キンギョ
[Wikipedia|▼Menu]
目次

1 品種

2 体色・模様

3 尾の形

4 飼育

5 病気

6 養殖方法

6.1 産卵

6.2 稚魚飼育


7 歴史

7.1 中国

7.2 日本

7.3 アジア

7.4 その他

7.5 宇宙実験


8 食用・薬用

9 キンギョを題材にした作品

9.1 音楽

9.2 文学

9.2.1 小説など

9.2.2 俳句


9.3 映画

9.4 落語

9.5 日本の切手

9.6 漫画・アニメ・ゲーム

9.7 置物・キャラクターグッズ等

9.8 和菓子


10 脚注

10.1 注釈

10.2 出典


11 参考文献

12 関連項目

品種「金魚の品種の一覧」も参照 ワキン

金魚はその祖先であるフナと同じく、染色体が倍化した四倍体性であるため、遺伝的変異を起こしやすい。この特徴を利用して人為的に様々な品種が作りだされてきた[1]。比較的フナの体型に近い和金、ずんぐりした体に長いひれを持つ琉金、眼球が左右に飛び出した出目金などは、日本では明治時代までに輸入された移入種であり、古くから親しまれてきたものである[2]。これらを品種改良して、黒い斑点のある東錦、背びれがなく頭部に瘤をもつ蘭鋳、短い体に長いひれ、頭に瘤があるオランダ獅子頭などが様々な品種がつくられた。愛知県産の地金、高知県産の土佐金、島根県産の出雲南金などは各県の指定天然記念物となっている。2015年時点、日本観賞魚振興事業協同組合が認定している日本産の品種だけでも33種あり、認定の可能性のある品種を含めると50種類にもなる[3]。これらにさらに明治以降に中国から輸入された水泡眼、アメリカから輸入されたコメットなどが加わる[2]

このように金魚の色・形態は品種によって大きく異なっているが、いずれの品種も分類学上はすべてCyprinus auratusとして扱われる[4]。品種改良された金魚は自然の中での生存競争に向かず、フナの色や形に先祖返りしてしまう傾向があるため、品種を保つには意識的な維持・管理が不可欠となる[5]。なお原産地の中国では、草種金魚(フナに近いもの)、文種金魚(尾が開いたもの)、蛋種金魚(背びれがなくなったもの)といった呼称はあるものの、日本のように品種といった明確なくくりはなく、品種よりも個体ごとの変異や特徴を楽しむ傾向がある[6]

和金(更紗)

琉金(赤)

琉金(赤白)

琉金(キャリコ)

出目金(更紗)

出目金(黒)

アズマニシキ

オランダシシガシラ

スイホウガン

ランチュウ

コメット

体色・模様

体色は白、オレンジ(金色)、赤、黒、茶など様々である。孵化してからしばらくの間はフナと同じく黒色をしており、ここから徐々に赤い色などに変化していく(これを褪色現象という)。色は成長とともに変化することもあり、クロデメキンなど黒い色をしたキンギョでは数年経過してから褪色が始まり、金色になってしまうこともある。キンギョの体色には、以下のような呼び名がついていることがある。
猩々
赤のみ。
素赤
体は赤く、各ヒレの先端が白い。
更紗
代表的なのは赤と白の模様であるが、他には白と黒、赤と黒のものもある。赤の比率の多いものを赤更紗、白の比率の多いものを白更紗と呼ぶこともある。白と黒はパンダ、赤と黒はレッサー、サビリュウと呼ばれている。
キャリコ
赤、黒、白などによる複雑なまだら模様。
丹頂
頭頂部のみ赤で、他は全て白のもの。
背赤
背中のみが赤で、他は全て白のもの。
両奴
頭部が白く、両方のエラ蓋が赤いもの。
六鱗
口、エラ蓋、ひれのみが赤で、他は全て白のもの。
尾の形

キンギョの特徴の一つは、その独特な尾の形である。フナ尾、吹き流し尾、三つ尾、四つ尾、そり尾、さくら尾、クジャク尾などといった種類がある。特に、三つ尾、四つ尾など、尾ひれの背面側が癒合して腹面に向けて左右に分かれた形は、他の観賞魚の変異にも似たものが見あたらない。
鮒尾
一本尾ともいう。ワキン型の品種に多く見られる。ブリストル朱文金などのハート型に見える大きなフナ尾は、ハート尾と呼ばれ好まれる。コメットや朱文金などに見られる長いフナ尾は、吹き流し尾と呼ばれ、その特徴となっている。
三つ尾
平付尾ともいう。二枚のフナ尾が上向きになってくっつき、2つの谷と3つの山ができた形。
四つ尾
三つ尾の真ん中の山に切れ込みが入って、3つの谷と4つの山ができた形。
桜尾
三つ尾の真ん中の山に少しだけ切れ込みが入った形、もしくは四つ尾の真ん中の山の切れ込みが浅い形。
孔雀(クジャク)尾
四つ尾が上向き(水平)ではなく垂直になっている形。地金(ジキン)特有の尾。
平付け反転尾(反り尾)
三つ尾や桜尾の尾葉が体軸に対し並行に大きく広がり先端が反り返っている形。土佐錦魚(トサキン)特有の尾。
蝶尾
四つ尾の谷が小さくなって山が大きく広がった形。
飼育

水槽、水、砂利またはろ過機が必要である。金魚鉢と呼ばれる小型の飼育容器もあるが、水槽はなるべく大きなものがよい。キンギョは、水温の変化に合わせて体温も変化する変温動物であり、水温が高くなれば体温が上がり、活発に行動し、食欲も旺盛となるが、逆に水温が下がると体温も下がり、動きが鈍くなってエサを食べても消化が衰える。キンギョの適応可能水温は1℃以上35℃未満であるが、これはあくまで適応可能な範囲であり、およそ15℃から28℃までの範囲が快適水温である[7]。一般的にキンギョは、5℃以下では冬眠状態であり、15℃以上では元気に動いてエサを食べる[7]。20℃以上28℃未満の範囲では動きが活発で食欲もすこぶる旺盛である[7]。しかし、28℃以上になると動きが鈍く、食欲も下がってしまう[7]。人間の体温は、キンギョにとってはきわめて高温であるため、移動などの際にはなどを使用し、人の手で直接触ることは避けることが望ましい。また、キンギョは急激な水温の変化に耐えることができない[7]。特にプラスマイナス5℃以上の水温変化はキンギョの体調に悪影響を与えるので、水の入れ替えなどでは注意が必要である[7]。水換えは、ポンプ等で水を3分の1ないし2分の1程度を抜き、ろ過機の汚れやすい部分は飼育水で良く洗い、換え水は予めカルキ抜き(塩素除去)を施した水道水をバケツなどに用意しておき、それを利用するとよい[7]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:57 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef