ギレルモ・デル・トロの
ピノッキオ
Guillermo del Toro's Pinocchio
監督
ギレルモ・デル・トロ
マーク・グスタフソン
脚本
ギレルモ・デル・トロ
パトリック・マクヘイル
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(Guillermo del Toro's Pinocchio)は、2022年のアメリカ合衆国のミュージカル・ファンタジー・ストップモーションアニメ映画。ギレルモ・デル・トロとマーク・グスタフソンが共同監督、デル・トロとパトリック・マクヘイル(英語版)が共同脚本を務めている[9]。カルロ・コッローディの『ピノッキオの冒険』を原作とし、グリス・グリムリー(英語版)が手掛けたデザインを基に製作され、ユアン・マクレガー、デヴィッド・ブラッドリー、グレゴリー・マン、バーン・ゴーマン、ジョン・タトゥーロ、ロン・パールマン、フィン・ウルフハード、ケイト・ブランシェット、ティム・ブレイク・ネルソン、クリストフ・ヴァルツ、ティルダ・スウィントンが出演している。
2008年に企画が発表され、2013年または2014年公開を目指していたが開発地獄に陥り、製作費を融資するスタジオが現れなかったことから2017年11月に製作が中断した。2018年にNetflixが権利を取得したことで製作が再開し、2022年10月15日にロンドン映画祭でプレミア上映が行われ、11月9日から一部の映画館で劇場上映された後、12月9日にNetflixで配信される。批評家からはデル・トロとグスタフソンの演出やアニメーション、映画音楽、キャストの演技が高く評価されている。第80回ゴールデングローブ賞(英語版)では、ストリーミング作品として初めてアニメ映画賞を受賞し[10]、第95回アカデミー賞では長編アニメ映画賞を受賞している[11]。
サイモン&シュスターから映画の脚本を小説化した書籍が発売されている[12]。
ストーリー(英語版)が投下した爆弾によって、息子カルロを喪ってしまう。彼はカルロの墓の側に松の木を植え、息子の死を悼みながら20年間を過ごすことになる。やがて、成長した木にはコオロギのセバスチャン・J・クリケットが住み着くようになるが、酒浸りになっていたゼペットが新しい息子を作り出すために木を切り倒してしまう。ゼペットは人形を作る途中で眠ってしまい、その間にゼペットの嘆きを聞いた木の精霊が人形に命を吹き込み、人形に「ピノッキオ」と名前を与える。住処に勝手に命を吹き込まれたセバスチャンは木の精霊に抗議するが、木の精霊から「ピノッキオの良心として成長を手助けすれば、一つだけ願いを叶える」と告げられ、提案を受け入れる。
翌朝、ゼペットはピノッキオが生きていることを知るが、言うことを聞かず暴れ回るピノッキオを受け入れなかった。彼はピノッキオを家に残して教会の礼拝に出かけるが、ピノッキオが付いてきてしまい、村の人々を怖がらせてしまう。ピノッキオを見た市長はゼペットに対して「ピノッキオを学校に通わせるように」と命令し、ピノッキオは学校に通うことになるが、落ちぶれ貴族のヴォルペ伯爵と猿のスパッツァトゥーラに誘惑されてカーニバルに行ってしまう。ヴォルペ伯爵は「生きた人形」のピノッキオに利用価値を見出し、契約書を交わして人形劇に出演させるが、連れ戻しに来たゼペットとピノッキオの取り合いになった結果、道路に投げ出されたピノッキオは市長の運転する車にひかれてしまう。ピノッキオは黒ウサギたちによって死後の世界に連れて来られ、そこで木の精霊の姉妹である死の精霊に出会う。死の精霊はピノッキオに対して、砂時計の砂が落ち切れば現世に戻ることができるが、死ぬたびに現世に戻る時間が遅くなることを告げる。現世に戻ったピノッキオはゼペットと共に帰ろうとするが、ヴォルペ伯爵からは契約書を理由に莫大な違約金を要求され、市長からは「不死身の兵士」としてイタリア陸軍に徴兵されそうになる。厄介事に巻き込まれたゼペットはピノッキオを突き放してしまい、ピノッキオはヴォルペ伯爵の人形劇に出演してゼペットに仕送りをしようと考え、カーニバルの巡業に加わる。