クスマウル呼吸(英語: Kussmaul breathing)とは、異常に深大な呼吸が連続し、規則正しく続く状態である。運動時にも同様の呼吸がみられることがある。糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全に伴う尿毒症、昏睡時などに認められる。 ドイツの内科医アドルフ・クスマウルが、糖尿病性ケトアシドーシスの患者に特有な呼吸の存在を発見し、命名した。 代謝性アシドーシスを肺での外呼吸によって緊急的に補正しようとするために発生する。つまり、深大な呼吸を繰り返すことによって、呼吸性アルカローシスを引き起こすことでアシドーシスの補正を行っているのである。肺でのガス交換を盛んに行うことによって、血液中からは二酸化炭素が呼気中へと多く捨てられる。二酸化炭素の水溶液は炭酸であり、これが捨てられることによって、血液のpHを上げようとしているのである。なお、腎臓においても水溶性の酸を尿中に捨てることによってアシドーシスの補正は行われるものの、肺からの二酸化炭素の排泄による補正よりも、腎臓での水溶性の酸の排泄による補正は、一般に時間がかかる。ただし、腎臓での補正が行われない場合は、血液中に存在する二酸化炭素の量には限りがあるために、いずれ破綻する。参考までに、腎不全になるとしばしば代謝性アシドーシスが発生するものの、腎不全の場合は腎臓での補正は期待できない。
目次
1 歴史
2 病態
3 関連項目
4 参考文献
歴史
病態
関連項目
ビオー呼吸
チェーンストークス呼吸
過換気症候群
参考文献
獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
⇒クスマウル大呼吸(日本救急医学会)
表
話
編
歴
呼吸器疾患(ICD-10 J00?99)
疾患
慢性閉塞性肺疾患気管支喘息 | 慢性気管支炎 | 肺気腫 | びまん性汎細気管支炎
拘束性肺疾患
特発性IPF | NSIP | COP | AIP | DIP | RB-ILD | LIP
続発性塵肺 | 放射線肺炎 | 薬剤性肺炎
無気肺 | 気胸 | 血胸
形態異常気管支拡張症 | 肺分画症 | 肺嚢胞症
腫瘍
良性腫瘍肺過誤腫 | 硬化性肺胞上皮腫
悪性腫瘍低悪性度肺腫瘍 | 原発性肺癌 | 転移性肺癌 | 中皮腫
アレルギー
気管支喘息アスピリン喘息
好酸球性肺炎Loffler症候群 | 急性好酸球性肺炎 | 慢性酸球性肺炎 | 好酸球増加症候群
過敏性肺臓炎 | サルコイドーシス | グッドパスチャー症候群
肺循環障害肺血栓塞栓症 | 肺性心 | 新生児呼吸窮迫症候群 | 急性呼吸窮迫症候群
肺代謝異常肺胞蛋白症 | 肺胞微石症
機能的障害過換気症候群 | 睡眠時無呼吸症候群
感染性疾患