Crisis on Infinite Earths
出版情報
出版社DCコミックス
掲載間隔月刊
形態リミテッド・シリーズ
『クライシス・オン・インフィニット・アース』(原題:Crisis on Infinite Earths)は、DCコミックスから刊行されたアメリカン・コミックである。ライターはマーブ・ウルフマン、ペンシラーはジョージ・ペレスが担当した。1985年4月から1986年3月にかけて全12号のマキシシリーズ[† 1]として刊行された。また、本作は同名のクロスオーバーイベントの中核であり、他のDCコミックのタイイン号[† 2]とも連動していた。日本語版は、初版から30年後の2015年にヴィレッジブックスから出版された。 『クライシス』の刊行当時、DC作品の世界は多元宇宙(DCマルチバース)という設定であり、多くの平行宇宙が重なり合った複雑な状況にあった。ライターのマーブ・ウルフマン
概要
『クライシス』の発端では、邪悪な存在アンチモニター(英語版)が出現し、DCマルチバースを構成している平行地球を次々に破壊していく。対するモニターはマルチバースのヒーローたちを組織しようとするが、その途上で命を落とす。一方でブレイニアックはヴィラン集団と共謀し、破壊を免れた地球を支配しようとする。しかし、最終的にヒーローとヴィランはスペクター(英語版)の仲介で手を結ぶ。アンチモニターはカル=L[† 3]、スーパーボーイ・プライム、アレクサンダー・ルーサー・Jrらによって打倒され、マルチバースの代わりに単一の地球が誕生するところで本作は幕を閉じる。『クライシス』では数百名ものキャラクターが死亡しており、中にはスーパーガールやバリー・アレン(二代目フラッシュ)といった著名なヒーローも含まれる。
『クライシス』は読者から好意的に受け入れられベストセラーとなった。批評家からも本作の雄大な構想と劇的な展開が高く評価された。これ以後、アメリカのコミック界で大規模クロスオーバーが一般的になったのは本作の成功によるものと見なされている。
その後、ジェフ・ジョーンズ(英語版)による『インフィニット・クライシス』(2005 - 2006年)およびグラント・モリソン(英語版)による『ファイナル・クライシス』(2008 - 2009年)が刊行された。本作と合わせて「クライシス」三部作と呼ばれている。 1984年6月にDC社のコミックブックに掲載されたディック・ジョルダーノのコラム「Meanwhile...」で、読者に対し、DCのコミックス全体を巻き込む「奇妙な事件」が起こると予告された。また、これがDCの50周年記念イベントであり、同社にとって新しいキャラクター、新しいコミック作品につながる「大きな踏み台」になるだろうと宣言した[1]。本作は「生き残る世界がある。死んでゆく世界がある。何もかもが変わる (Worlds will live, worlds will die and nothing will ever be the same)」というキャッチコピーで宣伝された[2][3]。本作は、1985年4月から翌年3月までに1年をかけて全12号が発行された[4]。
刊行の履歴
刊行