クサガメ
クサガメ(オス成体) Mauremys reevesii
保全状況評価[1][2]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約附属書III
(中華人民共和国)
分類
クサガメ(草亀[3]・臭亀[3][4]、Mauremys reevesii)は、爬虫綱カメ目イシガメ科イシガメ属に分類されるカメ。別名リーブスクサガメ、キンセンガメ、ゼニガメ(幼体)。 大韓民国、中国本土(東部から南東部にかけて、香港)[5][6][7][4]。日本(北海道南西部、本州、四国、九州、佐渡島、淡路島、壱岐、隠岐、対馬、五島列島、奄美大島、沖縄島、久米島、諏訪之瀬島など)、台湾に移入[4][8]。 模式標本の産地(模式産地)は中華人民共和国[4]。 最大甲長30センチメートル[7][4]。オスよりもメスの方が大型になり、オスは最大甲長19.9センチメートル(正確な計測値がないが日本で甲長21センチメートルの発見例もあり)[4]。日本の個体群は大型になるとされ[5]、中華人民共和国の個体群はメスの最大甲長23.6センチメートル、オスの最大甲長14.6センチメートル[4]。背甲はやや扁平で、上から見るとやや細長く角張った楕円形や俵型[4]。椎甲板と肋甲板に3つずつ筋状の隆起(キール)があり[5]、特に椎甲板のキールは顕著[4]。背甲の色彩は主に褐色、灰褐色、暗褐色、黒[4]。左右の喉甲板の間と左右の肛甲板の間に切れこみが入らない[4]。背甲と腹甲の継ぎ目(橋)や腹甲の色彩は暗褐色や黒で、シーム周辺は薄灰褐色や黄褐色、薄黄緑色[4]。第十二縁甲板は分かれる。 頭部はやや大型か非常に大型で、大型個体(特にメス)では頭部が巨大化(巨頭化)する個体もいる[5][4]。吻端はやや突出し、上顎の先端は鉤状に尖ったり凹むことはない[7]。咬合面は幅広いが、稜や突起はない[4]。後頭部は細かい鱗で被われる[4]。頭部の色彩は暗褐色や濃灰褐色、褐色、黒で、黄色や薄黄緑色の不規則な斑紋や斑点が入る[5][4]。 若齢個体は背甲のシームが黄色い個体が多く[4]、別名キンセンガメの由来になっている[5]。クサガメの若齢個体(亜成体)の甲羅。3つずつ筋状の隆起(キール)が見られ、背甲のシームが黄色い。 オスの成体は虹彩も含めた全身が黒化(メラニスティック)し[6]、斑紋が消失する[5][4]。メスも成長に伴い体色が暗くなるが、斑紋が消失することはまれ[4]。 種小名 reevesii は模式標本となった個体を入手したジョン・リーヴス 旧和名はヤマガメだったが、1934年に中村健児が発表した論文から和名としてクサガメが用いられるようになった[4]。この論文内で本種が特徴的な悪臭を発するとしていること、本種の中国語名に臭青亀があること、草亀は本種だけでなく主にハナガメを指す中国語名であることから、本種の漢字標記は臭亀とする説もある[4]。 カントンクサガメとクサガメ属を構成していたが、核DNAおよびミトコンドリアDNA、短鎖散在反復配列(SINE法)による分子系統学的解析からニホンイシガメやハナガメ属と単系統群を形成すると推定されハナガメ属に含める説もあった[9]。 巨頭化する個体をオオアタマクサガメM. megalochephalaとする説もあった[5][4]。一方でミトコンドリアDNAの分子系統学的解析では通常の個体と巨頭化した個体に遺伝的差異は無く、単なる個体変異か多型とされる本種のシノニムである[5][4]。
分布
形態
分類