クッキングパパ
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料理ゲーム「クッキングママ」とは異なります。

クッキングパパ
ジャンル青年漫画料理漫画
漫画
作者うえやまとち
出版社講談社
掲載誌モーニング
レーベルモーニングKC
発表号1985年14号 -
巻数既刊169巻(2024年4月23日現在)
アニメ
監督角田利隆
脚本雪室俊一
星山博之(第4、8、9回のみ)
キャラクターデザイン敷島博英
音楽佐橋俊彦
アニメーション制作サンシャインコーポレーション
製作朝日放送(ABC)、エイケンASATSU
放送局朝日放送・テレビ朝日系列
放送期間1992年4月9日 - 1995年5月25日
話数全151話(全147回)
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『クッキングパパ』(COOKING PAPA)は、うえやまとちによる日本青年漫画料理漫画作品、またそれを原作としたテレビアニメおよびテレビドラマ作品。主人公であるサラリーマンの荒岩一味(かずみ)が料理を作って振る舞うストーリー[1]

モーニング』(講談社)で1985年11・12号に読み切りとして掲載され、同年14号から連載を開始した[注釈 1]2015年、その実績に対して、第39回講談社漫画賞・特別賞が贈られた[2]。2014年11月時点で関連書籍の累計発行部数は3600万部を突破している[3]
概要

福岡市を舞台に、主人公・荒岩一味をはじめ各キャラクターが家庭や職場や学校の人間関係の中で料理の腕を振るう。暖かい絆で結ばれた家族、家庭的な企業における人間の暖かさ、結婚出産や子供の成長[注釈 2]といったほのぼのとした内容や感動的な人情話が中心となり、そこに家庭人としても企業人としても慕われている料理が華を添えるという展開をとっている。うえやまは「事件なんかなくても、おいしいものを食べて少し幸せになって、おしまい。それでいいじゃない」と語っている[1]。ただし明るい話だけではなく、産後うつ不登校といった暗部を描いたエピソードも時折存在する。連載が十年を過ぎた頃は打ち切りも覚悟し、虹子が育児休業で仕事ができないことや我が子の夜泣きに悩んで、家の外から流れてきたピアノの音に救われる話(第54巻収録)は終了前に描いておきたいと思ったエピソードであるという[1]

また、料理漫画としては珍しく料理勝負を行うエピソードが原則存在しない[1][注釈 3]

基本的には一話完結型で、一話毎にその話のキーとなる料理の詳細なレシピが絵入りで紹介されている(多くの料理漫画で見られるような「ストーリー中に料理工程を組み込む」形ではなく、レシピ単独でページを割いている)。漫画に載っているレシピのページをまとめた料理本も多数存在する。作中に登場する料理は全て作者のうえやま自身が実際に作って試食し、味を確かめた上で描いている[4]。うえやまの仕事場では、漫画の製作だけでなく、うえやまが作った料理を試食・批評することもアシスタント達の仕事の一部になっている。連載の巻末には、一般人から寄せられたレシピを紹介する「読者ご自慢レシピ」コーナーもあり、こちらもメニューをまとめた本が存在する。

初期は、一味が会社内では料理をすることを隠しておく、妻・虹子が不器用でちゃらんぽらんであるなど、男性が料理・家事をすることの恥ずかしさをイメージする路線だったが、次第に男女各キャラクターとも料理に親しむようになった。長男・まことは一味の影響で、同年代の友人や(一味以外の)家族の中でも特に料理の腕前が高い。一味が会社で料理を好むことがばれることが路線転換になり、料理に親しむことの重要性を意味することが大きくなった。連載開始当初の世相では「男だけど料理が大好きな人なんだよ」と毎回説明しなければ成り立たず、それが面倒だったために「主人公が料理ができることを隠す」設定にしていた[5]。初期エピソードは会社の部下達に料理を振る舞う際に「買ってきた」「うちのやつ(妻の虹子)から」などと説明していた[1]。しかし連載が10年も続いた頃には男性が料理をすることに違和感を持たない時代に変わって来た事と、作中でも周囲の人間に徐々にばれてきたことでストーリー上で隠し通す事が不可能になった為[5]、51巻COOK.504を以って一味が料理をする事が作中で完全に公表され[1]、前述の路線転換が行われた。

30年以上にわたる長期連載作品のため、バブル景気バブル崩壊に伴う不況、受験戦争、福岡市内の再開発の影響など世相が反映される話も多い。また、携帯電話の普及にしても、会社持ち→携帯電話所有→高校生も所有→スマートフォンといった時代の流れを反映している。初期の巻末のコラム漫画でも伊勢海老フグを作者が食べるなどバブル時代の影響がある。
現実世界との関連

作品の主たる舞台は福岡市の繁華街博多である。なお物語の1コマ目には風景が描かれることが多いが、その風景が本来「博多」とは呼べない地域(那珂川より西に当たる天神百道など[注釈 4])であっても福岡市内の風景ならば「博多」で統一されている。また、妻・虹子の勤務先が「ニチフク新聞」となっていたり(1992年に休刊したフクニチ新聞がモデル)、キャラクターが福岡ソフトバンクホークスの帽子をかぶっているなど一部に福岡ローカルを意味する要素を織り交ぜている。博多以外には、長男・まことがかつて暮らしていた沖縄本島や現在暮らしている大阪市、妹夫婦である根子田一家などが暮らす東京都が舞台になる話もあるほか、各キャラクターが出張や旅行で訪れるという設定で国内外の食材・名物料理を取り上げることも少なくない。

基本的にはフィクションであり、福岡市内の地区名である「香椎(福岡市東区)」「箱崎(同)」「大名(福岡市中央区)」をそれぞれ「花椎」「函崎」「大妙」とするなど地名を意図的に変更しているものもあるが、特定の地域が実名で出ることがある。例えば福岡市の博多や大名春吉のほか、福岡県外の佐渡宮古島などは実在の地名が使われている。

また福岡周辺をはじめ、キャラクターの出張先や引越先などとして全国各地に実在する飲食店商業施設、観光施設、豊かな自然、特有の文化、祭り、行事や、九州を中心として郷土料理が紹介されることもあり、九州をはじめ各地の食についてのガイドにもなっている。料理・食材は高級な物も安い物も紹介される。特に福岡周辺の鉄道・道路、施設、飲食店などは細かく描写されており、このことが福岡に住む人から支持される由縁である。なお実在の飲食店や行事などに関連して、実在の人物が登場することもある(取材先の飲食店の店長や福岡ソフトバンクホークス監督工藤公康など)。
登場人物「クッキングパパの登場人物」を参照

なお、登場人物のうち荒岩一味、広田けいこ、森山みつぐ、政さんは前作『大字・字・ばさら駐在所』からのスターシステムによる登場である[注釈 5]
書誌情報
本編


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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