クイーン・メリー2
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クイーン・メリー2
サウサンプトンにて
基本情報
船籍 イギリス
所有者カーニバル・コーポレーション
運用者キュナード・ライン
建造所アトランティーク造船所
信号符字ZCEF6
IMO番号9241061
MMSI番号310627000
経歴
発注2000年11月6日
起工2002年7月4日
進水2003年3月21日
竣工2003年12月22日
処女航海2004年1月12日
要目
総トン数148,528トン
排水量約76,000トン
長さ345 m
幅41 m (水線)
45 m (ブリッジ)
高さ72 m
喫水10 m
主機関LM2500ガスタービンエンジン×2基バルチラ16V 46C-CRディーゼルエンジン×4基
合計117 MW (157,000 hp)
推進器統合電気推進方式
電動機(各21.5 MW (28,800 hp))×4基
(固定 2基+水平可動 2基)
最大速力29.62ノット (公試運転時)
航海速力26.5ノット
旅客定員2,620名
乗組員1,253名
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クイーン・メリー2(クイーン・メリー ツー、RMS Queen Mary 2、QM2))は、イギリス船籍のクルーズ客船。総トン数148,528トン、全長345mという船体は2003年の建造当時、客船としては史上最大を誇った。カジノやスポーツセンターを始めとして、プラネタリウムまで備える様子はしばしば「洋上の宮殿」と形容される。客室は全部で1,310室あり、そのうちの1,017室が海側に面している。
概要

クイーン・メリー2はキュナード社の現時点でのフラッグシップであり、定期的に渡洋航海を行っている。1969年から2004年までキュナード社のフラッグシップを務めたクイーン・エリザベス2の後継として建造され、それまでクイーン・エリザベス2が担っていた大西洋航路を引き継いだ。ちなみに、1936年から1967年まで同航路を航海していたのが、クイーン・メリー2が名前を受け継いだ初代クイーン・メリーである。

クイーン・メリー2の艦船接頭辞RMSは元々Royal Mail Steamer(英国郵便汽船)の略であったが、先代クイーン・メリーとは異なり、ディーゼルエンジンガスタービンエンジンによる統合電気推進を採用した2号ではRoyal Mail Shipの略称とされる。

船名の略称としては「QM2」が用いられ、2はtwoと発音される。日本語では「クイーン・メリー2世」との表記も広まっているが、「Queen Mary The Second」でないことを考慮すれば、「クイーン・メリー2」とするのが適切である。
船歴
コンセプトと建造タイタニックエアバスA380等との比較

「従来のいかなる船より大きな船を」、21世紀の豪華客船建造計画は、1998年にキュナード社を買収したカーニバル社のCEOミッキー・アリソンのそんな考えが発端だった。アリソンはこう述べている。「この船を造るためにキュナード社を買収したんだ。逆じゃない」。1998年6月、キュナード社は従来から進めていた総トン数8万4,000トンの2,000人乗り新型客船の設計を完了したが、できあがった案はカーニバル社のデスティニー級客船(総トン数10万トン)や、ロイヤル・カリビアン社のボイジャー・オブ・ザ・シーズ(同13万7千トン)と比較して小さく、この計画は破棄された。

6ヶ月後の1998年12月10日、キュナード社はクイーン・エリザベス2の後継建造という「クイーン・メリー計画」の詳細を公表。入札にはタイタニックなどで知られる北アイルランドハーランド・アンド・ウルフ社ノルウェーのアーカー・クヴァナ社、イタリアフィンカンティエリ社、フランスアトランティーク造船所が参加した。建造が順調に進んでいれば2002年までに就役できるはずであったが、受注業者がアトランティーク造船所に決まったのは2000年11月6日のことであった。このアトランティーク造船所はキュナード社のかつてのライバル、ジェネラル・トランスアトランティック社のノルマンディーフランスを建造した造船所である。

建造は2002年7月4日にフランスのサン=ナゼールで始まった。約3,000人の熟練工が延べ800万時間を作業に費やし、設計から艤装までを合わせ、約2万人が何らかの形で携わった。造船所では、あまりに巨大なクイーン・メリー2の作業を「1.6隻体制」で行った[1]。巨大な船体、絢爛な内装、外航船として要求される堅牢性。こうした要因により鋼鉄の使用量は一般的な客船と比して40%ほど多い。

クイーン・メリー2は2003年3月21日に進水し、9月25日から29日11月7日から11日の二度にわたり公試が行われた[2] 。その4日後の11月15日、最終段階にあった建造は思いもよらぬ事故により水をかけられる。作業員と招待されたその家族約30人が作業用通路を歩いていた際、通路が突如崩壊し15m下に落下したためである。この事故で計22名が負傷し、子供を含め16人が死亡した。このような不幸な事故が起きたものの、建造自体は予定通り完了した。2004年1月8日にイギリス女王エリザベス2世により「クイーン・メリー2」と命名された。
就航後右舷後方から

2004年1月12日テロリストに対する厳戒態勢の下、2,620名の乗客を乗せたクイーン・メリー2はイギリスのサウサンプトンを出港し、アメリカ合衆国フロリダを目的地とする処女航海を行った。

7月4日、アメリカ独立記念日に際しニューポートに寄港した。8月13日から始まったアテネオリンピック開催中にはアテネのピレアスに2週間停泊し、水上ホテルとしてイギリス首相トニー・ブレア夫妻やフランス大統領ジャック・シラク、元アメリカ大統領ジョージ・ブッシュを迎えた。[3]

2006年1月、クイーン・メリー2は南アメリカ一周航海を開始したが、フォートローダーデール出港に際し防潮壁にスクリューが衝突し損傷した。これにより速力は低下し、目的地ブラジルリオデジャネイロに向かうまでの寄港地の一部は通過を余儀なくされた。乗船を待ちこがれていた客の中には、座り込み抗議を行う構えを見せていた者もいたが、キュナード社が払い戻しを申し出たことにより事態は収束へ向かった。船は本来の速度を発揮できぬまま航海を続け、旅程の一部は変更となった。損傷が完全に復旧したのは、6月にヨーロッパに帰港し、乾ドックでのスクリュー解体修理が終了した11月のことだった。並行して、スター・プリンセス火災事件後に発効した新規制を遵守するため、船内の全てのバルコニーにスプリンクラー設備が設置された。


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