キン肉マンレディー
[Wikipedia|▼Menu]

『キン肉マンレディー』(キンにくマンレディー)は、小川雅史による日本漫画作品。1980年代に大ヒットした漫画『キン肉マン』(ゆでたまご)を原作とし、同作の登場人物を女性に置き換えた、原作者公認のパロディ漫画である。連載話数の単位はファイト☆○○(○は数字)。

集英社ウェブコミックサイト『ウルトラジャンプエッグ』で2008年6月19日から連載開始した。2011年9月17日から『ウルトラジャンプ』公式サイトに連載が移行。2013年6月19日掲載の第46話にて完結した[1]。単行本は全3巻が発行されている。
概要

1979年から1987年まで集英社『週刊少年ジャンプ』に連載されたゆでたまごの漫画作品『キン肉マン』を原作とする。本作の始まった2008年は『キン肉マン』の連載開始から29年目にあたり、「29(にく)周年」の語呂合わせで節目の年として数々の記念イベントが開催されるなどした。

原作には主人公のキン肉マンをはじめとする、多くの戦う男性キャラクターが登場するが、本作はそのほとんどが女性に置き換わった、原作世界のパラレルワールドを舞台とする。その中において、キン肉マンのお目付役の少年・ミートだけは「元の世界」での記憶を持ったまま登場し、原作とパロディ化された世界の差異を指摘するような、原作を知る読者と同じ視点での物語の進行役を務める。

物語はおおむね原作のストーリーを踏襲して進行するが、銅ベルマンやスフィンクスマンといった原作でほとんど顧みられない「その他大勢」として描かれていたキャラクターが本作では大きく取り上げられる傾向にある。一方で、マリやビビンバといった原作のヒロインに当たる存在は登場していない。

また女性化にあたり、乳房や臀部が露出するなどの軽い性描写が存在し、本作における「残虐ファイト」は相手の衣服をはぎ取るなどして恥ずかしい目に遭わせることを意味する。

時代設定は、原作が連載当時の1980年代だったのに対し、本作には携帯電話インターネットといった十数年後に普及するテクノロジーが登場している。

連載以前に、『週刊プレイボーイ2007年11月5日号に掲載された複数作家による『キン肉マン』のパロディ4コマ漫画の中に、小川による「キン肉マンレディー」がある。2ページ3本立てで、女性化のデザインはおおむねその後の連載と同様だが、設定は「ある日突然超人たちが女性に変わっていた」というもの。
あらすじ

『キン肉マン』の続編『キン肉マンII世』では、『キン肉マン』の物語終了後にミートが危機に備えて「超人保存装置」(プリザーブカプセル)で眠りについたという設定がされたが、装置に入ったはずのミートが目覚めるとそこは超人たちが女性化したパラレルワールドだった、というのが本作の導入となる。ミートは戸惑いながらも、目の前に現れたキン肉星の王女・キン肉マンレディーをその頭脳と経験でサポートすることを決意する。
登場人物

※は、性別が男性の超人または人物。女性化した超人は、「モデル:」の部分に元の名を併記する。
キン肉マンレディー

モデル:キン肉マン(キン肉スグル)本作のヒロインで、キン肉星の王女。キン肉マンのとさか状の部分は髪型で表現されている。プラチナブロンド髪の美人で、巨乳でムチムチのナイスバディ。天真爛漫で明るく前向きな性格だが、泣き虫なところもある。一人称は「ワシ」で、語尾に「なのじゃー」をつけるなどの爺言葉で話す。原作に準じ、ミートからは「王女」と呼ばれる。超人オリンピックでは第20回・第21回と連覇を果たすが、勝者の地位や特権(第20回超人オリンピック優勝によるシード権ほか)などに執着することが皆無で、純粋に超人との戦いを楽しみにしている。異常なほどの怪力で、相手を宇宙まで吹っ飛ばすほど。乙女の本能による、自己防衛本能としての火事場のおっぱい力を持っている。超人オリンピック後の慰安旅行で、プリンセス・カメハメに「48の禁断技」と「48の殺人技」を伝授される。
アレキサンドリア・ミート
第20回超人オリンピックの日本代表に選ばれたキン肉マンレディーのコーチとして、レディーの母であるキン肉真弓が呼んだ特別コーチだったが、超人保存装置の副作用によりその肉体に原作世界のミートの精神のみが移り、記憶を保ったままパラレルワールドの歴史を追体験することになる。キン骨マンの悪巧みを未然に防ぐなど知識を活かしレディーをサポートする。
ハラボティ・マッスル
モデル:ハラボテ・マッスル(委員長)原作と容姿が全く変わらないまま、女性的特徴が付け加えられている。超人オリンピックの予選開始を明確に言わない、種目をくじで決める、など適当なところがあるが、自由奔放に暴れる超人たちに頭を痛めてもいる。
キン肉真弓
モデル:キン肉真弓現在のキン肉星女王であり、キン肉マンレディーの母。ストーリーには直接関わらず、回想シーンに登場する。才色兼備で、第10回超人オリンピックの優勝者。20年前のキン肉族とホルモン族の戦いでは一族を率い、圧勝した。ホルモン族への融和政策として[2]、20年後に世継ぎ同士で王位争奪戦を行うことを提案する。
レディ・ロビン
モデル:ロビンマスク第19回超人オリンピックの優勝者。鉄製のビキニとティアラを着用した、無口かつクールな性格の美女。無表情なことから「ロビン・マスク」とも呼ばれ、極端に怒った(逆上した)時や画面がロング(遠景)になった時は顔を仮面でおおったような絵になる。第20回超人オリンピックでは、自分の前回優勝者としての権限でキン肉マンレディーを出場できるように取り計らい、キン肉マンレディーと決勝戦を争う。実はエルフの血を引いており、そのため長生きで、若く未熟な超人にはつい指導をしてしまう癖がある。ラーメン娘いわく「姉属性」。キン肉マンレディーとの試合中に勝ったら彼女を妹にしたいと漏らしてしまう。必殺技はタワーブリッジ。
薔薇のクーダ
モデル:バラクーダレディ・ロビンが特訓のためシベリアへ渡った際、ファンに囲まれたために変装したキャラクター。ウォーズマン・ジェーブシカの素質を見抜き、彼女の師匠となる。
ラーメン娘(ラーメンニャン)
モデル:ラーメンマン中国代表。お下げ髪の小柄な少女。「?アル」が口癖の残虐超人。リングサイドに陣取ったカメラ小僧から金を取って「残虐」ファイトを提供する。ややツンデレな性格。ムッター・ブロッケンと対戦し、残虐ファイトで完勝。試合後、ムッターを庇ったキン肉マンレディーに襲い掛かるが、キン肉マンレディーの驚異的なパワーにより返り討ちに遭い、怒ったテリーマンガールに乱入され過剰な「残虐返し」の屈辱を受けてしまう。その後は利己的な副収入や委員会への妨害行為をとがめられ、棄権扱いになる。キン肉マンレディーに「アイドルの方が似合う」と言われたことで、”アイドル超人”に転身する。フロイライン・ブロッケンJr.とともにラッカ星を襲った野盗宇宙人を全滅させたことで、全世界にアイドルとしての姿を収めた映画が配給されることになった。超人オリンピック「ビッグ・ファイト」では、フロイライン・ブロッケンJr.との対戦中、フロイライン・ブロッケンJr.をロメロスペシャルで仕留めようとした矢先にウォーズマン・ジェーブシカの突発的な攻撃により重傷を負い、一時植物人間状態となる。本家の必殺技であるキャメルクラッチやレッグラリアートの他、「楽勝紅脚」「五十歩百歩神拳」といった、『闘将!!拉?男』の「超人一〇二芸」のパロディである拳法技を使う。
ウルフマン(本名 - 大神満)
モデル:ウルフマン日本代表。頭部にマゲを結った山笠風の格好をした女性。超人であることに気付かず人間として育ってきた[3]が、超人たちが宇宙野武士退治に出撃中に襲来してきた宇宙暴走族をたった一人で撃退したことで、超人であることを自覚したとされている。本家同様の相撲殺法を得意とする。本名の大神満は地球人(日本人)としての名前で、普段は東京・葛飾の高校に通う女子高生として生活している。「アテー」という一人称を用い、言動は粗雑だが気のいい江戸っ子気質の性格。日本代表超人の仲間であるキン肉マンレディーからは「みっちゃん」と呼ばれ、友人であるとともによきライバルとなっている。
ウォーズマン・ジェーブシカ
モデル:ウォーズマンロシア代表。クールな顔つきをしているが、実は小心者で人見知りなドジっ子。シベリアに渡ったレディ・ロビンに見初められ弟子となるが、その性格のために特訓がはかどらず、冷酷な戦闘マシーンと化す「スマイルモード」の暗示をかけられた。ロボット超人ゆえに、試合中にも相手の技術を学習して強くなっていく。超人オリンピック「ビッグ・ファイト」では、予選で自身の不運からラーメン娘に重傷を負わせてしまう。それにより、本来のラーメン娘の対戦相手だったフロイライン・ブロッケンJr.との因縁が生じてしまうが、ジェーブシカの優しさがフロイラインに伝わったことで最後には和解し、友達となる。本家同様ベアークローを装備し、腕を付け替えることができる他、必殺技としてパロ・スペシャルを使う。
ビジーンズマン
モデル:ビーンズマンラッカ星出身の、自称「宇宙一の超人スカウトにしてスーパープロモーター」。さまざまな超人の要請に応えて他の超人を連れて来たり、試合を組んだりしている。テレポート能力を持つ小型モンスターを所持している。
怪人

本作開始当初は、キン骨マンが超人オリンピックの理事を勤めるなど、親和な状態となっていた。
キン骨マン
世界初の怪人界の特別親善理事。超人オリンピックの参加証を渡しに来たのだが、怪人の襲来と勘違いしたキン肉マンレディーとテリーマンガールの2人により痛めつけられ、結果としてレディ・ロビンにより理事の権限を剥奪、その後は小悪党に。変身により格好良くなるが、数分と持たず元の姿に戻る。
イワオ
キン骨マンのお供。こちらも変身により格好良くなるが、数分と持たず元の姿に戻る。
アメリカ超人
ザ・テリーマンガール

モデル:テリーマン日本政府の契約によりキン肉マンレディーの代わりの日本代表としてやって来たが、キン肉マンレディーのムチムチなバニーガール姿に一目惚れし、契約を破棄。以後、レディーと親友になる。キン肉マンレディーへは友情以上の感情も見せており、「キン肉マンはミーの嫁」と公言することも。活発で豪快な性格であるが、キレると手が付けられなくなるほど暴走する。第20回超人オリンピックでもラーメン娘がキン肉マンレディーを辱めたことで乱入し、過剰な「残虐返し」をしたことが原因で失格になる。必殺技として本家同様のスピニング・トゥーホールドやテキサスコンドルキックを用いる。試合以外での戦闘では銃も使用している。
シャネルマンガール1号
モデル:シャネルマン超人協会が、超人評議会と超人同盟に送ったスパイ。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:64 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef