クライシス・オン・インフィニット・アース
[Wikipedia|▼Menu]

Crisis on Infinite Earths
出版情報
出版社
DCコミックス
掲載間隔月刊
形態リミテッド・シリーズ
掲載期間1985年4月 - 1986年3月
話数12
主要キャラモニター(英語版)
ハービンジャー(英語版)
パライア(英語版)
アレクサンダー・ルーサー・Jr(英語版)
スーパーマン
スーパーガール
フラッシュ
サイコパイレート(英語版)
アンチモニター(英語版)
製作者
ライターマーヴ・ウルフマン
ペンシラージョージ・ペレス
インカーディック・ジョルダーノ
ジェリー・オードウェイ
マイク・デカーロ
レタラージョン・コスタンザ
着色アンソニー・トリン
トム・ジウコ
カール・ガフォード
製作者マーヴ・ウルフマン
ジョージ・ペレス
編集者マーヴ・ウルフマン

『クライシス・オン・インフィニット・アース』(原題:Crisis on Infinite Earths)は、DCコミックスから刊行されたアメリカン・コミックである。ライターはマーブ・ウルフマン、ペンシラーはジョージ・ペレスが担当した。1985年4月から1986年3月にかけて全12号のマキシシリーズ[† 1]として刊行された。また、本作は同名のクロスオーバーイベントの中核であり、他のDCコミックのタイイン号[† 2]とも連動していた。日本語版は、初版から30年後の2015年にヴィレッジブックスから出版された。
概要

『クライシス』の刊行当時、DC作品の世界は多元宇宙(DCマルチバース)という設定であり、多くの平行宇宙が重なり合った複雑な状況にあった。ライターのマーブ・ウルフマン(英語版)は、読者にとって理解しやすい新しい単一のユニバースを作りたいと構想した。本作の刊行に先立って、ウルフマンは1982年7月に『ニュー・ティーン・タイタンズ』誌上で、本作のキーパーソンであるモニター(英語版)を先行して登場させた。のちに作画のジョージ・ペレス(英語版)も加わった。

『クライシス』の発端では、邪悪な存在アンチモニター(英語版)が出現し、DCマルチバースを構成している平行地球を次々に破壊していく。対するモニターはマルチバースのヒーローたちを組織しようとするが、その途上で命を落とす。一方でブレイニアックはヴィラン集団と共謀し、破壊を免れた地球を支配しようとする。しかし、最終的にヒーローとヴィランはスペクター(英語版)の仲介で手を結ぶ。アンチモニターはカル=L[† 3]、スーパーボーイ・プライム、アレクサンダー・ルーサー・Jrらによって打倒され、マルチバースの代わりに単一の地球が誕生するところで本作は幕を閉じる。『クライシス』では数百名ものキャラクターが死亡しており、中にはスーパーガールやバリー・アレン(二代目フラッシュ)といった著名なヒーローも含まれる。

『クライシス』は読者から好意的に受け入れられベストセラーとなった。批評家からも本作の雄大な構想と劇的な展開が高く評価された。これ以後、アメリカのコミック界で大規模クロスオーバーが一般的になったのは本作の成功によるものと見なされている。

 その後、ジェフ・ジョーンズ(英語版)による『インフィニット・クライシス』(2005 - 2006年)およびグラント・モリソン(英語版)による『ファイナル・クライシス』(2008 - 2009年)が刊行された。本作と合わせて「クライシス」三部作と呼ばれている。
刊行の履歴
刊行

 1984年6月にDC社のコミックブックに掲載されたディック・ジョルダーノのコラム「Meanwhile...」で、読者に対し、DCのコミックス全体を巻き込む「奇妙な事件」が起こると予告された。また、これがDCの50周年記念イベントであり、同社にとって新しいキャラクター、新しいコミック作品につながる「大きな踏み台」になるだろうと宣言した[1]。本作は「生き残る世界がある。死んでゆく世界がある。何もかもが変わる (Worlds will live, worlds will die and nothing will ever be the same)」というキャッチコピーで宣伝された[2][3]。本作は、1985年4月から翌年3月までに1年をかけて全12号が発行された[4]
タイイン

クロスオーバー開始の数年前から、本作の前兆が描かれていた[5]。『ニュー・ティーン・タイタンズ』で登場したモニターはその一例である[6]。ジョルダーノ、ウルフマン、レン・ウェインは1983年1月3日付けのメモで、編集者やライターに自作でモニターを2回使うように、ただし直接姿を見せないようにと指示を下した。「このシリーズはDCユニバース全体にわたるものなので、すべての編集者とライターはプロジェクトへの協力をお願いします。来年中にモニターという名のキャラクターを作品中で2回使って下さい」。これが本作の伏線となった[1][6]。『クライシス』のタイインはDCのレギュラー誌で行われ、DC社が刊行する大半のコミック誌上でクロスオーバーと直接関係する出来事が描かれた[7]。これらの表紙にはDC50周年のロゴとともに「Special Crisis Cross-Over」と書かれたバナーが印刷されていた。参加シリーズは以下の通り。



All-Star Squadron #50?56

Amethyst (vol. 2) #13

DC Comics Presents #86?88

The Fury of Firestorm #41?42

Green Lantern (vol. 2) #194?195; #198

Infinity, Inc. #18?24; Annual #1

Justice League of America #244?245; Annual #3

Legion of Super-Heroes #18



The Losers Special #1

The New Teen Titans (vol. 2) #13?15

The Omega Men #26; #31?33

Superman #414?415

Swamp Thing #46

Warlord #97

Wonder Woman #327?329

Legends of the DC Universe : Crisis on Infinite Earths #1



あらすじ

突如として地球が消滅していく。人々が為す術もなく逃げ惑う中、パライアは「自分の罪だ」と嘆き姿を消す。この現象はマルチバースの全ての地球で起きていた。「アース3」ではアレキサンダー・ルーサー反物質によって自分たちの世界が消滅していることに気付いていたが、有効な対策を見つけられず幼い子供をロケットで異なる次元へ逃がすのがやっとだった。「アース3」に現れたパライアは消滅する様子を見届け再び姿を消す。マルチバースを監視するモニターは衛星基地でこの現象の解決策を模索していた。モニターはハービンジャーに命じて分身を作り出させ、様々な時間軸や場所へ向かいヒーローやヴィランを集め巨大な機械「振動装置」の防衛を任せる。しかし、ハービンジャーの分身の一体がシャドウデーモンに憑りつかれてしまう。

バットマンジョーカーと対峙していたある夜、ボロボロになった姿のフラッシュが現れ助けを求めるが、すぐに消滅する。「アース1」と「アース2」の地球が反物質の影響で異常気象や災害が起き始めた頃、再びバットマンの前にフラッシュが現れるが、すぐに消滅する。一方、モニターの衛星基地ではパライアが現れ、目の前でモニターがハービンジャーに殺される瞬間を見届けるのだった。洗脳が解け意識を取り戻したハービンジャーと事態が呑み込めないパライアに、モニターからの録画メッセージが流れ、自身の死によって生まれるエネルギーで「振動装置」を起動させ、「アース1」と「アース2」をネザーバースに移した事が語られる。ネザーバースに同時に存在する惑星同士が干渉し合い崩壊するのを防ぐため、ハービンジャーとパライア、「アース3」を生き延びモニターが育てていたアレクサンダー・ルーサー・Jrは再びヒーローやヴィランを集める。

反物質宇宙でマルチバースを監視するアンチモニターはサイコパイレートとレッドトルネード、フラッシュを拉致していた。アンチモニターはレッドトルネードとサイコパイレートの能力を使って「アース4」「アースS」「アースX」で奔走するヒーロー達を戦わせ混乱に陥れる。ハービンジャーが能力を使い切って「アース4」「アースS」「アースX」もネザーバースに移しサイコパイレートの洗脳から切り離すが、ネザーバースに同時に存在する「アース1」「アース2」に加え「アース4」「アースS」「アースX」も干渉し合い崩壊する危機は避けられなかった。ヒーロー達はアンチモニターと戦うため反物質宇宙へ向かう決意を固める。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:175 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef