クマリン
クマリンの構造式
クマリン骨格の番号
IUPAC名
2H-クロメン-2-オン(系統名)
別称1-benzopyran-2-one
クマリン(慣用名)
識別情報
CAS登録番号91-64-5
71 °C, 344 K, 160 °F
沸点
301.71 °C, 575 K, 575 °F
水への溶解度0.17 g/100 mL
溶解度エーテル, ジエチルエーテル, クロロフォルム, 油, ピリジンに易溶
エタノールに可溶
log POW1.39
蒸気圧1.3 hPa (106 °C (223 °F))
構造
結晶構造斜方晶
危険性
安全データシート(外部リンク) ⇒Sigma-Aldrich
NFPA 704120
引火点150 °C (302 °F; 423 K)
半数致死量 LD50293 mg/kg (rat, oral)
関連する物質
関連物質Chromone
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
クマリン (coumarin) は桜の葉に代表される植物の芳香成分の一種。ラクトンの一種で、芳香族化合物である。バニラに似た芳香があり、苦く、芳香性の刺激的な味がする。桜湯や天然のオオシマザクラの塩蔵葉を用いた桜餅の香りはこれらに含まれるクマリンなどによるものである。
クマリンは、シナモンの香り成分のシンナムアルデヒドやコーヒーの香り成分であるコーヒー酸とともに天然の香り成分として知られている。 当初は中南米に育つマメ科のクマル(Dipteryx odorata、トンカともいう。クマリンの語源でもある)という樹木から得られる種子(トンカマメ)から分離されていたが、1876年にウィリアム・パーキンがサリチルアルデヒドと無水酢酸の反応(パーキン反応)[1]により合成に成功[2]。現在では香料、軽油識別剤、医薬品原料として用いられている。 常温では無色の結晶または薄片状の固体。アルコール、エーテル、クロロホルムおよび揮発油に可溶。水に微溶。可燃性。紫外線のブラックライトを照射すると、黄緑色の蛍光を発する。 土壌などに残留し、雑草を抑制するアレロパシーの性質を持つ[3]。 生きている葉の中ではクマリン酸(o-クマル酸)配糖体の形で糖分子と結びついて液胞内に隔離されているので匂いはしないが、これを含むサクラやヒヨドリバナなどの葉や花を半乾きにしたり破砕、塩蔵するなどすると、死んだ細胞の中で液胞内のクマリン酸配糖体と液胞外の酵素が接触し、加水分解によりクマリン酸が分離、さらに閉環反応が起こってクマリンが生成し、芳香を発するようになる。
分離と合成
化学的性質
存在
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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