クチナシ
クチナシの花(2008年6月13日、岐阜県八木山)
左側でキアゲハが吸蜜している
分類(APG III)
標準: Gardenia jasminoides Ellis (1761)[2][3]
シノニム
Gardenia jasminoides Ellis var. grandiflora (Lour.) Nakai (1927)[4]
Gardenia jasminoides Ellis var. longisepala (Masam.) Metcalf (1933)[5]
英名
common gardenia
変種
G. j. var. grandiflora
G. j. var. jasminoides
G. j. var. ovalifolia
コクチナシ G. j. var. radicans
クチナシ(梔子[6]、学名: Gardenia jasminoides)は、アカネ科クチナシ属の常緑低木である。庭先や鉢植えでよく見られる[7]。乾燥果実は、生薬・漢方薬の原料(山梔子・梔子)となることをはじめ、着色料など様々な利用がある。 和名クチナシの語源には諸説ある。果実が熟しても裂開しないため、口がない実の意味から「口無し」という説[7][8][9]。また、上部に残る萼を口(クチ)、細かい種子のある果実を梨(ナシ)とし、クチのある梨の意味であるとする説[7]。他にはクチナワナシ(クチナワ=ヘビ、ナシ=果実のなる木)、よってヘビくらいしか食べない果実をつける木という意味からクチナシに変化したという説もある。 漢名(中国植物名)は山梔(さんし)であり[10]、日本では漢字で、ふつう「梔子」と書かれる。 八重咲きの栽培品種が多く、属名の英語読みからガーデニアともよばれる[11][12]。花にはジャスミンに似た強い芳香があり[13]、学名の種小名jasminoidesはラテン語で「ジャスミンのような」という意味である[14][12]。 東アジアの朝鮮半島、中国、台湾、インドシナ半島に広く分布し[15][14]、日本では本州の静岡県以西・四国・九州、南西諸島の森林に自生する[16]。日なたから半日陰に生える[17]。野生では山地の低木として自生するが、むしろ園芸用として栽培されることが多い[16][14]。 日本に自生する植物の中では、コーヒーノキに最も近縁であるとされる[18]。 樹高1 - 3メートル (m) ほどの常緑の低木で株立ちする[7][16][14]。 葉は対生で、時に三輪生となり、長楕円形で全縁、長さ5センチメートル (cm) から12 cm、皮質で表面に強いつやがある[16]。葉身には、並行に並ぶ筋状の葉脈が目立つ[11]。筒状の托葉をもつ。枝先の芽は尖っている[11]。古い葉は、春先や秋に鮮やかな黄色に黄葉して散るが、下のほうの葉のためあまり目立たない[19]。 花期は6 - 7月で、葉腋から短い柄を出し、一個ずつ芳香がある花を咲かせる[16]。花の直径は5 - 8 cmで[12]、開花当初は白色だが、徐々に黄色がかるように変化していく[16][12]。萼、花冠の基部が筒状で、先は大きく6裂または、5 - 7片に分かれる[7][16]。花はふつう一重咲きである。八重咲きのものがあるが、実はならない[15]。 秋(10 - 11月)ごろに、赤黄色の果実をつける[7]。果実は液果で、長さ約2 cmの長楕円形[12]、側面にはっきりした5 -7本の稜が突き出ており、先端には6個の萼片が残り、開裂せず針状についている[16][20]。多肉の果皮の中に90 - 100個ほどの種子が入っており、形は卵形や広楕円形をしている[20]。
名称
分布・生育地
形態・生態
Size:61 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef