この項目では、国際単位系 (SI) における接頭語について説明しています。その他の用法については「ギガ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ギガ(giga、記号:G)は国際単位系 (SI) におけるSI接頭語の1つで、基礎となる単位の109(=十億)倍の量であることを示す。
国際単位系 (SI) の制定時(1960年)にSI接頭語として定められたもので、古代ギリシア語で「巨人」を意味する γ?γα? (gigas) に由来する。初出は1947年の第14回国際純正・応用化学連合 (IUPAC) 総会の報告書の "The following prefixes to abbreviations for the names of units should be used(単位名の略語に次の接頭語を使用する必要がある): G giga 109×. という記述である[1]。
英語における発音「硬いgと柔らかいg(英語版
英語においては、giga は、「固いg」(hard g) による[?????](ギガ)とも「柔らかいg」(soft g) による[?d????](ジガ)とも発音される[2]。
1960年代と1980年代に発行されたアメリカ国立標準技術研究所 (NIST) によるメートル法接頭語の発音ガイドによって、アメリカ合衆国においては「ジガ」の発音も正式なものとされている[3]。「バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ」では、共同脚本家であるボブ・ゲイルのミスにより "giga" が "jigo" と表記されており、発音も「ギガ」や「ジガ」ではなく「ジゴ」となっていることが知られている。日本語の翻訳(吹き替え)においても「ギガ」に訂正されることなく「ジゴ」として扱われている。
アメリカの作家ケビン・セルフによれば、ギガは1920年代に国際電気標準会議(IEC)のドイツ代表によって提案されたが、その際に、ドイツの詩人クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩集 Galgenlieder 第3版(1908年)の一節を提示していた[4][5]。これは、ドイツ語による「固いg」(/?/)で発音することが意図されていたことを示唆している。ケビン・セルフは、「柔らかいg」(/d?/)による発音がいつから行われるようになったかを確認できなかったが、1995年の時点で「固いg」に戻ったと主張している[6][7]。
音声学者ジョン・C・ウェルズがイギリス人を対象に1998年に行った調査では、gigabyte(ギガバイト)の "gi" を、84 %が/??/(ギ)、9 %が/d??/(ジ)、1 %が/d?a?/(ジャイ)と発音した[8]。 情報工学やITの分野において、SI接頭語「ギガ」は、国際単位系 (SI) の定めに従い1,000,000,000(= 109)倍(= 1000 (103) メガ)を示す場合と、国際規格などで定められていない俗習[注 1]として1,073,741,824 (= 230) 倍(= 1024 (210) メビ)を表す場合[注 2]がある。 この曖昧さを回避するため、1,073,741,824 (= 230) 倍を示す接頭語として、国際規格(IEC 80000-13)にてSI接頭語と区別できる2進接頭辞「ギビ」(gibi、 記号: Gi) が定められているが、「ギビバイト」(gibibyte、記号: GiB) や「ギビビット」(gibibit、記号: Gibit,Gib) などの単位は、あまり用いられていない[注 2]。 また、国際単位系 (SI) 第8版(2006年)にて、ギガやその他のSI接頭語を決して2のべき乗を表すために用いてはならないと定めている[注 3]が、大手IT企業であるマイクロソフトなどが、未だ国際単位系 (SI) の定めに完全には従っておらず[注 2]、2のべき乗を表す用法も混在する状況は解決されていない[注 4]。なお、macOSでは、Mac OS X Leopard以前は2のべき乗(1024倍)が用いられていたが、2009年公開のMac OS X Snow Leopard以降は10の整数乗(1000倍)を用いたストレージ容量やファイルサイズ表示に変更された。[10] SI接頭語接頭語記号10n十進数表記漢数字表記short scaleメートル法への導入年国際単位系における制定年
強電や送電に関係する「ギガ」
ギガワット (GW) - 発電所・発電プラント。日本ではギガワットはあまり使われずにテレビや新聞などでは「100万キロワット」(kW、「`h」などと組文字であることが多い)と表記されることが多い。
情報工学やITにおける使用法
コンピュータやスマートフォンの販売店やユーザに使われる一般的な「ギガ」
ギガビット毎秒 (Gbit/s) - コンピュータネットワークの帯域幅など。1 Gbit/s = 1000000000bit/s
ギガヘルツ (GHz) - CPUのクロック周波数など。1 GHz = 1000000000Hz
ギガバイト (GB) - クラウドストレージやシリコンディスク、ハードディスク、USBメモリ、SDカード、DVD、Blu-ray Disc、内蔵メモリなど記憶媒体の容量や、ファイルサイズを表すのに用いられる。国際単位系 (SI) の定めに従う場合[注 2][注 4]、 1 GB = 1000000000バイト
上の用法から転じて、スマートフォンなどを用いる際、月極でデータ通信量の上限が決まっている契約形態において、月のデータ通信量の上限に近くなった状況を「ギガが減る」[11][12]、上限に達して通信速度が低下した状況を「ギガがない」などという表現を使用する者がいる[11]。この用法は、「パケ死」という表現と入れ替わるようにして用いられるようになった[12]。なお、auやIIJなどの大手通信会社の通信管理用アプリなどでは、データ残量と表示される[13][14]。
SI接頭語
クエタ (quetta)Q10301000000000000000000000000000000百穣nonillion2022年
ロナ (ronna)R10271000000000000000000000000000千'"`UNIQ--templatestyles-0000001B-QINU`"'𥝱octillion2022年
ヨタ (yotta)Y10241000000000000000000000000一𥝱septillion1991年
ゼタ (zetta)Z10211000000000000000000000十垓sextillion1991年
エクサ (exa)E10181000000000000000000百京quintillion
ペタ (peta)P10151000000000000000千兆quadrillion
テラ (tera)T10121000000000000一兆trillion1960年
ギガ (giga)G1091000000000十億billion1960年
メガ (mega)M1061000000百万million1874年1960年
キロ (kilo)k1031000千thousand1795年1960年
ヘクト (hecto)h102100百hundred1795年1960年
デカ (deca)da10110十ten1795年1960年
1001一one
デシ (deci)d10?10.1一分tenth1795年1960年
センチ (centi)c10?20.01一厘hundredth1795年1960年
ミリ (milli)m10?30.001一毛thousandth1795年1960年
マイクロ (micro)μ10?60.000001一微millionth1874年1960年