ギョイコウ
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ギョイコウ

分類

:植物界 Plantae
:被子植物門 Magnoliophyta
:双子葉植物綱 Magnoliopsida
:バラ目 Rosares
:バラ科 Rosaceae
:サクラ属 Prunus
:サトザクラ P. lannesiana
品種:ギョイコウ Gioiko

学名
Cerasus lannesiana 'Gioiko'
Koidzumi[1]
シノニム

Cerasus serrulata 'Gioiko'[2]
和名
ギョイコウ(御衣黄)

ギョイコウ(御衣黄)は、サクラ栽培品種である。花期はソメイヨシノより遅く、京都市や石川県白山市では4月の下旬頃[2]

花の大きさは、京都市や結城市で直径2から2.5センチメートル、北海道松前町で4から4.5センチメートルなど、場所によって異なる[2][3]。花弁数は10から15程度[1][4]の八重咲きで、花弁は肉厚で外側に反り返る。色は白色から淡緑色である。中心部に紅色の条線があり、開花時には目立たないが、次第に中心部から赤みが増してきて(紅変)、散る頃にはかなり赤くなる。場所や時期によって、花の大きさや色合いなどに大きな差がある。


開花初期最盛期を過ぎると赤みを帯びる

花の緑色は葉緑体によるもので、同じく葉緑体をもつウコン(鬱金)も若干緑色がかかるのだが、その量が少ないためにもっと薄い淡黄色である。また濃緑色の部分の裏側には、ウコンの花にはない気孔も存在する。ギョイコウは、黄色・緑色のを咲かせるサクラとしてウコンとともに古くから知られていた。その2品種の他にも、1990年代以降スマウラフゲンゾウ(須磨浦普賢象)、ソノサトキザクラ(園里黄桜)、ソノサトリョクリュウ(園里緑龍)の3品種が発見されている。

江戸時代に、京都の仁和寺で栽培されたのがはじまりと言われている[要出典]。「御衣黄」という名前は江戸時代中期から見られ[1]、その由来は貴族の衣服の萌黄色に近いため。古くは「黄桜」「浅葱桜(浅黄桜)」などとも呼ばれていたが、それがギョイコウなのかそれともウコンを指すものなのかはっきりしない。江戸時代にシーボルトが持ち帰った標本が現存している[5]

珍しいサクラではあるが、沖縄県を除く日本各地の100ヶ所以上で見ることができる。また、現在は合併してなくなったが、かつては秋田県東由利町の町花であった。

理化学研究所では、2007年にギョイコウに重イオンビームを照射し、開花頃には淡黄緑白色、終わりの頃に淡黄ピンク色の新品種「仁科蔵王」を開発した[6]
出典^ a b c 勝木俊雄『日本の桜 増補改訂版』 学習研究社、2009年ISBN 978-4-05-403796-0
^ a b c 大場秀章・川崎哲也・田中秀明『新日本の桜』 山と渓谷社、2007年ISBN 978-4-635-06192-6
^ 勝木(2009)では3.2から4.0センチメートル、大原(2009)では3.4から4.3センチメートル
^ 大原(2009)では11から16、大場ほか(2007)では約13
^ 大原隆明 『サクラハンドブック』 文一総合出版、2009年、ISBN 978-4-8299-0181-6
^重イオンビームで世界初のサクラの新品種の作成に成功 理化学研究所 archeivwdate=2012-3-7 Internet Archive

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、ギョイコウに関連するメディアがあります。


ウコン (サクラ)(鬱金) - 黄色の花を咲かせる桜。性質はギョイコウに近い。

スマウラフゲンゾウ(須磨浦普賢象) - 黄色の花を咲かせる桜。花弁数はギョイコウやウコンよりはるかに多い。

外部リンク

緑の桜ホームページ - 全国の開花地の一覧が掲載されている。


更新日時:2014年4月12日(土)12:30
取得日時:2019/01/27 19:29


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