クライング・フリーマン
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クライング フリーマン
ジャンル
劇画
漫画
原作・原案など小池一夫
作画池上遼一
出版社小学館
掲載誌ビッグコミックスピリッツ
レーベルビッグコミックス(単行本)
道草文庫(文庫版)
小池書院漫画デラックス(デラックス版)
発表号1986年4月14日号 - 1988年5月5日号
巻数全9巻
全7巻(文庫版)
全5巻(デラックス版)
漫画:クライングフリーマンNEXT
原作・原案など小市ケン
作画柳澤一明
出版社小池書院
掲載誌ガッツポン
発表号vol.1(創刊号) - vol.5
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『クライング フリーマン』(英名:Crying Freeman)は、原作:小池一夫、作画:池上遼一による日本漫画劇画)。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて1986年4月14日号[* 1]から1988年5月5日号まで連載された[1]。巨大マフィアに属する暗殺者「クライング・フリーマン」の戦いを描く。小池書院の発表によれば、2011年ごろまでに全世界で単行本累計1000万部を記録している[2]
概要

傷追い人』に続いて連載された小池・池上による劇画。本作の主人公はマッチョな男性ではなく、人を殺す度に涙を流すナイーブな殺し屋[3]、クライング・フリーマン。チャイニーズ・マフィア「百八竜(ハンドレッド・エイト・ドラゴン)」の長となったクライング・フリーマンが組織と妻を守るため襲い来る敵を撃退していく、エロス満載のアクション活劇である。

作画の池上は原作の小池から「涙を流す陶芸家の殺し屋」というコンセプトを聞き、マッチョな男より「いい男」を描きたいと思ったという[4]。またこの当時、漫画業界全体で性的な表現が拡大していった時期であり、本作でも性的描写・性行為が多く見られ、公私無関係にすぐに全裸になり、平気でストリーキングをするという奇行的な行動が現れている。大西祥平『小池一夫伝説』によれば、本作は(日本の)漫画で堂々と陰毛・ヘアを描写した嚆矢たる作品であるという[* 2][5]

本作は本来、百八竜に拘束され殺人機械にされてしまった哀れな男の物語であったはずであるが、いつしかストーリーは主人公がただ組織と妻を守るため、襲いかかる強敵を倒していく勧善懲悪ヒーローの物語になってしまう[6]。これは、適当に名付けたはずの百八竜という青幇が香港に実在していたことによる。物語が中盤の頃、小池は百八竜にホテルの一室に呼び出された。「なかなかおもしろい」と評され、高級時計をプレゼントされるなど、その対談は友好的雰囲気のうちに終わったが、さすがにそれでは以後、百八竜を悪の組織として描くわけにはいかず、中盤以降の予定がすっかり狂ってしまったと小池は述懐している[7]。結果、以後百八竜は「悪い組織を退治する謎の組織」(大西祥平『小池一夫伝説』p.163より引用)となったが、この路線変更が本作のさらなるヒットに結びついたとも考えられる[8][* 3]

漫画の他にも、東映アニメーションによってアニメ化され、1988年から1994年にかけて6本のOVAが発売された。DVD版もリリースされた。また香港で2度、実写映画化されたほか(1990年の『紅場飛龍』、同じく1990年の『浪漫殺手自由人』)、1995年には日米合作によりクリストフ・ガンズ監督、マーク・ダカスコス主演で映画化されている。

小池書院が編集・発行している漫画雑誌『ガッツポン』に原作・小市ケン、作画・柳澤一明スピンオフ作品『クライングフリーマンNEXT』が連載されたが、雑誌の発行停止に伴い、中断している。
あらすじ

気鋭の陶芸家・火野村窯(ひのむら よう)は自らの個展会場であるフィルムを手にする。そこには残忍なチャイニーズ・マフィアである「百八竜(ハンドレッド・エイト・ドラゴン)」の殺人場面が写されていた。フィルムを回収しようとする百八竜は、引渡しを拒んだ窯を拉致し、また窯に殺し屋としての天才的な素質を見いだしたため[9][10]、窯を殺さず、強力な催眠を掛けて殺し屋に仕立て上げる[11]殺し屋としてのコードネーム「フリーマン」を与えられた窯は殺し屋としての訓練を受け、自由の象徴として刺青を入れられる。窯は殺しが終わると同時に、己の宿命に涙を流すことから、「クライング・フリーマン」とも呼ばれるようになった[9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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