キングピン_(キャラクター)
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キングピン(Kingpin)、またはウィルソン・グラント・フィスク(Wilson Grant Fisk)は、マーベル・コミックが出版するコミック作品に登場するスーパーヴィランである。「キングピン」という名前は、マフィアのスラング命名法における犯罪王の称号である。

Kingpin
出版の情報
出版者マーベル・コミック
初登場『アメイジング・スパイダーマン』#50(1967年7月)
クリエイタースタン・リー
ジョン・ロミタ・シニア
作中の情報
本名ウィルソン・グラント・フィスク
出身地ニューヨーク
所属チームヒドラ
ザ・ハンド
エミッサリーズ・オブ・イビル
パワー・エリート
パートナーヴァネッサ・フィスク(第一夫人)
タイフォイド・マリー・フィスク (第二夫人)
マイルズ・モラレス(親友)
リチャード・フィスク(息子)
バイロン・“ブッチ”・ファリス(息子/後継者)
著名な別名ブレイン・ウォッシャー[1]
ハロルド・ハワード[2]
ジ・アンダーテイカー[3]
能力

犯罪の首謀者/策略家

人間の最大強度と耐久性

非常に熟練した武道家

ケブラーアーマーを着用

レーザー銃を装備したステッキと、睡眠ガスを充填したネクタイピンの使用

マーベル・ユニバースで最も恐れられ、危険で強力な犯罪者の1人であり、通常はニューヨークを支配する犯罪者として描写されている。当初はスパイダーマンの敵役として登場したが、後にデアデビルの宿敵になった[4]。キングピンは、ヴァネッサ・フィスクとタイフォイド・マリー・フィスクを妻に、リチャード・フィスクとバイロン・“ブッチ”・ファリスを息子を持つ。キングピンのオーソドックスな外見は、白いスーツに身を包み、を携えた禿げ頭の巨漢である。一方でその姿は何年にもわたって変化しており、典型的なマフィアの頭目という風貌を保ち続けているが、スパイダーマンからはその見た目を何度か嘲笑されている。

2009年、キングピンはIGNの『グレイテスト・コミック・ブック・ヴィラン・オブ・オール・タイム』で、第10位にランキングされた[5]
発行履歴

キングピンはスタン・リーとジョン・ロミタ・シニアによって創造され、『アメイジング・スパイダーマン』第50号(1967年7月)で初登場した[6]。その外見は、俳優 シドニー・グリーンストリートとロバート・ミドルトンに基づいている[7][8]

デビュー作である『アメイジング・スパイダーマン』第50?52号でのストーリー・アークで、キングピンは異常に実践的な傾向がある犯罪王として描かれたが[9]、リーによって展開されたその後の作品では、より典型的なスーパーヴィランになった[9]。1980年代初頭、作家のフランク・ミラーによる『デアデビル』に登場すると、一貫して非合法にとどまっていた冷血な犯罪王・黒幕として何十年もの間描かれ続けるほどに進化し[9]、マット・マードック/デアデビルの宿敵として広く認知され[4]クリント・バートン/ホークアイ、エコー、パニッシャーとも共演・敵対するようになった。
キャラクター経歴

ウィルソン・グラント・フィスクはニューヨークの貧しい子どもとして生まれ、その肥満体からクラスメートにいじめられていた。そこでフィスクは何年も費やして、肉体トレーニングと戦闘訓練を行い、リーダーとして三流ギャングを形成すると、周辺地域を恐怖に陥れた。やがて暴徒のボスであるドン・リゴレットにボディーガードとして雇われたフィスクは、リゴレットの右腕になるも、最終的に彼を排除し、リゴレットの部下とビジネス上の利益を組織丸ごと乗っ取り、自らの新しい帝国として掌握した。このことからフィスクは、ニューヨークの犯罪の地下社会で最も強力な人物の1人になり、“キングピン”という名前を獲得した[10]

フィスクは新しい地位で私腹を肥やしていたが、“マッジャ”と“ヒドラ”というの2つの組織から敵視された。両組織が力を合わせてフィスクの帝国を攻撃したことで、資産のほとんどを失ったフィスクは日本に逃亡した。 そこで、彼は合法的なスパイス輸出事業を開始し、その利益を使ってニューヨークに戻り、古い信者らと手を組むと、マッジャを壊滅させるための戦争を開始した。その最中に生じた混乱で、フィスクは失ったもの全てを取り戻した[11]

ピーター・パーカー/スパイダーマンがJ. ジョナ・ジェイムソンによる報道から戻ってくると彼と初対決を繰り広げ、自身の計画を妨げられた[11]

自らの犯罪活動が公に詮索されるのを避けるために、フィスクは正当なビジネスマンとして、慈善団体に寄付をする心優しい慈善家としての自分のイメージを世間に浸透させた。そして彼はヴァネッサと出会って結婚し、リチャードという長男にも恵まれた。夫の裏の顔を知らなかったヴァネッサから、裏社会から手を引かなければ別れると告げられたフィスクは、一度は犯罪帝国を放棄し、敵から家族を守るために家族を日本に移住させた。 しかし、時間が経つにつれて、彼は民間人の生活に順応することができなくなり、今度は妻の知識を得て、再びマフィアの道に戻った[12]

スキー事故で亡くなった思われたリチャードが、実は生存していており、父親が犯罪者であると知ったことからニューヨークに戻り、“スキーマー”と呼ぶ謎の新しい犯罪王に変装して、父親の帝国を破壊するために自分のギャングを結成していた頃、フィスクはスパイダーマンと再び衝突した[13]

後にフィスクはラスベガスを拠点とするヒドラの要職に就いた[14]

だがフィスクは、ヴァネッサの頼みで裏社会から永久に身を引くことを決意すると、その前にキングピンとしてもう一度スパイダーマンを殺そうとしたが失敗。それでも二度と犯罪に戻らないことを誓った[15]
能力・装備

キングピンには超人的な力は無いが、平均的な人間よりもはるかに耐久性があり、肥満体に見える体躯は超重量級の力士重量挙げ選手のように並外れた筋肉の塊であり、成人男性を部屋の向こう側にまで投げつけられるほど普通の人間としては高水準の腕力を誇る[14][16]。これに加え、素手で5人以上の熟練の武道家を一斉に敗る毎日のトレーニングによって[17]、護身術である達人級の相撲・得意技のベアハッグによる肉弾戦や、武装しての白兵戦にも長け、キャプテン・アメリカとも互角に戦えるほどの実力を有している[14]

また、貴重品を鍵のない特注の金庫に保管したり[18]、衣服の下にケブラー製アーマーを着用するほどの用心深さ、独学で習得した大卒レベルの政治学、表の顔である実業家・本性の犯罪組織の黒幕という双方における組織の事業運営・資産管理、豊富な知識、幾度も敵の裏の裏をかいてしのぐなど、非常に熟練した戦術家・策略家としての頭脳を有している。このため、自らの立場を強固なものにしつつ、陰謀や殺人・恐喝などで不利益となる存在は冷酷なまでに破滅させ、州及び連邦当局の捜査・摘発を回避するなど、犯罪組織の手強い黒幕としての手腕を発揮する。さらに非常に強靭な自我の持ち主でもあり、パープルマンのマインドコントロールにも抵抗できる[19]


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