリネットとバセットホルンの名手で、この曲とクラリネット五重奏曲K.581は彼に刺激されてモーツァルトが筆を執ったのであった。なお、カール・マリア・フォン・ウェーバーヨハネス・ブラームスのクラリネット作品も、同様に特定の奏者に触発されて作曲されている[1]

この作品の第1楽章は、1787年に同じくシュタードラーのために作曲されたとされるG管バセットホルンのための協奏曲(ケッヘル第6版で621b[2]、199小節まで現存)に手直しを加えたものである。上記の9月から11月の間に全体をイ長調に移し、ファゴットを加えて1楽章の編曲を終え、2,3楽章を新たに書き加えて1つの協奏曲として完成させたものと考えられる。バセットホルンの独奏パートだけは完全に仕上がっていたK.621bの草稿と現行のクラリネット協奏曲を比べると、構成が完全に一致するなどほぼ内容は変わらず、普通のクラリネットより5度低い音域を持つバセットホルンのための楽句をクラリネットの音域内に移すために生じた違いが若干あるにすぎない。


例えばオーボエがほぼ均一な音色をもつのに対し、クラリネットは低、中、高それぞれの音域に応じて音色が変わり、表現に幅と奥行きを持たせることができる点に魅力がある。当時まだ新参の楽器であったクラリネットのこうした特性をモーツァルトはすでによく捉えており、とくに最低音近くの音域を十分に鳴り響かせ、高音域との対照効果を巧みに引き出している。この面においては、ウェーバーをはじめロマン派の作曲家たちの先鞭をつけたともいわれる[3]
独奏楽器

シュタードラーが用いていた楽器は通常のA管クラリネットではなく、さらに4つの低音(Es、D、Des、C)を追加してバセットホルンと同じ音域を実現した"Bass-klarinet"、今日ではバセットクラリネットと呼ばれている楽器であった。この楽器は、楽器製造者で演奏家でもあったテオドール・ロッツに依頼して作らせたものである。

現行の楽譜は1801年ブライトコプフ・ウント・ヘルテルにより出版された際、通常のA管クラリネットで演奏できるよう何者かによって編曲されたものである[4]。実際、現行版では主に低音域から高音域に駆け上る部分で、低音が出せるバセット・クラリネットでなければ音楽的に不自然なフレーズが出てくる。現在では当時の編曲譜などを元に数種類の復元版が作成されている。さらに、1991年に復元されたシュタードラーのバセットクラリネットを演奏に用いる試みもある。
楽器編成

クラリネット独奏。フルート2、ファゴット2、ホルン2、ヴァイオリン2部、ヴィオラ、バス(チェロコントラバス
構成

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2013年6月)

楽章毎に試聴する(この場で)第1楽章 アレグロ第2楽章 アダージョ第3楽章 ロンド(アレグロ)Bruce Edwards (Cl), Simon Schindler指揮Fulda Symphonic Orchestra


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