クイーン・ヴィクトリア_(客船)
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クイーン・ヴィクトリア
Queen Victoria
メルボルンのステーション埠頭(en)に停泊
基本情報
クラスビスタクラス、2002
船籍イギリス
所有者カーニバル・コーポレーション[1]
運用者キュナード・ライン
建造所フィンカンティエリ、マーゲラ造船所(イタリアベネツィア
母港

 イギリス サウサンプトン (2007年?2011年)

 バミューダ諸島 ハミルトン (2011年?2021年時点)

姉妹船クイーン・エリザベス
クイーンメリー2
建造費270 百万ポンド (概算[2])
信号符字コールサイン ZCEF3
IMO番号9320556
MMSI番号310624000
経歴
発注2004年12月3日
進水2006年5月12日
竣工2007年1月15日
就航2007年12月10日
処女航海2007年12月11日
現況運行中
要目
総トン数90,049 GT
排水量約7万6千 t
全長964.5 ft (294 m)
全幅

106 ft (32.3 m) 喫水線

120 ft (36.6 m) 最大 (ブリッジウイング)

高さ205 ft (62.5 m) 船底から煙突まで
喫水26.2 ft (8.0 m)
デッキ数全16階、客室12階
機関方式

スルザー製ZA40型ディーゼル

合計63,400 kW (85,000 hp) (63.4 MW)

推進器16.7 MW ABB(英語版)製アジポッド推進器×2基
速力

最大約23.7ノット (43.9 km/h; 27.3 mph)

巡航時18ノット (33 km/h; 21 mph)[2]

旅客定員2081名
乗組員900名
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クイーン・ヴィクトリア (英語: MS Queen Victoria, QV) は、2007年12月時点でキュナード・ライン最新のクルーズ客船である。船籍はイギリスバミューダ諸島)。
概要

船名はイギリスの最も繁栄した時代の女王であるヴィクトリア女王にちなんで命名された。イタリアフィンカンティエリによって建造され、基本設計はクイーン・エリザベス号など他のビスタクラスの客船と共通。全長90,049GTとキュナード社の運行する客船で最も小柄である。改装前の客室は全部で1007室あり、そのうちの864室が海側に面していた。7つのレストランと13の居酒屋(バー)を構えプールは3基、大宴会場 (en) と映画館を1箇所ずつ備える[3]。また、船内に運動不足解消の為のアスレチックジムもある。新興国の富裕層の取り込みを狙っている[3]

イギリスは伝統的に女王の時代に繁栄するといわれており、本船もそれに肖って(あやかって)命名された。姉妹船のうちクイーン・エリザベス2クイーン・メリー2はいずれもオーシャン・ライナー(航路客船)として建造されたが、クイーン・ヴィクトリアはクルーズ客船として建造された[4]。なお、「ヴィクトリア」という名称は、初代クイーン・メリーが当初予定していた船名であり、70年の時を経てようやく日の目を見た。
名前の由来と特徴

キュナード社が送り出した歴代の航路客船と対比すると、本船クイーン・ヴィクトリアは船体(英語)を重厚な鋼板で包んでいない。大西洋航路(英語)の高波対策として、船首部(英語)は全体より厚みのある鉄板を用いてあり、乾舷(英語)も高く確保した。かつて僚船QM2の建造にバース単位でおよそ30万アメリカドルと、同時代の客船の平均経費の2倍を費やしたキュナード社だが、投資額を考慮して本船はヴィスタ・クラスに格付けし、QE2のデザインを取り入れてマイナーな改変を施した。それでも2009年に本船の船長(英語)を務めたイアン・マクノートによると、伝統的な装飾を継承した航路客船らしさが魅力だという[5]

本船の公試運転は2007年8月下旬に地中海で始まり母港サザンプトンに回航されると、同年12月7日に命名式が行なわれた。キュナードの伝統に則り英王室の女性王族が客船に命名するため、ゴッド・マザー(名付け親)はコーンウォール公爵夫人(のちの王妃)カミラが務めた。ところがシャンパンボトルが割れないというハプニングが起こり[6]、ただちに投じた2本目のボトルは砕けて命名式は成功した[7]とはいえ、船乗りの世界ではあまり縁起が良くないとされる出来事であった[6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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