キー配列
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キー配列(キーはいれつ、キーボード配列、鍵盤配列、キーボードレイアウト、: Keyboard layout)は、タイプライターテレタイプ端末鍵盤や、コンピュータキーボードなど、機械的、視覚的、機能上の文字や数字、機能動作の並びである。機械的なキー配列は、キーボード上のキーそのものとその配列であり、視覚的なキー配列とはキーボード上のキーの上の表示(貼付、彫刻)を指す。機能上のキー配列とは、ソフトウェアなどで定義された一つひとつのキーに割り当てられた意味や機能のセットを指す。

現代のコンピューターのキーボードは、そのキーが押されたときにキー上の文字そのものではなく、オペレーティングシステム(OS)にスキャンコードを送信するように設計されている。OSがそのスキャンコードを二進法の文字コードの変換に基づきある文字に変換する。その変換表をキー配列表と呼ぶ。つまり物理的なキー配列は実際のキー配列を変更することなく、キーの動きの意味を翻訳するソフトウェアを変更することにより、動的に変更することも可能である。

鍵盤の『鍵』の字が常用漢字外だったためJIS用語集では「けん盤配列」(けんばんはいれつ)だが、当記事では通称の「キー配列」を使用する。
概要

キー配列は、キーボード上のキー位置を定める物理配列と、ある物理配列に対して文字キー(機能キーなどを含む)の並びを定める論理配列とに大別される。

論理配列は、アルファベットカナともにさまざまなものが存在するが、英字ではQWERTY配列ドイツ語圏・チェコ語圏ではQWERTZ配列フランス語圏ではAZERTY (ASERTY) 配列日本語仮名入力ではJIS配列が普及している。同様に、中国語における漢字入力(繁体字における倉頡法の配列など)、朝鮮語におけるハングル入力(2ボル式の配列が標準的)の配列があり、いずれもQWERTY配列である。そのためQWERTY配列は「キー配列のデファクトスタンダード」と呼ばれることがある。

QWERTY配列がどのように成立したかについて、「初期の機械式タイプライターでは、あまり高速に打鍵しすぎると印字ハンマーが絡まってしまうために、よく連続打鍵される文字をあえて左右の離れた位置に配置した」という説がオーガスト・ドヴォラックやポール・アラン・デービッドなどによって流布されたが、異論もあり[1][2]、定説はない。「タイプライター#歴史」も参照

物理配列では、主にコンピュータではApple IIなどの流れを汲むMacintoshや各社UNIX端末でのキー配列と、IBMPC/AT後期にメインフレーム端末の操作性を持ち込んだ101キーボード系に大別される。

101キーボード系の主なものには以下がある。

101キーボード(主に米国圏用)

102キーボード(多国語用とも呼ばれる。主に欧文圏用、101キーボードに文字キーを1キー追加)

106キーボード(主に日本語向け。英字はQWERTY配列、カナはJIS配列、101キーボードに日本語変換用の5キーを追加)

上記にMicrosoft Windows用の3キーを追加したものは、それぞれ104キーボード、105キーボード、109キーボードとも呼ばれる。さらに電源・音量などの3キーを追加したものは、それぞれ107キーボード、108キーボード、112キーボードとも呼ばれる。これらの101などの数字は本来はキートップの数であるが、実際は各メーカーにより数と配置は異なり、あくまでも基本的な配列に対する呼称である。このため、実際には104個や107個やそれ以上でも、現在でも「101キーボード」と呼ばれる場合は多い。

また、Windows用キーボードでSunやHPのUNIXのようなキー配列をエミュレートするためのWindows用ソフトウェアなどが知られている。
物理配列物理配列
PC用

PC用とはIBM PC系の配列である。上述のように、USでは101/104英語キーボード、ヨーロッパでは102/105多国語 (Multi Language) キーボード、日本では106/109日本語キーボードが主流である。ただし実際のキー数やキートップ上の表記は、メーカーやモデルや言語によって、14インチ以下のノートPCは通常テンキーがない、電源・音量・アプリケーション起動関係のキーなど多少の相違がある。
83キーボードオリジナルのIBM PCの83キーボード

オリジナルのIBM PCおよびPC/XTで採用された[3]。のちのATキーボードとの対比でXTキーボードとも呼ばれる。基本的な配列はIBM PC登場以前の各社配列と大差はないが、テンキーとカーソル移動キーなどが兼用されており、NumLockキーで切り替えるのが大きな特徴である。

キーの内訳

メインキーテンキー一体化73キー(メインキー文字キー47キー、テンキー文字キー14キー、その他12キー)

ファンクションキー部分10キー


84キーボード

IBM PC/ATで採用されたため、ATキーボードとも呼ばれる。83 (XT) キーボードとの外見上の差異は「メインキー部とテンキー部が分割された」「SysReqキーが増えた」の2点。接続端子の形状と電気的な仕様は83 (XT) キーボードと同一だが、スキャンコードが変更されているため、(スキャンコードを切り替え可能な一部の製品を除いて)83 (XT) キーボードとの互換性はない。

キーの内訳

メインキー部分56キー(文字キー47キー、その他9キー)

テンキー部分18キー(文字キー14キー、その他4キー)

ファンクションキー部分10キー


101キーボード101キーボード(IBM モデルM)

「IBM 101拡張 (Enhanced) キーボード」。IBM PC/AT後期より採用され、同時にPC/XTにも発売された[4]。横一文字のEnterキーが特徴。のちにANSI X3.154-1988(2002年1月15日のINCITS(International Committee for Information Technology Standards)発足後は ANSI INCITS 154-1988)として規格化され、以後のPC/AT互換機の主流となった。


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