クーノ・フィッシャー
人物情報
生誕 (1824-07-23) 1824年7月23日
死没 (1907-07-05) 1907年7月5日(82歳没)
ドイツ
ハイデルベルク
出身校ライプツィヒ大学
ハレ大学
学問
研究分野ドイツ観念論研究
哲学史
研究機関ハイデルベルク大学
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エルンスト・クーノ・ベルトルト・フィッシャー(ドイツ語: Ernst Kuno Berthold Fischer、1824年7月23日 - 1907年7月5日)は、ドイツの哲学者、哲学史家。19世紀前半に興ったドイツ観念論をはじめとした各種哲学研究において高名である。哲学史研究においても著名で、著書『近代哲学史』は、日本においても1950年代までは、哲学徒に広く知られていた哲学の教科書であった。 プロイセン王国・ニーダーシュレージエンの都市グーラウ(Guhrau, 現ポーランド領グラ)近郊のザンデヴァルデ
生涯
1856年、イェーナ大学に哲学教授として招聘される。当地での講義は、評判を呼んだ。1872年には、元のエドゥアルト・ツェラーの後任としてハイデルベルク大学に復帰することとなり、1903年まで同大学において講義を行った。1907年にハイデルベルクにおいて没す。 フィッシャーは、いわゆるヘーゲル学派の第二世代に属する。彼が教壇に立った頃は唯物論哲学が盛んであり、イマヌエル・カントやゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルの哲学から急速に遠のいっていた時代であった。そして、アルトゥル・ショーペンハウアーがもてはやされていった時代でもあった。しかしながら、フィッシャーは哲学を研究する際には、カントやヘーゲルの哲学成果を無視するわけにはいかないはずであり、それらの哲学の始原でもある、バールーフ・デ・スピノザやルネ・デカルトなどにも触れなくてはならないと考えた。そこで、1852年から1877年にかけて、順次『近代哲学史』全10巻11冊のシリーズ本を出版した。まずはデカルト、スピノザ、ゴットフリート・ライプニッツ、カント(全2巻)、ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ、フリードリヒ・シェリング、ついで1897年にヘーゲル(2冊)、ショーペンハウアー、フランシス・ベーコンが刊行された。このシリーズは各哲学者の生涯はもちろんのこと、各哲学者の哲学体系を詳細かつ文学的で明晰に再構成しているという評判を得て、当時の人気テキストであった。
研究内容・業績
著作
1849: Diotima. Die Idee des Schonen - philosophische Briefe. Pforzheim.
1851: De Parmenide Platonico. Stuttgart (Dissertation von 1847).
ab 1852: Geschichte der neueren Philosophie. 8 Bande. Heidelberg (div. Neuaufl. bis 1893, Jubilaumsausgabe 10 in 11 Banden, darin Bd. 3 u. 4 Kant-Monographie).甘粕石介訳『ヘーゲル傳』三笠書房、1935年坂上絢一郎