クィア・アズ・フォーク
米国版のタイトルロゴ
ジャンルテレビドラマ
原作ラッセル・T・デイヴィス
脚本ロン・コーウェン
『クィア・アズ・フォーク』(Queer as Folk)は、もともと英国で制作された、同性愛者を主人公とするテレビドラマ(海外ドラマ)である。1999年に英国内で放送された。その後、米国で米国版としてリメイクされ、米国およびカナダにて2000年から2005年まで放送された。後者は高い視聴率を獲得し、特にカナダにおいては大きな成功を収めた。
タイトルの「Queer as Folk」は、ウェールズ地方のことわざ“There's nothing as queer as folk”(「普通の人ほど変わり者はいない」が転じて「人間はみな変わり者」という意)に因んでいる。クィア(queer)は英語圏では同性愛者を指す用語(ゲイにとっては「ゲイ」を表す表現の一つ)なので、「家族のようなゲイ」という意味もかけたダブル・ミーニングになっている。
本項では、知名度の高い米国版の内容を中心に記述する。 第1期から第5期までの全5期で構成されており、同性愛をテーマにした作品では異例の大ヒットを記録した、同性愛ドラマの先駆けともいえる存在。2005年に放送終了した。 原作である英国版
概要
友情、恋愛、セックス、結婚、離婚、家庭、家族、仕事、出産、育児、教育、健康、老化など、ごく身近で普遍的なテーマはもとより、差別、児童虐待、売春、暴力、犯罪、テロリズム、ドラッグ、政治、社会貢献、ヒト免疫不全ウイルス/後天性免疫不全症候群、宗教、アイデンティティの確立など、よりグローバルかつ社会的なテーマをも同性愛者の若者たちを主人公に等身大で表現しており、コメディ俳優や実際にカミングアウトしているゲイの俳優を起用するなど、同性愛者や同性愛支持者などから強い支持を得たことが大ヒットにつながった。
ゲイスポットのバーやクラブを舞台に盛り込み、ゲイの "Trick" (ナンパ)など他の作品にはあまり見られない「ゲイの性生活」を積極的に表現。過激な性描写も特徴的。
撮影は主にカナダのトロントで行われた。これはトロントがゲイフレンドリーな土地柄という背景もあるが、組合の権力が大きく撮影陣の人件費が高額な米国内での撮影を避けた、という経済的な事情も大きい。ただしこの番組の製作費は開始当初で一話当たり100万ドルに設定されており、低予算という規模ではない。
出演者だけでなく、スタッフにも同性愛者が多く参加している。同性愛者はショウビズ界にも少なからず存在するが、その多くは自らのセクシュアリティをもって社会にメッセージを投げかけるような制作活動は困難な状況であった。この番組では彼らに機会を与えるという目的もあり、米国のみならずカナダ、オーストラリア、英国、ニュージーランドなど英語圏の各国から同性愛者の映像スタッフが集められた。「ゲイによるゲイのための連続ドラマ」という特異なコンセプトであるため、配役には相当な時間と労力を要した。とくに主人公ブライアン役は最後まで適任者が見つからず難航した。逆にジャスティン役は早期の段階で決定しており、オーディションに現われたランディ・ハリソンと初めて対面した製作者陣は「小学生にみえた」と述懐している(実際には当時22歳)。 ドラマ内で使われる音楽もゲイ受けを狙った曲を選出しており、サウンドトラックも発売されている。ドラマで使われている背景音楽には、ビョークらが使用されている。第5期の第1話では宇多田ヒカル(Utada名義)の『EXODUS』に収録された「Devil Inside」が使用された。第5期の第10話ではシンディ・ローパーが本人役で特別出演し、劇中で持ち歌の「シャイン 放送日から数えて14年後の2014年2月、全米最大規模の映像配信事業社であるネットフリックスが『クィア・アズ・フォーク』を配信し[2]、新しい視聴者を開拓した[3]。今までこの番組を見聞きしたことのなかった20代前半の世代は、『クィア・アズ・フォーク』の先進的な描写に驚愕するとともに本作を支持し、好意的な反応を示している[3][4]。 ショウタイムは、2014年6月のプライド月間を記念し、『クィア・アズ・フォーク』と『Lの世界』を同月から11月まで再放送すると発表した[5]。 日本では、海外ドラマ好きな女性を中心に認知されている[6]。現在のところ、日本国内では放送されておらず[7][8]、DVDも海外版が発売されているのみである。日本の通販サイトでも海外版を購入できるが、国内DVDデッキ(通常リージョン2)と海外版のリージョン(US版はリージョン1)が違うため、リージョン変更、またはリージョンフリーのデッキなどの設備が必要となる。
音楽
配信
再放送
日本での認知度
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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