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クスノキ(樟、楠[2]、学名: Cinnamomum camphora)とは、クスノキ科ニッケイ属の常緑高木である。別名クス。暖地に生え、古くから各地の神社などにも植えられて巨木になる個体が多い。材から樟脳が採れる香木として知られ、飛鳥時代には仏像の材に使われた。
暖地で栽培される変種としてホウショウがある。食用となるアボカドや、葉が線香の原料となるタブノキ、樹皮が香辛料などに利用されるセイロンニッケイ(シナモン)は近縁の種である。 和名クスノキの由来は諸説あり、はっきりしないが、香り高く、寿命が長い「奇(くす)しい木」という意味で名付けられたという説や、南方語由来とする説などがある[3]。一般的にクスノキに使われる「楠」という字は本来は中国のタブノキを指す字である。 クスノキの枝葉を蒸留して得られる無色透明の固体で、防虫剤や医薬品等に使用されるカンフルから、英語でカンファー・ツリー(camphor tree) やカンファーウッド(camphorwood)、カンファー・ローレル(camphor laurel)と呼ばれる。各部に樟脳の香りがあり、ちぎったり傷つけたりすると強く香る。学名では、属名がシナモン(肉桂)を意味する Cinnamomum 、種小名は樟脳を意味する camphora になっている[4]。中国名は、樟(しょう)[5]または樟樹という[1]。 春の若葉のころに、全体的に赤っぽく見えるクスのことを特にアカグスと呼び、青っぽく見える方をアオグスと呼ぶ場合がある[4]。 クスノキの花言葉を、「芳香」[6]とする文献がある。 世界的には、台湾、中国、朝鮮の済州島、ベトナムといった暖地に分布し[7][6]、それらの地域から日本に進出した(史前帰化植物)。 日本では、主に関東地方南部以西から本州の太平洋側、四国、九州・沖縄に広く見られるが[3][4]、特に九州に多く、生息域は内陸部にまで広がっている。生息割合は、東海・東南海地方、四国、九州の順に8%、12%、80%である。暖地の常緑樹林に生えるが自生かどうかは不明で[8]、人の手の入らない森林では見かけることが少なく、人里
名称
分布・生育地蒲生のクス、幹周24m
国指定の特別天然記念物で日本で最も太い木
古くから寺や神社の境内にもよく植えられており[10]、特に神社林ではしばしば大木が見られ、ご神木として人々の信仰の対象とされるものもある。日本最大のクスノキは、鹿児島県蒲生八幡神社の「蒲生の大楠」(幹周24.2 m)で、確認されている中で、幹周の上では全樹種を通じて日本最大の巨木である[11][9]。また、徳島県三好郡東みよし町には、1956年7月19日、文化財保護法により特別天然記念物に指定された大クスがあり、これは樹齢数千余年と推定され、根回り19メートル (m) 、目通りの周囲約13 m、枝張りは東西経45 m、南北経40 m、高さ約25 mである[12]。
他に、特にクスノキが多い神社として、福岡県宇美八幡宮(国指定2本/県指定25本、幹周5 - 9.9 m 9本、10 - 14.9 m 1本、15 m以上 2本)、愛媛県大山祇神社(国指定38本/県指定1本、幹周5 - 9.9 m 10本超、10 - 14.9 m 2本、15 m以上 1本)が挙げられる。
台湾には、神木樟樹公(中国語版)(和社神木とも)という世界最大級のクスノキがあり、幹周16.2 m、樹高44 mを測る。この樹は太い主幹が20 m以上も立ち上がる他にあまりない樹形をしている。 常緑広葉樹[13]。大高木で高さは8 - 25メートル (m) ほどになり[14]、幹回りが3 m以上になる巨木が多い[6]。生長スピードは速く[15]、暖地で特によく生育し[4]、大きなものは高さ30 m以上、目通りの幹周囲22 m以上、樹齢約800年という巨樹になる個体もある[3]。
形態・生態