クマイチゴ
白い5枚の花弁は離れてつく
分類
クマイチゴ(熊苺[3]、学名: Rubus crataegifolius)はバラ科キイチゴ属に分類される半つる性の落葉低木。山地の荒れ地などに生える。別名、エゾクマイチゴ[1]、エゾノクマイチゴ[1]、タチイチゴ[1]、タケシマクマイチゴ[1]。赤色に熟した果実は食用になる。 日本では、北海道、本州、四国、九州に、東アジアでは中国、朝鮮に分布する[4]。 山間部の日当たりのよい林道沿いなど[4]、森林があって、その中でやや荒れたところに生育する[3]。丈夫な茂みを形成するので、このヤブに入り込むと痛いめに遭う。 落葉広葉樹の低木で半つる性[4][5]。高さは1 - 2メートル (m) になり[4]、キイチゴ属の中では大型なほうである[5]。根は地下を横に這い、あちこちから地上に茎を伸ばす。茎は株立ちして直立するか傾斜し、木質化するが太くは育たない。樹皮は赤味を帯びた濃褐色で固く、毛がなくて枝には刺が多い[4][3]。ふつう茎や葉には垂直に出るトゲがあるが、トゲがない太い徒長枝が立ち上がってくることがある[5]。 葉は単葉で、長さ2 - 5センチメートル (cm) の葉柄があり鉤形の刺をもつ。葉身は長さ4 - 10 cmの広卵形あるいは卵円形で、浅くあるいは中程度でモミジ状に3 - 5つに裂け[4][3]、表面には伏毛があり、裏面の葉脈には刺がある。葉縁には不揃いの鋸歯がある[4]。 花期は初夏(5 - 7月)[4][3]。冬芽から伸びた新枝の先に、直径1.5 - 2 cmほどのノイバラに似た5弁の白い花が2 - 6個集まって咲く[4][3]。果実は集合果で夏(6 - 7月ごろ)に赤く熟し、食用になる[4][3]。 冬芽は卵形で紅紫色で、芽鱗3 - 5枚に包まれており、横に副芽をつけることが多く、側芽は互生する[5]。枝先の仮頂芽は側芽よりもやや小さい[5]。葉痕は三角形で、維管束痕は3個つく[5]。 赤く熟した果実を摘み取って食用とする[3]。生食、あるいはジャム、果実酒、ジュース、ゼリーに加工する[3]。
分布と生育環境
特徴
食用
脚注^ a b c d e 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ ⇒Rubus crataegifolius Bunge クマイチゴ(標準)”. ⇒BG Plants 和名?学名インデックス(YList). 2023年6月21日閲覧。
^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ ⇒Rubus takesimensis Nakai クマイチゴ(シノニム)”. ⇒BG Plants 和名?学名インデックス(YList). 2023年6月21日閲覧。
^ a b c d e f g h i 高橋秀男監修 2003, p. 170.
^ a b c d e f g h i j 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 210.
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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