クラフトコーラ
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素材により様々な色・風味があるクラフト・コーラの一例シロップで販売されているクラフトコーラの一例

クラフトコーラ(英語:craft cola)とは、「職人が作るコーラ」、「手作りのコーラ」を表したもので「独立性」「伝統的」「地域性」などがキーワードとなっている、大手飲料メーカーが大量に生産するコーラと対比して使われる表現である。明確な定義はまだない。

シロップで販売しているものが多く、炭酸飲料で割って飲んだり、牛乳やお酒などいろいろな飲み方が楽しめるのも特徴である。店頭で提供される場合でも、炭酸飲料で割るだけではなく、牛乳で割ったものや、焼酎やその他のアルコールで割ったものが存在する。
クラフトコーラの成分

一般的に砂糖などの甘味料と、コーラの実などのスパイスやハーブ、オレンジやレモンなどの柑橘類を煮込んで作られている。
甘味料
使用される甘味料は製品によってそれぞれだが果糖ブドウ糖液糖などは使用されず、砂糖サトウキビ糖、甜菜糖などが使用される。甘酒を甘味料として使用したものもある[1]
スパイス、ハーブ
製品の特色を色濃く表す構成要素である。コーラの実を始め、シナモンクローブ、バニラビーンズなど多種多様なスパイス、ミントなどのハーブが10種類程度で構成されるのが一般的である[2]。種類が多ければ良いと言うわけではない。
柑橘類
主にオレンジレモンライムが使用される。地域の特産を使いキンカンみかんゆずシークヮーサーなどが使用される場合もある。柑橘類を特徴におくクラフトコーラも多い。
添加物
基本的には着色料や保存料などの添加物を使用しない、無添加のものが多い。
歴史
誕生期

2014年、ペプシコにより「キャレブズコーラ(CALEB's KOLA)」が発売された[3][4][5]

2018年春、キャレブズコーラが日本で発売され、「クラフトコーラ」という名称が初めて紹介された。同年夏、コーラナッツを始めとするスパイス類や柑橘類といった自然由来の素材をふんだんに用いた製法が特徴の「伊良コーラ」や「ともコーラ」が登場[6]した。一部のレストランやカフェではすでに自家製コーラが提供されていたが、その後シロップという形で多くのクラフトコーラが登場し流通していった。

2019年、カフェインを含ませるためコーラナッツのかわりにコスタリカ産の上質なファインカカオを使用した、カカオ生コーラ、熊本産の柑橘や黒糖を使って作られた熊本クラフトコーラが発売される。

2020年、奄美諸島の喜界島産の島みかんやきび糖などを利用したTOBATOBA、高知クラフトコーラ"sawachina"、出雲SPICE LAB. クラフトコーラ、銚子灯台コーラ、薩摩クラフトコーラなどが全国に誕生する。

クラフトコーラは自由度が高く、伊良コーラによるものを中心に、コーヒーや焼酎、カレー、ラーメンなど沢山のコラボ商品がある[7]
大手企業の参入とブームの到来

2021年、UMAMI COLAやMoto Cola、薬膳醗酵コーラ「覚醒」など地域由来のものではないクラフトコーラやUMAMI COLAの「予防医学」の観点から開発されたものなど、多種多様なクラフトコーラが誕生した。それに続き大手メーカーもクラフトコーラ開発に参入するようになる。6月半ばにカルディコーヒーファームが「ドライクラフトコーラ」を売り出したのを皮切りに、同月20日には高級スーパーの成城石井から「成城石井クラフトコーラ」、同月21日にはポッカサッポロフード&ビバレッジから「THE CRAFT COLA」[8]、さらに同月22日にはペプシコも「ペプシ〈生〉」という、クラフトコーラに寄せた商品を販売[9]。モスバーガーも、期間限定でクラフトコーラを販売した[8]。また、小杉湯でのクラフトコーラフェスト、サウナ施設でのととのふコーラなどクラフトコーラを使ったオリジナルなイベントなども登場するようになった。

2021年7月22日、京都府北部の4つの市町(京丹後市、与謝野町、伊根町、宮津市)では、飲食店主ら8人が共同で任意団体「丹後クラフトコーラ組合」を結成、「クラフトコーラの街」宣言を行い、個性豊かなクラフトコーラの商品化を推進することを表明した[10]

2022年1月にはアサヒ飲料が三ツ矢ブランドでクラフトコーラを発売、3月には缶での販売も発表した。

また、コロナ禍で健康志向の高まりや自宅で過ごす時間が増えたことで、一手間かかる料理の手作りにチャレンジする傾向が強まり、クラフトコーラのレシピ検索頻度は2020年以降も右肩上がりで伸長している[11]。同様の理由から、酒類の提供自粛が呼びかけられた結果、一時的にクラフトコーラを酒の代わりに提供する店もあり、期間限定のつもりが定番商品となったケースもある[12]

コーラ専門情報メディア「Cola-Fan」編集長を務める空水りょーすけは、「デイリー新潮」に寄せた記事の中で、このような酒類の提供規制によって清涼飲料水が発展したのは禁酒法時代のアメリカの状況と似ていると指摘している[12]

2022年4月にはクラフトコーラヴィレッジ[13]というクラフトコーラ32種類を集めたクラフトコーラ史上最大規模のイベントが行われる。


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