ギガントピテクス
生息年代: 1.00?0.30 Ma Pre??OSDCPTJKPgN↓
Gigantopithecus blacki
下顎骨の化石標本
(イタリア、ミラノ市立自然史博物館所蔵)
保全状況評価
絶滅(化石)
地質時代
約100万- 約30万年前
(新生代第四紀更新世前期後半カラブリアン- 後期前半イオニアン)
分類
ギガントピテクス(学名:Gigantopithecus)は、ヒト上科の絶滅した属の一つである、大型類人猿。身長約3m、体重約300 - 540kg[2][3]に達すると推測される本種は、現在知られる限り、史上最大のヒト上科動物であり、かつ、史上最大の霊長類である。
約100万年前(新生代第四紀更新世前期後半カラブリアン)前後に出現したと見られ、中国南部から確実な記録が知られ、タイやベトナム、インドネシアなどからも同属のものとされる記録があるが[4][5]、30万年前(更新世後期前半イオニアン、中期旧石器時代の初頭)あたりを境にしてそれ以降確認されない[2][6]。本種の生存期間はホモ・エレクトゥス類が栄えていた時期と重なり、両者の生息域はかなり重複していたようである。
呼称 (gigas、語幹: gigant-)「巨人」 + π?θηκο? (pith?kos)「猿」による造語。模式種G. blackiの種小名は北京原人の発見に貢献したカナダの解剖学者ダヴィッドソン・ブラック(英語版)への献名[1]。
1935年に香港の漢方薬局で竜骨として売られていた巨大な大臼歯を購入したオランダの古生物学者グスタフ・ハインリッヒ・ラルフ・フォン・ケーニヒスワルト(英語版)が命名した[7]。 本種は、ケーニヒスワルトとその同僚で北京原人の研究者であるフランツ・ワイデンライヒ
生物的特徴
分類
系統分類
長らく、中新世の始原的類人猿であるドリオピテクス(Dryopithecus)に近縁の大型類人猿と考えられ、2000年前後からは、ヒト科にチンパンジー亜科を認めない見地からゴリラやチンパンジーと同じくヒト科ヒト亜科に分類されることが多かった。いずれにしても、進化系統上オランウータンよりヒト属に近縁で、ゴリラほど近縁ではない位置にある絶滅種と捉えられていたが[9]、近年ではむしろオランウータンに近縁な動物だったと考えられている[10][11]。 ギガントピテクス属の下位分類としては、以下の3種が知られていた。表記内容は左から順に、学名、和名もしくは仮名転写例、特記事項。
下位分類
†Gigantopithecus bilaspurensis
†Gigantopithecus blacki von Koenigswald, 1935 ギガントピテクス・ブラッキー(ブラクキ、ブラックアイとも称) :模式種。
†Gigantopithecus giganteus ギガントピテクス・ギガンテウス
ただし、インドから知られるG. giganteusはIndopithecus属に属し、G. bilaspurensisはI. giganteusのシノニムであるとする説もある。その場合、ギガントピテクス属はG. blackiただ一種のみから構成されることになる[4]。
形態古人類学者フリーデマン・シュレンク (de)が手にする、ギガントピテクス・ブラッキーの大臼歯の化石
これまでに発見されたギガントピテクスの化石は3個の下顎骨と歯のみであり、情報量はきわめて乏しい。そのため、全体像の再現は憶測・推定によるところが大きい。少なくとも身長を推定し得る四肢骨が発見されていない以上、正確な数値を導き出すことは叶わない。
しかし、発掘された大臼歯は1in(25.4mm)四方もあり、下顎骨もホモ・サピエンスの2倍以上という巨大なものであった。