クエーカー教徒
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、キリスト友会について説明しています。シリアルを製造する企業については「クエーカーオーツカンパニー」をご覧ください。

キリスト友会
(フレンド派)19世紀以降から使用されているクエーカーのシンボル
分類プロテスタント
体系会議次第
体制会衆制
協力Friends World Committee for Consultation
創設者ジョージ・フォックス
創設日17世紀中期
創設地イングランド
独立イングランド国教会
テンプレートを表示

クエーカー(: Quaker)は、キリスト教プロテスタントの一派であるキリスト友会(キリストゆうかい、Religious Society of Friends, フレンド派とも)に対する一般的な呼称である[1]。友会は、17世紀イングランドで設立された宗教団体である。

清教徒革命イングランド内戦)の中で発生した宗派で、教会の制度化・儀式化に反対し、霊的体験を重んじる[1]。この派の人びとが神秘体験にあって身を震わせる(quake)ことからクエーカー(震える人)と俗称されるようになった[1]。会員自身はこの言葉を使わずに友会徒(Friends)と自称している。クエーカーという名称は、創始者ジョージ・フォックスに対して判事が使った言葉に由来する。
概要フレンド派の歴史上重要な場所「Pendle Hill」

キリスト友会(-ゆうかい)は一般にクエーカーまたは友会徒として知られ、17世紀にイングランドで作られた宗教団体である。クエーカーは歴史的平和教会のひとつとされ、世界各地に集会がある。イングランドで始まり、クエーカーの教義は、主にアメリカ合衆国ケニアボリビアといった国々に広まっていった。クエーカー教徒が集中しているアメリカ合衆国東部ペンシルベニア州フィラデルフィアのようなところがあるが、相対的に信者の数は少ない(全世界で約60万人、内訳は北米約12万人、英国約4万人)。

友会には全信者に向けた経典や正式な教義箇条のようなものはないが、信者間にある一定範囲の教義的な合意はみられる。最も中心にある考えは、内なる光である。この内なる光はそれぞれの信者に力を導き、数通りの方法で理解されているものであるが、教団内の様々な分派に受け入れられている。

内なる光の信仰は、証言(Witness「信仰的証し」の意)と呼ぶ幾つかの主要概念の発展につながっている。証言には平和、男女・民族の平等、質素な生活、個人が誠実であり続けることなどがある。詳細は下記に述べる通りである。
名称ジョージ・フォックス、クエーカーの創立者で初期の指導者の一人

初期のクエーカーにつけられた様々な呼称は今でも言及されることがある。例として以下があげられる。

求道者(Seekers)

聖者(Saints)

光の子(Children of the light)

真理の友(Friends of the Truth)

クエーカー(Quakers)

キリスト友会(Religious Society of Friends)

友会(Society of Friends)

初期のクエーカーは自らを背教の時代の後の真のキリスト教会を回復するものと考えていた。そのため、この時期自らを単に聖者または光の子と呼んでいた。もう一つの公の名称は、真理の友であり、真の状態を示す「内なる光」として初期のクエーカーの教義の中心点を反映していた。

「クエーカー」という名称は、ジョージ・フォックス師がダービーのベネット判事に神名冒涜罪で裁かれた1650年に初めて使われた。フォックスの手記に依ると、ベネットは「私たちが神の言葉でわが身を震わせた故にクエーカーと呼んだ」。(ここでフォックスは「神の言葉」でキリストを表そうとしている。)確かに初期の友会は、会合で体を震わせ振動させ、聖書に現れる現象である「振動」を守ることに多くの論説を割いている。会員には(フォックスを含めて)この呼び名を嫌がる人がいるが、それにもかかわらず、定着し始めた。「光の子供たち」として知られるようになる1654年レスターシャーの会合の後に明らかに試みられたが、定着しなかった。

キリスト友会(Religious Society of Friends)はだいぶ後の18世紀に使われるようになる。今日、この名は正式名称として残っているが、因みに「クエーカー」は明確にするためによく付け加えられている。会員にはreligiousという言葉に反対してフレンド会(Society of Friends)を名乗る人もいる。年会のような最大のクエーカー組織では「キリスト友会」を使うものの、この理由から月会ではreligiousを使わないところも多い。
歴史詳細は「en:History of Quakers」および「クエーカーの歴史」を参照ウィリアム・ペン、ペンシルベニア州の創設者

クエーカーの活動は、1650年代初めに清教徒革命を経て成立したイングランド共和国で始まった。ジョージ・フォックスが創始者で、少なくとも初期に最も重要な役割を果たしたと考えられる。

1647年にフォックスが布教を開始、信者を増やしたクエーカーは共和国から異端扱いされ、しばしば弾圧された。内なる光の考えが涜神だとして逮捕されたり、ピューリタンの礼拝を妨害したりなど、信者が共和国に逮捕・投獄される例が頻繁に起こった。背景には護国卿オリバー・クロムウェルが考える宗教政策とクエーカーが相容れないという事情があった。独立派長老派バプテストを中心とした国家教会制度の実現を目指し、プロテスタント諸宗派の緩やかな統合を進めながら、クエーカーなど他の宗派は良心の自由を重視しつつ政府に反抗しない限り存続を認めるという、クロムウェルの制限された自由をクエーカーが認めないため両者の確執は収まらなかった。クロムウェルの自由のための抵抗を容認する姿勢とクエーカーの平和主義が合わないことも対立の1つになっていた[2][3][4]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:75 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef