ギガントピテクス
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ギガントピテクス
生息年代: 1.00?0.30 Ma
Pre??OSDCPTJKPgN
Gigantopithecus blacki
下顎骨化石標本
イタリアミラノ市立自然史博物館所蔵)
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
約100万- 約30万年前
新生代第四紀更新世前期後半カラブリアン- 後期前半イオニアン
分類

ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:哺乳綱 Mammalia
:霊長目 Primates
:ヒト科 Hominidae
亜科:ヒト亜科/オランウータン亜科 Homininae/Ponginae
:ギガントピテクス属 Gigantopithecus

学名
Gigantopithecus
von Koenigswald, 1935[1]
タイプ種
Gigantopithecus blacki
von Koenigswald, 1935[1]
和名
ギガントピテクス
英名
Gigantopithecus
下位分類群(
本文を参照のこと
ギガントピテクスの下顎骨の化石(米国カリフォルニア州のサンディエゴ人類博物館[en]所蔵)

ギガントピテクス(学名:Gigantopithecus)は、ヒト上科絶滅したの一つである、大型類人猿身長約3m体重約300 - 540kg[2][3]に達すると推測される本種は、現在知られる限り、史上最大のヒト上科動物であり、かつ、史上最大の霊長類である。

約100万年前(新生代第四紀更新世前期後半カラブリアン)前後に出現したと見られ、中国南部から確実な記録が知られ、タイベトナムインドネシアなどからも同属のものとされる記録があるが[4][5]、30万年前(更新世後期前半イオニアン中期旧石器時代の初頭)あたりを境にしてそれ以降確認されない[2][6]。本種の生存期間はホモ・エレクトゥス類が栄えていた時期と重なり、両者の生息域はかなり重複していたようである。
呼称

属名古代ギリシア語: γ?γα? (gigas、語幹: gigant-)「巨人」 + π?θηκο? (pith?kos)「猿」による造語。模式種G. blackiの種小名は北京原人の発見に貢献したカナダの解剖学者ダヴィッドソン・ブラック(英語版)への献名[1]

1935年香港の漢方薬局で竜骨として売られていた巨大な大臼歯を購入したオランダの古生物学者グスタフ・ハインリッヒ・ラルフ・フォン・ケーニヒスワルト(英語版)が命名した[7]
生物的特徴
分類
系統分類

本種は、ケーニヒスワルトとその同僚で北京原人の研究者であるフランツ・ワイデンライヒ(英語版)の主張する人類祖先巨人説の根拠になったが、1960年代中国の研究者である董悌忱(英語版)によって人類の祖先ではない「巨猿」であると否定され[8]、現在は「人類の進化系統とは別系統の絶滅類人猿」であったと考えられている。

長らく、中新世の始原的類人猿であるドリオピテクス(Dryopithecus)に近縁の大型類人猿と考えられ、2000年前後からは、ヒト科チンパンジー亜科を認めない見地からゴリラチンパンジーと同じくヒト科ヒト亜科に分類されることが多かった。いずれにしても、進化系統上オランウータンよりヒト属に近縁で、ゴリラほど近縁ではない位置にある絶滅種と捉えられていたが[9]、近年ではむしろオランウータンに近縁な動物だったと考えられている[10][11]
下位分類

ギガントピテクス属の下位分類としては、以下の3が知られていた。表記内容は左から順に、学名和名もしくは仮名転写例、特記事項。

Gigantopithecus bilaspurensis Simons et Ettel, 1970 ギガントピテクス・ビラスプレンシス

†Gigantopithecus blacki von Koenigswald, 1935 ギガントピテクス・ブラッキー(ブラクキ、ブラックアイとも称) :模式種

†Gigantopithecus giganteus ギガントピテクス・ギガンテウス

ただし、インドから知られるG. giganteusはIndopithecus属に属し、G. bilaspurensisはI. giganteusのシノニムであるとする説もある。その場合、ギガントピテクス属はG. blackiただ一種のみから構成されることになる[4]
形態古人類学者フリーデマン・シュレンク (de)が手にする、ギガントピテクス・ブラッキーの大臼歯の化石

これまでに発見されたギガントピテクスの化石は3個の下顎骨と歯のみであり、情報量はきわめて乏しい。そのため、全体像の再現は憶測・推定によるところが大きい。少なくとも身長を推定し得る四肢骨が発見されていない以上、正確な数値を導き出すことは叶わない。

しかし、発掘された大臼歯は1in(25.4mm)四方もあり、下顎骨もホモ・サピエンスの2倍以上という巨大なものであった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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