クイーン・ヴィクトリア
Queen Victoria
メルボルンのステーション埠頭(en
スルザー製ZA40型ディーゼル
合計63,400 kW (85,000 hp) (63.4 MW)
推進器16.7 MW ABB(英語版)製アジポッド推進器×2基
速力
最大約23.7ノット (43.9 km/h; 27.3 mph)
巡航時18ノット (33 km/h; 21 mph)[2]
旅客定員2081名
乗組員900名
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クイーン・ヴィクトリア (英語: MS Queen Victoria, QV) は、2007年12月時点でキュナード・ライン最新のクルーズ客船である。船籍はイギリス(バミューダ諸島)。 船名はイギリスの最も繁栄した時代の女王であるヴィクトリア女王にちなんで命名された。イタリアのフィンカンティエリによって建造され、基本設計はクイーン・エリザベス号など他のビスタクラスの客船と共通。全長90,049GTとキュナード社の運行する客船で最も小柄である。改装前の客室は全部で1007室あり、そのうちの864室が海側に面していた。7つのレストランと13の居酒屋(バー)を構えプールは3基、大宴会場 (en
概要
イギリスは伝統的に女王の時代に繁栄するといわれており、本船もそれに肖って(あやかって)命名された。姉妹船のうちクイーン・エリザベス2とクイーン・メリー2はいずれもオーシャン・ライナー(航路客船)として建造されたが、クイーン・ヴィクトリアはクルーズ客船として建造された[4]。なお、「ヴィクトリア」という名称は、初代クイーン・メリーが当初予定していた船名であり、70年の時を経てようやく日の目を見た。 キュナード社が送り出した歴代の航路客船と対比すると、本船クイーン・ヴィクトリアは船体(英語)
名前の由来と特徴
本船の公試運転は2007年8月下旬に地中海で始まり母港サザンプトンに回航されると、同年12月7日に命名式が行なわれた。キュナードの伝統に則り英王室の女性王族が客船に命名するため、ゴッド・マザー(名付け親)はコーンウォール公爵夫人(のちの王妃)カミラが務めた。ところがシャンパンボトルが割れないというハプニングが起こり[6]、ただちに投じた2本目のボトルは砕けて命名式は成功した[7]とはいえ、船乗りの世界ではあまり縁起が良くないとされる出来事であった[6]。2007年12月11日、北欧に向けて初のクルーズに出航した。
就役までの経緯クイーン・ヴィクトリアのエントランス
1998年にキュナード・ラインを買収した米カーニバル・コーポレーションは老朽化が目立ってきたクイーン・エリザベス2の代船を計画した。当初はカーニバル傘下のホランド・アメリカ・ライン向けに建造されたザイデルダム級[注釈 1]の改良型・通算5番船をキュナード船「クイーン・ヴィクトリア」として建造する計画で[8] 、2003年にイタリアのフィンカンティエリ社で建造が始まった。
先行して2004年に商業運航を開始したクイーン・メリー2が大成功を収めたため、カーニバル社ではクイーン・ヴィクトリアも乗客のクラス設定を定期航路と同等にするなど従来の性格を引き継がせて、客室や公室レイアウトなどさらに高級化を図る事が好ましいと判断した。その実現には既に起工された船体の手直しでは不十分であることから、船台に載せてあった船体はアーケイディア(Arcadia)として竣工させ同社傘下のP&Oクルーズ(英語版)で運行すると[9]、「クイーン・ヴィクトリア」となる船体は2004年秋、改めてフィンカンティエリ社で建造にかかる。外見はザイデルダム級やアーケイディアに似ているが、船体は全長を11 m伸ばしパナマ運河通航上限となり総トン数も約5千 t増大、乗客定員も 2千名に増やした[10] 上、クイーンメリー2 で人気を博した設備・設定を盛り込むことが決まった。
2006年5月12日の起工式に続き、内装の基盤や配線配管まで組み込んだ重さ 325 t の鋼鉄製の〈ブロック〉80個を造船所に運び込み、船台に組み付けていった。翌2007年1月15日、本船を船台から海に降ろすについて〈キュナードの4女王〉すべての建造に携わった同社社員モーリン・ライアン Maureen Ryan は船体をシャンペンで潤した[11]。式典では伝統に従ってマスト(英語)に硬貨を置く儀式 ? この時はユーロ硬貨とビクトリア金貨(英語)を1点ずつレーダーマストの根元に半田付けしている[12]。
建造地のベネツィア港を離れ、2007年8月24日に本船の公試運転(en)開始[13]、船主への引き渡しを経て同年12月7日にイギリスの母港サウサンプトンに到る。